ドイツ当局がサイエントロジー教会禁止の手続き要求

【大紀元日本12月13日】12月7日、ドイツ安全部門は、サイエントロジー教会(Church of Scientology)の教理がドイツ憲法に違反しているとし、同教会のドイツでの活動を禁止する手続きをとった。

ドイツ16州の内政部長はすでにドイツ国内の情報部門に同教会の活動を禁止する関係資料を準備することを要求した。当局によれば、10年以上の観察を経てサイエントロジー教会がドイツの平和、民主秩序の脅威となることが明らかになった、という。

同教会は直ちにドイツ政府のこの行為を糾弾し、ドイツ政府が国際法廷の判決に違反したことを指摘した。ボーリンキリスト科学教会のサビーネ・ウェバー主席は、ドイツが再びこの団体の禁止を企てたことに対し、同教会が欧州の数カ国で歓迎されつつあることに対する反応だと見ている。

先日のドイツ政府最新の極端主義調査報告ではサイエントロジー教会が人権を軽視していると糾弾。報告は「多方面からの情報で、この組織の教理が個人の発展を制限していることや、不平等対応の実行などを含み著しく基本的人権を制限していることが明らかになった」と指摘している。また、ボーリン内政部長エアハルト・コーティング(Ehrhart Koerting)氏は「サイエントロジー教会はドイツ憲法に符合しない」と指摘した。

来年、トム・クルーズがシュタウフェンベルク・ドイツ陸軍大佐を演じる、「ヴァルキューレ」という映画が公開になる。今年初め、ドイツ当局は、サイエントロジー教会を信仰するハリウッドスターのトム・クルーズがドイツ人殉教者を演じるにふさわしくないとし、ドイツでの撮影を拒否した。しかし、その後の撮影は進んでいるようだ。

AFP通信によれば、ドイツ誌でドイツ国内安全部門の専門家は、もしドイツ当局が本当に国内でサイエントロジー教会を禁止したら大きな反発にあい、最終的には失敗するだろうと考えているという。

サイエントロジー教会はすでにこの世を去ったSF小説家ロン・ハバード(Ron Hubbard)が1954年に設立し、1970年にドイツに入ったもの。当局のデータによればドイツ全土で約6000人の信仰者がいるという。

(翻訳・坂本)