中国大手乳業の牛乳から高濃度の発がん性物質検出

【大紀元日本12月27日】中国国内大手乳業メーカーの牛乳から基準を大幅に上回る発がん性物質アスペルギルス・フラーブスM1が検出された。

国家質検総局は24日、200品目の液状乳製品を対象とした抽出検査の結果を公表した。大手乳業メーカーの蒙牛乳業(眉山)有限公司(以下・蒙牛乳業)の牛乳から、安全基準を140%上回るアスペルギルス・フラーブスM1が1.2μg/kg検出された。当局の安全基準の上限は0.5μg/kgである。

福建省長富・乳品有限公司の長富牛乳からも、安全基準の上限を80%上回るアスペルギルス・フラーブスM1が検出された。

アスペルギルス・フラーブスM1は、1993年、世界保健機構(WHO)のガン研究組織に第一種の発ガン性物質と認定された。毒性が極めて高く、人や動物の肝臓に悪影響をもたらし、肝臓がんを誘発する恐れがある。

今回の検査結果を受けて、25日、蒙牛乳業は公式サイトの声明文を通して、今回の検査結果を認め、「全国の消費者に真摯に陳謝する」と発表。また、問題の牛乳は検査時には出荷していないと主張し、全て処分するとしている。

尚、声明文では、市場に流通しているこれらの牛乳の問題の有無、販売済みの製品への対処、問題となっている製品の総量、消費者への賠償問題などについての明確な説明は一切ない。

中国で急成長を遂げている乳製品業界は、2008年の有毒物質メラミンの混入事件など、一連の事件のため、信用を失っている。

2008年に発覚した同事件では、大手乳業メーカー「三鹿集団」が乳児用の粉ミルクのたんぱく質の量を水増しするため、工業用化学物質である有毒のメラミンを混入した。当局の公表によると、6人の幼児が死亡、30万人の幼児が腎臓疾患を患った。

その後、「革牛乳」事件が新たに発生した。タンパク質の含有量を水増しするため、革の廃棄物や動物の皮や毛、臓器などを加水分解してタンパク 質を生成し、粉末にして牛乳や粉ミルクに混入。発がん性物質の六価クロムが含まれているため、長期間摂取すると重金属中毒やがんを引き起こす可能性がある。

このような状況で、国家質検総局は10月から、21の省・市に所在する128社による200品目の液状乳製品を対象に、抽出検査を行った。抽出内容は、たんぱく質、酸度、鉛、無機ヒ素、アスペルギルス・フラーブスM1、黄色ブドウ球菌、メラミンなど18項目にわたるものだった。

(翻訳編集・叶子)