「中国風」:神伝文化の奥深い趣き

【大紀元日本5月4日】中国は古から、自国を「神州」「東土」と称してきた。中華民族の悠久なる5000年の文明歴史は、黄帝、尭、舜、禹、湯、文、武、周公の時代を経た後、孔孟の教えを崇敬し、「道」「佛」「儒」の諸子百家の文化が燦然と幾代にも渡って受け継がれてきた。その中でも唐朝の文化が最も特色を有し、最盛期となって最高峰を極めた。中国の正統な伝統文化は神伝文化であり、忠恕仁義の道徳を尊んできた。真の「中国風」とは神から伝わった古典文化であって、これこそが中華民族文化の誇りである。

ところが、中国共産党(中共)の専制は、無神論を唱え、「偽・悪・闘」の党文化を創り出し、人間性を地に貶め、「10年の文革」によって儒家を打倒し、「破四旧(古い思想・文化・風俗・習慣を打ち破る)」運動によって中国の正統文化を深刻に破壊し、宗教、民俗、音楽、舞踏、芸術文化など全てが例外なく難に遇った。現在の中国にうわべだけは存在する「中国風」は、すでに見る影もなくすっかり変わり果て、見かけ倒しのものだけが残った。これは中華民族史上でも目に余る大災難であり、人類の文明史上最大の悲哀と言えよう。

神秘的な「漢字」

中国語に使用される漢字の奥深い味わいは誠にすばらしい。漢字の生成には六種の法則があり、「六書(りくしょ)」と称される。象形・指事・会意・形声・転注・仮借(かしゃ)がそれで、これによって中国語の文字は、形・音・意味を兼ね備えるようになった。ところが、中共はこの漢字を簡略化した。表向きは新機軸を打ち出して簡略化したというが、その実は骨の髄まで妖魔化しており、中国漢字の造字の精髄を徹底的に骨抜きにしてしまおうと考えたのである。

では、中国漢字はどのように神秘的なのであろうか?神にちなんだことばは、神州、神聖、神通、神韻、神秘、神速、神奇、神武、神通広大、神機妙算、等々、数え切れないほどにあり、このうえなく美しい。

「説文解字」では、「一ハ惟れ初メノ大極、道一ニ立チ、天地ヲ造分シ、万物ヲ化成ス」とある。一が万物を生み出すとは、万物の起源が宇宙の共通特性「真・善・忍」にあることを意味する。宇宙には無数の生命があり、かつ生命には無数の次元がある。われわれ人類が理解できることとして、人類のこの空間には人、動物、植物、微生物等々が存在する。しかし、人類より高い次元にさらに無数の生命体がおり、古今東西これら高級生命は「神」と称されてきた。その実、神もまた多くの生命の一種であり、それにも次元の区別があるのだ。

中国の神韻舞踊芸術

中国舞踊は中国古典舞踊とも称され、多姿多彩にして奥深い味わいを体現してきた。中でも唐代がその最高峰であった。

中国舞踊は、内在する趣きと形を兼ね備えた独特の身韻を重んじる。つまり、眼神、身法、手法、勁道、旋律がそれだ。その他、身法、手、眼、身、法、歩、形、神、勁、律を重んじ、動静、軽重、緩急、強弱、剛弱なども大切な要素である。

神韻とは神が伝えた奥深い趣きであって、ことば、思惟、習慣を超越した「天籟(てんらい)の音」と完璧な舞踊方式によって、唐代の正統で優美な倫理道徳の文化を体現し、心の内面の喜怒哀楽と表情を細やかに表現した。神韻芸術団が公演する「精忠報国」「木蘭」は人々によく知られた、誰もが好む演目であり、「創世」は神伝文化の唐文化を啓示し、「燭光」では人類の明るい希望を燃え上がらせ、「帰位」では善悪応報を舞い、返本帰真の天国世界を描いてみせた。変幻自在な天幕など、舞台にもさまざまな工夫が施され、純善にして純美、純浄に魂を揺さぶる。

神韻芸術団は、中国舞踊に独特の身韻と身法で、奥深く美しい味わいと光り輝く世界を描き出し、宇宙の共通特性である真善忍を崇敬し、神を敬い天地自然を敬い、善悪応報と賢徳を伝え、道徳を教化し、情感を陶冶し、風俗習慣を改めた。

「中国風」の芸術的奥行き

中国正伝の六芸とは、「礼・楽・射・御・書・数」であり、天地を敬愛し自然と融合する神伝芸術文化を体現している。

中国の戯曲は、悠久の歴史を持つ民族の巨大溶鉱炉のようなもので、多様なことばが入り混じり、民俗、戯劇、音楽、戯曲などが渾然と溶け合っている。純朴自然な中国音楽芸術は、天籟の古音・古楽・古韻であり、感覚と情緒を重んじ、感情と精神とを涵養することができる。

中国書法は、楷書と隷書を正統な書体とし、その純正さや朴実さが高雅な品格と節操を体現している。行間が醸し出す味わいは形象芸術とも言え、絵画が描き出すある種の象徴的な爽快な美感のようであり、音楽が抽象芸術でもって調和の取れたリズムと旋律を描き出すのに似ている。中国書法は、東方文化特有の芸術的至宝であり、世界文化史上でも稀に見るものと言えよう。

中国の皇宮、道観や廟宇、中国庭園、茶道、詩賦、中国刺繍、服飾、修煉、中国医学、武術、易経等々、どれもみな、神伝文化の現われである。孔子の「論語」はその一部だけで天下を平定すると評され、「孫氏兵法」は世界の兵法家が敬服するところである。

「神韻芸術団」の世界巡回公演は、すでに真の「中国風」のために新たな一ページを切り開いた。これは、万世に神伝文化を継承していくための輝かしき次世代への一里塚でもある。

(作者:適鳴)