【紀元曙光】2020年12月4日

中華人民共和国。なんとも奇形的な国家である。
▼憲法および全ての法律の上に「党」がある。党の下に、国務院という形ばかりの中国政府がつく。ついでに言うが、中国には、中国共産党のほかに、トイレの造花のような少数政党もあるのだ。もちろんヘゲモニー政党制なので、真の反対政党ではない。
▼周知の通り、中国に国軍はない。中国共産党の軍である「人民解放軍」というのが、その役割を担う。かつて「解放」の名のもとに、チベットや南モンゴルを侵略し、現地の人々を数十万から数百万単位で殺した。旧来の地主の支配下にあった農奴を解放してやったというが、歴史上、人民にとって最も恐るべき「地主」は中国共産党そのものであった。そういう自国の恥部を隠すため、やたら「日本軍の蛮行」を膨張させて人民を洗脳する。困ったものだ。
▼先日、良い動画番組を出している李真実さんと少し話した。小欄の筆者から「中国は今年、水害や異常気象などで主食となる農作物の収穫量が激減しましたが、食糧危機はどうですか」と聞いてみた。
▼李真実さんは「来年の春ごろ、食糧危機になるでしょう」とした上で、こんな見解を述べた。「軍には食糧の備蓄があります。その備蓄を放出すれば、中国人民は飢餓から逃れることができます。ただし、米国との間に小規模でも戦争が起きたら、中国軍は食糧を確保するため、絶対に国内に放出しません」。
▼想定の一つとして、それもあるだろう。おそらく戦時でなくても、中国人が数百万餓死したら、中国軍は助けない。「中国共産党の軍」だから、それが当然なのだ。