睡眠の過不足で、死亡率が増加

【大紀元日本10月12日】どれくらいの睡眠時間が体にもっとも良いのだろうか? 1日の睡眠時間は人それぞれで、4~5時間しか取らない人もいれば、10時間以上寝なければ、足りないと感じる人もいる。最近の研究によると、現代社会の生活リズムはとても速く、睡眠時間を削る人は少なくないが、この影響により、心血管疾病に罹る患者が増えているという。一方、睡眠時間が長すぎても、死亡率の増加につながることが分かっている。専門家は、健康のために毎日約7時間の睡眠を維持することを勧めている。

調査研究によると、長期にわたる睡眠不足を経験している人は、心疾患で亡くなる率が十分な睡眠を取っている人に比べて倍くらい高いという。睡眠不足が続くと血圧が上昇し、心筋梗塞および脳卒中に罹る比率が高くなる。

ある調査は、17年間にわたり、1万人の政府職員を対象に行われた。その結果、毎日7時間の睡眠を5時間以下に減らしたときの死亡率は、正常に睡眠をとっている人に比べて1・7倍も高くなった。また、心血管疾病で死亡した患者は正常に睡眠を取っている人に比べ、倍以上の高い率が示された。研究の対象になった人々は35~55歳で、1985年から1988年および1992年から1993年の2段階に分けて調査した。対象者らの睡眠習慣を調査し、2004年までの死亡率を追い、調査当初の年齢、性別、喫煙の有無、飲酒習慣、肥満指数、血圧およびコレステロールなどの影響を除去して、研究結果が纏められた。

英ウォーリック大学医学部心血管薬物学専門のカップチオ(Francesco Cappuccio)教授は、英国睡眠協会(British Sleep Society)の年度総会で、「3割の英国人および4割以上の米国人の1日の睡眠時間は5時間以下になっており、圧力の多い現代社会で、人々は睡眠を削り、より多くの時間を仕事に費やさなければならない状況になっている。これは、決して良いことではない」と指摘した。

一方で、毎日9時間以上の睡眠を取っている人も、正常な睡眠時間を保っている人より死亡率が高いことが分かっている。この場合には心血管疾病と関係ないことが調査によって分かっている。

(記者・泰飛、翻訳・豊山)