神仙伝

天国への階段 入口の基準は?

どのような人が天国へ行けるのでしょうか?中国の故事によれば、天から見た「善い人」とは官僚や慈善家である必要はなく、単に正直誠実な人物のことを指しています。さて、あなたは毎日を正直に生きていますか?


宋の時代、広陵というところに李珏(り・ゆう)という商人がいた。多くの商人は利益を得るために売り物の重量をごまかしていたが、彼はそれをひどく嫌い、正直に取引をした。李は自分を戒めるだけでなく、同業者にもそれを促し、不当な利益を得ることのないよう諭すこともあった。

彼の商売は公明正大で、騙されやすい年配者や子供たちにも同等に接した。彼が得る利益は同業者に比べて低いものだったが、家族を養っていけるだけの稼ぎがあればいい、と満足していた。それにも関わらず、不思議にも李の財産は少しずつ増えていった。

同じころ、現在の江蘇省と安徽省のあたりに、同姓同名の将校がいた。ある晩、彼の夢に家屋が現れ、そこに将来、神仙になるべき人物のリストが掲げられていた。自分の名前を見つけた将校は喜んだが、すぐに二人の召使いがやってきて、それは広陵の男の方だと告げられた。

翌朝、将校は早速その広陵の李へ会いに行った。どうやって神仙のリストに名を連ねたのかと問うと、李は「特に何もしていません。ただ、人に対して誠実に、公明正大に商売をしているだけです」と答えた。

その後、李は100歳まで生き、亡くなった後は天界を自由に飛び回る神仙になったという。

(翻訳編集・郭丹丹)