【ぶらり散歩道】 柳田國男記念公苑

【大紀元日本6月2日】JR東京駅から常磐線に乗り、我孫子駅で成田線に乗り換えて布佐駅で下車して徒歩かタクシーを利用する。駅からはかなりの距離(徒歩で約20~30分)があるので、タクシーを利用されたほうが良いと思う。どちらを選択しても、利根川の栄橋を渡ることになるので、悠々と流れる大河を見ることができる。

柳田國男記念公苑(図1)は、「遠野物語」(1910年;明43)で有名な日本の民俗学の父と言われた柳田國男(1875年;明8~1962年;昭37)が13歳から3年間を過ごした旧小川家の母屋(図2)、土蔵(資料館)で構成されていて、資料館(図3)には多くの著作物や文書などが展示されている。

土蔵内には、少年期の國男に大きな衝撃を与え、柳田民俗学の原点となったと言われている「間引き絵馬」(図4)写真が飾られている。写真で見てもおどろおどろしいが、本物の絵馬は近くの真言宗・徳満寺本堂に掲げてある。また、少年國男が土蔵前にある祠(図5)の扉を開けるときれいな玉が入っていて、それを見たとたんに変な気持ちになったと述べている祠も当時そのままにあった。

國男の文学の師友は多く、師は森鴎外、友には田山花袋、島崎藤村がいた。國男をモデルにしたという田山花袋の小説「妻」では、若き日の國男の姿を見ることができる。島崎藤村の有名な「椰子の実」は、國男が愛知県渥美長町の伊良湖崎で拾った椰子の実の話を基に書かれたものである。晩年には、「海上の道」(1961年;昭36)を出版し、翌年(1962;昭37)8月8日死去した。1951年(昭26)文化勲章受賞。

柳田國男記念公苑 茨城県北相馬郡利根町布川1787-1 
電話:0297-68-7189 一般見学:9:00~16:30 
休苑日:月曜日、祝日、年末年始 見学料:無料

図5 昔も今も同じ場所にある祠

図4 写真の間引き絵馬

図3 資料館になっている土蔵

図2 母屋の玄関

(江間十四子)