この世に誕生する前の記憶を持つ人たち

輪廻転生があるとしたら、魂はどのタイミングで赤ちゃんの身体に入るのでしょうか?世の中には、生まれる直前の記憶を持つ人たちがいます。彼らによれば、赤ちゃんは、自ら自分の母親と身体を選んで生まれてくるそうです。皆さんは信じますか?

母親の友人と再会

臨死体験研究所(Near-Death Experience Research Foundation)のウェブサイトに、ニコラという女性の経験談がある。小学校の教師をしているニコラには、仲の良い同僚の女性がいた。その同僚は妊娠していたが、シングル・マザーだったため、彼女の出産にはニコラが立ち合い、男の子が生まれ、マイケルという名前が付けられた。その後、マイケルの母親は、マイケルが生後数カ月の時に亡くなったため、ニコラはマイケルと会うこともなかった。

数年後、ニコラはマイケルと再会する。ニコラが担任するクラスに、成長したマイケルが入ってきたのだ。ある時、マイケルは自分が生まれてきた時のことを同級生の前で語り、ニコラは愕然とする。なぜなら、ニコラでさえ覚えていなかったことを、マイケルが鮮明に覚えていたからだった。マイケルは、ニコラがグレーの車を運転して産気づいたマイケルの母親を病院まで連れて行ったことや、車の中で流れていた音楽の歌詞、ニコラが途中でガソリン・スタンドに寄って道を尋ねたこと、またニコラが病院で拾ったカーディガンを身に着け、待合室にいたことなどを話した。

これら全てが事実であり、驚いたニコラは、きまりが悪かった。彼女は、偶然置いてあった誰のものともしれないカーディガンを身に着け、そのまま家に持ち帰ったことを思い出したからだ。マイケルの母親はマイケルが生後数カ月で亡くなっており、彼がこれらのことを知るはずがなかった。

まるで麻酔から覚めた時のよう

看護士として数々の患者の終末をみとった経験のある心理学者のエリザベス・ハレー氏(Elisabeth Hallett)は、彼女の著書『Stories of the Unborn Soul: The Mystery and Delight of Pre-Birth Communication』の中で、出生直前の記憶を語る人たちについて書いている。

マイケル・マグワイヤ(Michael Maguire)という男性は、この世に生まれることは、まるで麻酔から目が覚める時のようだと話す。「スピリチュアルな状態から、突然、赤ん坊の身体に入ったことが分かりました。それはまるで、手術を受けたような感覚です。手術室にいて、10からカウントダウンしているうちに、今度は自分が(病院の)回復室で目覚めるような感じです。違いは、普通、手術を受ける直前と直後は頭がはっきりしないものですが、僕の場合は、地球に来る前と、その後のことを、はっきりと覚えているのです」

 

難産で生まれた自分

ジョエル(Joelle)という女性は、自分が生まれた時は難産だったとハレー氏に語った。彼女の母親は決して話さなかったが、ある時、叔母がそのことを教えてくれた時に、自分の記憶が鮮明によみがえったという。

叔母によれば、ジョエルは切迫早産で生まれた。ジョエルは助産師が到着する前に生まれ、その時叔母は、ジョエルは亡くなったと思い、彼女の身体を別の部屋に移した。ところが助産師が到着してまもなく、ジョエルは息を吹き返したという。

ジョエルはその時のことを、このように覚えている。「言葉で表現できないような場所にいました。静かで穏やかで、他の人たちも一緒でした。私たちは皆一緒で、ひとつという感覚。男でもなく、女でもなく、心の目で見ることができるけれど、それを表現することができません。声はないけれど、私には言葉が聞こえます。そのうちの一人が言いました。『あそこに身体があるわ。その身体の所有者は、人生がとても困難だと思って、気が変わったみたい』。もし私がその身体を欲するならば、今いかなければならない、と思いました。少し躊躇した時に、側で声が聞こえました。『だめよ、すぐに行ってはだめ。少し待って』。でも、私は待ちきれませんでした。すぐに行かなければ。また他の人が言いました。『今、決めなさい』」

(翻訳編集・郭丹丹)