植物で方向を知る

【大紀元日本3月28日】春を告げる花、ネコヤナギモクレンなどの興味深い特徴をご紹介しましょう。それは植物の持つ「指向性」です。山で道に迷っても、これを知っていれば大体の方角を確認できますよ。

ネコヤナギ

日本各地に自生するネコヤナギやモクレン。その蕾をちょっと注意して見てください。ほら、同じ方向を向いているでしょう。蕾はどれも北に向かっています。かわいい頭をきちんと並べて、これから花開こうとしているのです。

植物の指向性とは、茎や根が、光や重力など外からの刺激に対して一定の方向に曲がる屈性という性質に基づく現象です。

植物には種類によっていろいろな個性があります。日向を好むもの、日陰を好むもの、乾燥気味が好きなもの、水をたくさん欲しがるもの、酸性の土が好きなもの、アルカリ性の土が好きなもの、などなどまるで人間の子供の個性と同じ。とすると、それだけたくさんの指向性もあることになりますね。

方角や時間を知るには、昼は太陽、夜は星。植物では、どれだけ正確かは分かりませんが、太陽に顔を向けると言われるヒマワリがよく知られています。実際には、東から西へぐるりと顔を回すわけではないのですが、ヒマワリは大体、南向きに花を咲かせますので、なんとか方角を知ることはできるでしょう。

これらの自然を生活に取り入れた古人の知恵に、現代の私たちは感心してしまいますね。

 (文/写真・鶴山)