大紀元時報

食事制限と運動だけではダメ ダイエットには睡眠も不可欠

2020年09月23日 22時55分
(bruce mars/Unsplash)
(bruce mars/Unsplash)

ダイエットといえば、食事と運動が体重を減らすための主な重要な2大要素として考えられがちです。しかし、実は睡眠も重要な役割を果たしていることが分かりました。

成人が取るべき睡眠時間は7~9時間とされていますが、睡眠時間が7時間以下という人も大多数いるということは事実です。研究によると、睡眠時間が推奨される睡眠時間を下回ると体脂肪が増え、肥満のリスクが高まり、カロリー制限のある食事をしても体重が減りにくいということが分かっています。

可能な限り筋肉量を維持しながら体脂肪を減らすのが理想的な減量方法です。ただ、しっかりとした睡眠時間を確保できていない場合、カロリー制限でダイエットをしている間の体脂肪の減少量と筋肉量の維持量に制限がかかるのです。

ある研究では、カロリー制限方式のダイエットをしている期間中、毎晩5.5時間の睡眠を2週間続けた場合、毎晩8.5時間の睡眠を取っている人に比べて脂肪の減少が少ないという結果が出ています。しかし、それはまた、脂肪を含まない分の質量(筋肉を含む)が大幅に減るという結果も出ています。

別の研究では、週5日で毎晩1時間だけ睡眠時間を減らし、それを8週間続けても同様の結果が得られました。これらの結果から、週末の寝だめをしても、カロリーコントロールダイエット中には効果が下がるということが分かりました。



代謝・食欲・睡眠

短い睡眠時間が体重の増減に影響を与える理由はいくつかあります。それには、代謝、食欲、食事に睡眠時間が深く関わっているからです。

睡眠は、2つの重要な食欲ホルモンであるレプチンとグレリンに影響を与えます。レプチンは食欲を低下させるホルモンなので、レプチンのレベルが高いと満腹感を感じます。一方、グレリンは食欲を刺激するホルモンであり、空腹感を感じるホルモンなのでしばしば「空腹ホルモン」と呼ばれています。

ある研究では、睡眠制限をすることでグレリンのレベルを増加させ、レプチンを減少させることがわかりました。1,024人の成人を対象とした別の研究では、短い睡眠時間でグレリンのレベルが上がり、レプチンのレベルが下がるという結果も出ています。これでは食欲が増進し、カロリーコントロールが難しくなり、その結果、過食に繋がる可能性もあります。

つまり、こういったホルモンの変化による食物摂取量の増加が、体重増加をもたらす可能性があるということなのです。つまり、長期的に見れば、睡眠不足が食欲の変化を引き起こし、それが原因で太りやすくなる可能性があるというのです。そのため、とにかく痩せるには睡眠をしっかりとることが一番なのです。

ホルモンの変化とともに、睡眠不足は食べ物の選択や脳の食べ物の感じ方にも影響を与えることが分かっています。研究者らは、質の良い睡眠をとっていた人(6日間9時間の睡眠)と比較して、睡眠不足(6日間4時間の睡眠)の後に、ある脳の領域が食べ物に反応してより活発になることを発見しています。

これは、睡眠不足の人が、十分な睡眠を得ている人に比べて間食が頻回になり、炭水化物を多く含む食品や甘い味のスナックを選ぶ傾向がある理由の一因かもしれません。

 

睡眠不足であれば、不健康な食べ物をたくさん食べたくなるそうです(Flotsam/Shutterstock)

睡眠時間は代謝、特にブドウ糖(糖)の代謝にも影響を与えます。食べ物を食べると、私たちの体は血中のブドウ糖を処理するのを助けるホルモンであるインスリンを放出します。しかし、睡眠不足であれば、インスリンに対する私たちの体の反応が鈍くなり、グルコースを取り込む能力を低下させる可能性があります。時々、睡眠不足になることもあり、そういった場合にはホルモンに与える影響はそこまで大きくはありませんが、長期的に見れば、睡眠不足が肥満や2型糖尿病などの原因になります。

私たちは、健康な若い男性のグルコース摂取に対するインスリン反応の低下に関しての研究を行いました。するとたった一晩の睡眠がわずか4時間というだけで、インスリンの反応が鈍くなることが示されています。睡眠不足の人は、食欲の増加と「報酬探索行動」が原因で、グルコースを多く含む食品を選択する傾向があることを考えると、グルコースを処理する能力が低下し悪影響を及ぼします。

過剰摂取されたブドウ糖(摂取量の増加と組織への取り込み能力の低下の両方が起こる)は、脂肪酸に変わり、脂肪として蓄積される可能性があります。これが長期的に蓄積され、体重増加につながる可能性があります。

こういった睡眠不足によるダイエットへの悪影響への対策としては、運動が効果的だと言われています。運動をすることで、グレリンを減少させたり、消化管から分泌され、満足感や満腹感に関連したホルモンであるペプチドYYのレベルを増加させたりするので、暴飲暴食を防止できます。

運動後は特に運動で消費したエネルギーを無駄にしまいと、食事量を減らす人が多くいます。しかし、こういった食事制限と睡眠制限との関連があるかどうかは不明です。

また、運動トレーニングは、インスリンに対する身体の反応を改善し、グルコースの摂取が改善され、睡眠不足に起因する代謝障害への影響を少なくする可能性があるということも研究で明らかになっています。

また、睡眠制限後のブドウ糖代謝のために運動を1回だけ行うことで、潜在的な効果が得られることも示されています。これはとても有効な方法ですが、睡眠不足の人における長期的な身体活動の役割については、まだ研究が進んでいません。

これまで見て来たとおり、体重を落とすためには十分な睡眠が重要であることは明らかです。睡眠不足はホルモンを変化させ、食欲を増進させ、不健康な食べ物を欲するように仕向けます。そのため、睡眠は食事や運動と同じく、健康的なライフスタイルには欠かせない必要不可欠なものと考えてください。

 



エマ・スウィーニー氏はイギリスのノッティンガム・トレント大学で運動と健康の講師を務め、イアン・ウォルシェ氏はイギリスのノーサンブリア大学、ニューカッスルで健康と運動科学の講師を務めています。この記事はThe Conversationに最初に掲載されました。

(大紀元日本ウェブ編集部)
 

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