【お勧め本】 21世紀の大国―中国を読む「新語」 莫邦富著

【大紀元日本11月6日】ネット上で、こんなジョークを見つけた。

毛沢東 「なぁ、私の腕時計を知らないか?」
共産党幹部 「すぐに探し出します。毛同志!」
次の日…
毛沢東 「昨日はすまなかったな。腕時計は家に置き忘れていただけだったよ」
共産党幹部 「手遅れです、同志。すでに5名逮捕され、全員自白し、処刑しました」

ところで毛沢東の時代に日常的に使用されていた、他人に対する敬称である「同士」という言葉は、中性的な使われ方をしていた。男性・女性には「男同士」「女同士」若い人には「小同士」。職業を表す場合には「軍人同士」「警察同士」のように、である。

ところが現代中国において、この「同士」は全く違う意味で使われているという。

どういう意味になるのか? 本文から引用させていただく。

【“他是男同士”(彼は男だ)と言う表現は、今風に理解すれば「彼はゲイだ」となってしまう。】

この「同士」は現在の中国においては、特別な存在でごく少数派ということではないらしい。コミュニティーは数多く存在し、インターネットにも「同士」たちが集まるサイトがたくさんあるという。「中国同士連盟」が行った同士サイトの人気上位には「英俊男孩」「男児島」「男色無極限」「愛在大連」と怪しげな名称が続く。

改革開廟xun_ネ来、中国の社会は急激に大きく変容した。今までにない概念が出来れば、当然のようにそれを表す新語が必要になってくる。本書は新語辞典ではない。全部で60の新語を取り上げ、その言葉の背景や使われ方を解説していくことで、中国社会の動向や人々の意識、生活の変化を教えてくれる。

たとえば、

【義工】ボランティア

【短信】ショートメール

【召回】リコール

【自駕遊】マイカー旅行

などは、文字からもなんとなく想像できる。では、ここで問題。この言葉の意味は?

【粉絲】

【会所】

【街舞】

著者の莫邦富氏は1953年、上海生まれ。上海外国語大学卒業後、同大学講師を経て1985年来日。ジャーナリストとして政治・経済・文化など幅広く活動し『蛇頭(スネークヘッド)』『中国全省を読む』など著書も多数ある、

ところで気になる先ほどの新語の意味は…

【粉絲】 ファン

【会所】 高級会員制クラブ

【街舞】 ヒップホップダンス

【大紀元の記事から】

流行語で読み取る激変の中国(1)-「詩経」の「風」に当たる中国流行語-
http://www.epochtimes.jp/jp/2009/08/print/prt_d45579.html

書名  『21世紀の大国―中国を読む「新語」』莫邦富著 
著者  莫邦富著
出版社 NHK出版
発行年 2007年5月発売 単行本
価格  1,470円(税込)
ISBN:9784140811917

(佐吉)