【紀元曙光】2020年6月11日

できることを、やっていく。それで前へ進むしかない。
▼日本高野連は10日、中止された春の選抜高校野球に出場するはずだった32校を対象として、8月に甲子園球場で交流試合を開催すると発表した。例年通りの大会には遠く及ばないが、憧れの場所で野球ができる喜びを、選手が噛みしめることはできるだろう。
▼高野連もオンラインで理事会を開き、上記の決定をしたそうだ。なるほど、今の制限された状況下で、できないことを何とか「できる」にするために、オンラインというのは役に立つらしい。直接顔を合わせなくても、会議などが進められる。便利なものだ。
▼緊急事態宣言が解除されるまで、オンライン授業というのが、各学校で、模索しながらも実施されてきた。現場の先生は、さぞや大変だったろうと思う。塾や予備校とは違い、学校では、学習指導だけではない、さまざまな指導が必要とされる。高校であれば、生徒の学力レベルは学校によってさまざまで、学習習慣が身についた成績上位校もあれば、そうではない生徒の多い学校もある。
▼教育困難校という言葉は、今は使わないのだろう。人間の真価は学力だけでは測れないが、授業中に、まともに座っていられない生徒がいる現実も、一部の学校にはある。そこではオンライン授業どころではない。だいぶ昔に、小欄の筆者も教職を経験したが、どんな場合でも、教師は生徒の顔を直接見て指導していくしかないのだ。
▼先日の『笑点』は、師匠方は自宅にいて、オンラインで大喜利が行われた。面白くはなかったが、これでも「できる」ことは分かった。