2歳の男の子 前世での妻殺した?自分の障がいは「自業自得」と告白

業を持つ叔父の生まれ変わり? スリランカのわずか2歳半の男の子が独り言を言い続けている。母親は、息子が「前世で自分の妻を殺した罪で処刑された」と告白したことに仰天した。

この叔父の名前は、ラトラン・ハミ。処刑される前、自分の兄のティレラトネに、自分は再び「戻ってくる」と告げた。

19年後、ティレラトネの妻は身ごもり男の赤ちゃんを産んだ。ウィジェラトニ(Wijeratne)と名付けられた男の子は、生まれつき障がいをもち、右腕がやや短く、また右手の指も太く短く、繋がっていた。右胸の肋骨もややいびつだった。

ウィジェラトニは2歳半になると、家の中を行ったり来たりしながら、独り言を言うようになった。さらに、前世で妻を殺した報いであると言いだした。母親は驚き「もう一度言って」と確かめた。ウィジェラトニは「刃物で女を刺し殺した」と告白。くわえて、今の自分の父親ティレラトネは「自分の兄」であると語った。

妻はこの仰天告白をティレラトネに話すと、彼はかつて、弟が殺人罪で処刑されたことを語りだした。弟は1928年、新婚だった新妻ポディ・メニケ(Podi Menike)の浮気を疑って刺し殺した。そして死刑になったという。

著名な輪廻の研究家である

イアン・スティーヴンソン氏(Ian Stevenson)は、この事件を実地調査した。その後ドイツの輪研究家であるトゥルツ・ハルドー(Trutz Hardo)氏が、本件を著書『子どもたちには前世がある〜現代の輪廻』(Children Who Have Lived Before: Reincarnation Today)の中で紹介した。

前世を語る男の子・ウィジェラトニは1947年、スリランカで生まれた。両親は仏教徒。父親が許さなかったのにもかかわらず、男の子は神妙な面持ちで自分の前世を他の人に話していたという。

母親によれば、その子が語る前世の記憶はいくつかのシーンに分かれており、殺人を犯す場面の詳細、また叔父(自分の前世)が、逮捕されるシーン、また処刑される際の様子に分かれていたそうである。

ある時、親戚がウィジェラトニの家を訪れた際、親戚の腰帯を見て、「自分の叔父が叔母の家に置いていったものだ」と言った。叔母の家に行ったことがはっきりとわかった。同時に黒い肌色も容貌も、叔父によく似ている。

ウィジェラトニは5歳になると、独り言を言わなくなり、誰かに問われたときにだけ自分の過去のことを話すようになった。 彼は自分の体の障がいは、前世の行動の報いだと思っている。しかし、スティーヴンソン氏の取材を受けたときに、この世でまた妻の浮気疑惑が発覚したら、再び殺人を犯すと語った。しかし、殺人は後悔しており、その報いはとても大きいと感じているという。

ウィジェラトニは普通の子供と同じように学業を修めたが、1969年、22歳の時に若年性の統合失調症であると診断された。完治までに数年を要した。

スティーヴンソン氏は、前世を知る青年に同情的で、将来を心配している。ウィジェラトニが女性と付き合うようになった時、その相手から「あなたは前世で妻を殺した」などと言われる恐れもある。

またある学者は、実際にあの殺人事件の被害者の致命傷は左胸だったが、ウィジェラトニは右胸を刺したと主張しており、事実と異なると指摘する。しかし、スティーヴンソン氏は、人間は往々にして左右を間違えることがあり、自分にとっての右側が相手にとっての左側と言うこともあると補足している。

多くの南アジアの人々は仏教を信仰している。因果応報という観念からいえば、身体の変化のみならず、精神疾患も苦痛を伴い、「悪行の報い」と信じられている。

スティーヴンソン氏の考えを支持する学者らは、この子の精神疾患は前世の記憶に苦しめられた結果ではないかととらえている。前世を知るウィジェラトニの話は、聞く人を物悲しい気分にさせるが、生き方のヒントを与えてくれる。

(大紀元日本ウェブ編集部)