「本音で語り合える国であってほしい」 韓寒氏、外国メディアに答える

【大紀元日本5月21日】先月26日放送のNHK「クローズアップ現代」にも登場した中国の「新人類」代表で、人気作家、ブログ王、プロのカーレーサーと多彩な顔を持つ韓寒(ハンハン)氏はこのほど、自身のブログに、外国メディアによるインタビューの一部を公開した。日本メディアとの問答も取り上げられており、中国社会の今後のあり方についての自身の考えが語られている。

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私のところには中国国内メディアだけでなく、外国メディアも取材に来る。同じ質問で同じ答え方をしても、双方の報道内容はなぜか違う。総じて言うと、外国メディアはよりストレートであり、時にはストレートすぎて答えられない質問もある。1回でもそのような質問に答えてしまうと、国内メディアが恐れ、それっきり私を取材対象から外すことになるだろう。そこで、「敏感」な質問については、私は外国メディアに正直に言う。「この質問は答えられない」と。答えたくないのではなく、答えられない、答えると大きな代償を払うことになるという意味だ。その代償の価値も見当たらない今、嘘も付きたくない私は、黙るしかない。「この質問について、韓寒氏は答える勇気がなかった」と報じてかまわない。

こんな不甲斐ない私を許してくれ

実際、国内メディアにはもっとたくさん語る時がある。何を報じてよいかは暗黙の了解を得ているので、最終的に公に報道されるものはきっと報じていいものなのだ。それを心得ていない外国メディアに対しては、私は問題点を話すよりも、希望を話すことが多い。以下はカナダと日本のメディアからの取材の一部であり、代表的な問答となっている。

<カナダ>

問:外国へ、例えばカナダへの移住はいかがでしょうか?

答:休暇や試合なら喜んで行くよ。しかし、移住は考えていない。カナダは美しい国で、一人当たりのGDPも高い。中国も一見GDPは高いが、一人当たりとなるとまだまだ低い水準にある。それでも我々はこのGDPのために莫大な代価を払ってきた。汚染や腐敗官僚などはそれにあたる。我々は時には1歩進むが、その他の時には2歩下がってしまう。それでも、私は少しでも多くの進歩を期待するし、力にもなりたい。何と言っても私の故郷だから。

もう1つの理由は、中国の腐敗官僚もカナダに移住しているので、カナダに行っても彼らの存在を目の当たりにしなければならないのは、国内で見るよりも残酷で、絶望的なことなのだ。

問:カナダを含む諸外国は、どのように中国の発展や国際社会での役割を評価すればいいでしょうか。

答:この質問は私にではなく、我々の役人や官僚に聞くべきだ。しかし、コツを教えてあげよう。彼らの過去の発言から、国名だけ変えれば良い。このコツはすべての質問に通じる。

問:中国の言論などに対する「敏感さ」をどう思いますか?

答:この問題も「敏感」すぎるから、答えられる所までしか答えられない。司法が独立しなければならないのはわかるが、我が国では、司法の独立は「国情」に合わないのだ。「国情」とは何かって?「国情」の最重要項目は金稼ぎで、それを達成するためには権力が必要なのだ。司法が独立したら、その権力にタガがかかり、権力者とその家族が今のように金儲けができなくなってしまう。故に、司法の独立は中国の「国情」には合わない。

<日本>

問:中国の今後のあるべき姿についてのお考えを教えてください。

答:不動産や土地の売買、末端の加工業などに頼らなくても、一人当たりのGDPが高い国であってほしい。良い人は、検閲の壁を乗り越える苦労をしなくても世界中の情報にアクセスでき、悪い人は、牢屋に入れて野放しにはさせない。世界に影響を与える文化を持ち、外国が真似したくなるような文芸作品を世に出す。きれいな環境と自由な空気のもとでお酒を酌み交わし、権力を籠に閉じ込め、脅迫を受けず、本音で語り合える国であってほしい。

(翻訳編集・心明)