【神韻芸術】「文化と道徳の価値観」を重視した芸術公演=カナダ・文学賞作家

【大紀元日本1月15日】神韻芸術団の華人新年祝賀祭は1月13日、カナダの首都オタワで2008年世界ツアーのカナダデビューを果たした。

オタワ大学の受賞英文学教授、シリル・デイビィディーン氏はこのほど、昨年鑑賞した新年華人祝賀祭の公演の批評を熱心に語り、今年も同公演を「大いに」楽しんだという。

同氏は13日夜、オタワのナショナル・アーツ・センターで公演を鑑賞した後、「神々しさ、精神性、価値あるもの―わたしにとってそれらのものは、非常に超越的なものであり、非常に感動的なものである」と語った。

カナダや諸外国で作品が出版されている多作の詩人であり、作家である、デイビィディーン氏は、小説や詩集、短編など15冊を越える本を出版した。詩の部門でカナダ総督賞の審査員を二度務め、オタワの桂冠詩人でもある。

同氏は、ソプラノ歌手が歌っている最中に、バックスクリーンに映された歌詞を見て、「大変素晴らしく、美しく、驚きの中国文化に誘ってくれた」ことを明らかにした。

公演は、国際レベルの中国古典と民族の踊りや音楽、歌が勢揃いする。中国と西洋の音楽や楽器を統合させ、古代の舞踊技術と、臨場感あふれる映像を映し出すデジタル背景幕の最先端技術を見事に融合させた。

「現代技術と伝統的な手法が、驚くほどに、美しく、一体となっている」と、デイビィディーン氏は語る。「中国と西洋の楽器、伝統と現代的な中国と西洋の要素、過去と現在、すべてが見事に共存している」。

同氏は、古代中国では道徳的資質を重要視したこと、公演の演目で描かれた真を求める精神的な探求について意見を述べた。

「道徳的資質は非常に重要である。マスメディアが生み出した大衆文化の影響による対立や混乱があるように思われる時は特にそうである。この公演は、時の流れと共に軽視されてきた文化的、道徳的価値観や伝統の重要性を強調している。変転の速度が速い現代世界では、真剣に考えなければならないことだ」。

同氏は公演を見て「文化の喜び」について考えさせられたという。公演の「非常に高い基準」により、「観客は、日常の市民生活の質を高める上で文化や教養の果たす役割にだれもが注目するだろう」と語った。

デイビィディーン氏は、小説「ドラムズ・オブ・マイ・フレッシュ(Drums of My Flesh)」で2007年ガイアナ賞フィクション部門で受賞した。この小説は昨年、国際IMPACダブリン文学賞の候補となった。2006年オタワ・ブック・アワードで最終選考に残った。

同氏はまた、人権と人種関係の活動を長年続けており、熟練教育者として、中学校や大学などで20年も教えている。

「わたしは多文化を研究して15年になる…この公演の舞踊や歌、ソプラノ歌手、太鼓、オーケストラなど、高いレベルだ―並はずれたものだ…観る者すべてを高めさせてくれる」と語った。

同氏はオタワの中国人コミュニティーについて、「多大な貢献」をしているとし、オタワを「素晴らしく豊かな都市」にしているという。「私たちはよく、欧州系のカナダ人など特定の人々のことだけを考えている。たしかにそうした人々は、高いレベルの芸術的に美しい作品を生み出すことができるが、皆さんのような中国人でも、今夜のような素晴らしい公演を上演しているではありませんか」と称賛した。

出演した神韻芸術団によると、この公演は「正真正銘の中国の伝統文化を、中国大陸の共産党文化の要素はなく、純粋なる善、純粋なる美で再現したもの」だという。

デイビィディーン氏は、伝統文化の意義を保ち続けることの重要性について述べた。社会は生来有機的に発展していくべきものであるからだという。「社会と文化の有機的な発展―これがキーワードだ」という。

「政治的な影響というものは、作り上げられた影響であることが多い。あまりにも不自然であり、自己実現にはつながらない」とし、「わたしが一番ひかれたのは、昨年と同様、その歴史観であり、素晴らしい伝統、社会の発展方式という点である。あらゆる社会は変化するものだからだ。それを超越したところに、または、その内面にあるのは、私たちのより高い自己、道徳的価値観、精神的な価値観である」という。

同公演は、オタワからモントリオール、トロントに会場を移し、北米以外の大陸へと世界ツアーを展開する。日本には、2月12日の東京公演を皮切りに、名古屋と大阪で上演される。日本公演の詳細は、http://www.ntdtv.jp/gala/ まで。

(翻訳編集・佐藤)