エレベータで聞いた短い言葉  虐待を受けていた少女は忘れない

倫理観に基づいた金言というものは、人々に希望を与えると考えられています。皆さんはこのお話をどのように感じるでしょうか。

「レモンを手に入れたらレモネードを作れ(人生を好転させよ)」 とはいうものの、小さな子どもにとって、逆境は厳しいものでしょう。でも、誰かによる助言やほんの少しの温かな言葉が、局面を変えてしまうこともあるのです。

米国人ライターでプロデューサー、ディレクターでもあるエド・ソロモンは、ツイッターに投稿されていたある女性の話を紹介しています。その女性は、小さな女の子が母親に叱りつけられていたのを偶然目撃し、その目撃談が、同様の経験をした人々の間で共鳴を呼んでいます。

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「先日、ある女性が私に教えてくれた話です。彼女は幼少の頃から母親に罵倒されていましたが、同じようなことをエレベータで目撃したのです」とソロモンは投稿で書いたのです。

このような状況では、傍観者は立ち入らないか止めに入るかのどちらかだろうと思いますが、その場に居合わせた一人が間接的に割って入ったのです。

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「エレベータの扉が開いたとき、母親が飛び出してきました。たまたまそこにいた見知らぬ人が、『ちょっと』と声をかけると、11歳(当時)の少女が振り向きました。声をかけたその人は、『君じゃない、彼女(母親)のほうだよ』と言ったのです。そして、ドアが閉まりました」ソロモンはこのように伝えています。

それはほんの短い言葉でしたが、投稿した女性にとっては衝撃的なもので、自分が母親から受けた言葉の暴力を、あらためて思い起こすきっかけになりました。

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現在50代になっているその女性は、次のように語っています。「辛いときは『(内なる)母親の声』が聞こえていたの。その声は『あなたにはできない、あきらめるしかないわね』と言っていたわ。でも、エレベータの扉が開いたあの瞬間、見知らぬ人の顔が見えたのよ。」

「人を勇気づけたりほめたりする言葉を、たとえ見知らぬ人に対してもためらわずに発するようにしよう。」 このソロモンのツイートが拡散した後、たくさんの人たちが面識のない人からほめ言葉をかけてもらうようになり、その言葉が今も彼らの中で生きているとのことです。

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「私は幼少時に虐待を受けていましたが、9歳のときに学校の先生から、『いつかあなたは自分について素晴らしいお話を書いて、たくさんの人にそのお話を聞かせるの。きっと誇れる自分になっているでしょうね。』と言われたことは決して忘れません。」とツイートした人もいました。

ほんの少しの勇気がもたらすものって、本当に大きいのですね。

(大紀元日本ウェブ編集部)