流行語で読み取る激変の中国(66)

【大紀元日本12月29日】中国で流行語を生み出し、伝播する主役は若い人たち。その中でも、時代の変化に敏感で、かつ感情豊かな大学生たちが意欲的に流行語を創作する。彼らは時代や社会への関心を示す一方、大学生特有の価値観や独特の表現をもって彼ら自身の要求を訴える。今回から、その代表的なものを紹介しよう。

 1、銭不是問題,問題是没銭。

△ お金は問題ではないが、問題はお金がないことだ。

注釈=金銭に困らないことを一般的に「銭不是問題」という。

2、喝酔了我誰也不服,我就扶墻。

△ 酔っぱらったら、おれは誰にも服従しないが、塀にはもたれる。

注釈=同音の「服」と「扶」を巧みに使ったユーモラスな一句。

3、我就像一只●(足に八)在玻璃上的蒼蝿,前途一片光明,但又找不到出路。

△ 自分はまるで窓ガラスに這いつくばっている一匹の蝿のよう。前途に希望はあるが、出口は見つからない。

注釈=理想と過酷な現実とのジレンマを詠んだもの。

4、大師兄,你知道嗎?二師兄的肉現在比師傅的都貴了。

△ 兄貴(孫悟空のこと)、知ってるかい。今は猪八戒の兄貴の肉は、三蔵法師の肉より高価になったよ。

注釈=唐僧・三蔵法師の肉を食べれば不老不死になるというので、妖怪らが彼を捕まえようとする『西遊記』をもじったもの。現代では、三蔵法師よりならず者で卑しい猪八戒のほうが人気者となった。

5、水至清則無魚,人至賤則無敵。

△ 水がきれい過ぎると、魚は住まない。だが、人は卑しすぎると無敵になる。

注釈=高い教養や高尚な品格より、とことん非人間的に振る舞うことが通用する現代の中国社会を浮き彫りにしている。

6、青春就像衛生紙,看着挺多的,用着用着就不彀了。

△ 青春はあたかもトイレットペーパーのようなものである。見た目は多いようだが、使っていると足りなくなってくる。

注釈=青春をトイレットペーパーに喩えている。

7、懐才就像懐孕,時間久了才能譲人看出来。

△ 才能を伸ばすことはまるで子を孕むようなもの。一定の時を経なければ実らない。

注釈=熟語「懐才」(才能を伸ばす)と「懐孕」(妊娠する)の字、「懐」を併用し、才能を伸ばすことを妊娠に喩えている。

8、一女同学黒了些,她男友又太白了些,有天宿舎里的毒舌天後突然対她冒出一句:“你們這様不行,你們会生出斑馬来的。”

△ 色白のボーイフレンドを持つ肌の黒い女子学生がいた。ある日、同じ寮に住む、割とズバズバと喋る先輩がこう言った。「アンタたち、このままじゃまずいよ。何故って、このままだとシマウマが生まれるから…」

注釈=中国の大学生はほとんどが寮に住む。大学寮も、学生たちの文化が生まれる場所。辛辣なユーモアを交えながら、学生たちの話は弾む。