臨死状態の感覚

米国の心理学者、ネバダ大学の教授であるレイモンド・ムーディー博士は『垣間見た死後の世界』という著書を出版した。臨死体験者が語った死ぬ直前の感覚150例余りを調査し、以下のようにまとめている。

1、自分の死を宣告する声が聞こえる。医者から自分の死を宣告された声が聞こえ、自分の体が極限に衰弱した状態であると感じる。

2、かつてない心地良さを感じる。一瞬の痛みを感じた後、すべての悩みは消えてなくなり、自分が暗闇の中に浮き上がり、穏やかで安らかな気持ちに満ちて何とも言えない心地良さを感じる。

3、不思議な音声が聞こえる。どこからか不思議な音声が漂ってくるように感じ、とても美しいメロディーを聞いた人もいる。

4、暗闇の空間に引き込まれる。突然、自分が暗闇の空間に引き込まれ、一瞬消えた身体の感覚が回復し始め、移行地帯に入ったような感じがする。片方は現世であり、もう片方は別の世界である。

5、自分の肉体が見える。自分の肉体から出てきて、羽毛のように空中に浮遊しながら自分の肉体を見ている。

6、自分の話は周りの人に聞こえない。自分は何とか周りの人に自分の現状を伝えたいが、いくら話しかけても周りの人はまったく反応せず、自分の言葉が全然聞こえないようである。

7、繰り返し自分の肉体から出たり入ったりする。肉体から抜け出した後、時間の感覚が無くなり、その間、繰り返し自分の肉体から出たり入ったりする。

8、感覚器官が異常に敏感になる。視覚や聴覚はかつてないほど鋭敏になり、視力は信じられないほど強くなる。

9、孤立無援に感じる。一時強い孤独感を感じ、如何に頑張っても周りの人に無視されてまったく交流することができない。

10、付き添う人が現れる。しばらくすると、周りに付き添う人が現れて、自分を死後の世界へ案内する、あるいは自分の現世の寿命がまだ終わっていないので、戻るように教えてくれる。

11、光が見える。この光はある種の「人間性」を持ち、人間の言葉で言い表せないほど美しく明るく、無限の愛を放散している。

12、一生を振り返る。映画を見ているように自分の一生を振り返り、発生した順に画面が次々と現れる。現れた画面とともに、当時の感覚や感情も改めて体験させられる。

13、「境界物」に遮られる。この時になると、「境界物」のようなものに遮られて、ある所へ行けなくなる。「境界物」の形態に関しては、一たまりの水、一団の煙霧、一枚の扉、広い野原の中の垣、あるいは1本の線など様々な形のものがある。

14、生命の回帰。臨死体験である段階になると、肉体に戻らなければならないことになる。最初は早く戻りたいと思う人が多いが、臨死過程が進んでいるうちに、戻りたくなくなる。特に光が見えると、肉体に戻りたくなくなるが、無理に帰らせられてしまう。

人が死んだ時、一生の出来事が評価されるという。この評価は、その人の社会身分の高さや財産、習得した学問の多さなどとは全く関係なく、心の優しさや善行、悪行の量によって決まる。そして、その評価はその人の未来にも関わっている。
 

(翻訳編集・東方)