わたしは媽媽

ニッポン子育て発見記 4 部活に打ち込む娘、成績もアップ

《日本の皆さん、こんにちは。私は中国出身で、今は日本で生活しながら3人の子どもを育てている媽媽(マーマ)です。私は日本が大好きです。そんな私が発見した日本文化のすばらしさを、皆さんにお届けします》

日本に来て何年か経った頃のこと。日本の教育は「趣味教育」なのかなと思いました。そこで生徒たちは、青空を飛ぶ自由な鳥のように、自分の好きなことをやりながら「学ぶ」のです。

私の子どもたちは小学校で、いわゆる「勉強」の授業のほかに、実際に手でものを作ったりする授業を受けました。家庭科の授業は、家庭生活に必要な知識と技能を身につけるものですが、生徒は料理をしたり、電動ミシンで小物を作ったりします。そのほか、博物館、ゴミ処理場、消防署、国会議事堂などへの社会見学。生徒が田んぼに足を入れて行う水稲栽培。スキーの課外授業や修学旅行などもあります。

日本の小学校の運動会は、まるで盛大なお祭りのようですね。子どもの成長を記録するため、両親が夢中で動画を撮影したり、親戚が応援に来たり、なかには普段は遠方にいる祖父母までが、この時は飛行機に乗って来て、元気な孫の姿を見ることもあるそうです。

保護者が教室の後ろで、子どもの勉強ぶりを見る授業参観もありました。教室の壁には、生徒のさまざまな作品が貼り出されています。小学校の卒業時に学校から贈られた卒業アルバムには、6年間を通じて撮られた生徒の顔写真が、ほぼ一枚ずつ載っていて、これは感動しました。

娘は、中学校に入学すると吹奏楽部へ入りました。毎日、授業を終えた後、3時間は学校で楽器の練習をしなければなりません。週末でも休みの日はほとんどなく、学校に行って練習しました。各地で開催されるコンクールや演奏会に参加しなければなりません。これは教室での勉強よりも大変そうです。

私は「中学生になったら、子どもにはあまり手がかからず、楽だろう」と思っていましたが、そうはいきませんでした。親が子どもの「趣味活動」(ではなくて部活動)に、これほど協力させられるとは思いもしなかったのです。

週末と休日には、娘のためにお弁当を作ります。その日は学校の食堂が休みだからです。吹奏楽の演奏会がある日には、部員の親は楽器の運搬を手伝います。子どものために、親も音楽の勉強をしたりします。子どもは、たいてい夜10時ごろまで練習しますが、その時は親が迎えに行かなければなりません。

私は始め、日本の中学生が、なぜこれほど熱心に「趣味活動」をするのか理解できませんでした。「なんで勉強よりも趣味が大事なのか」と思ったのです。それが子どもの将来に、何の役に立つのでしょうか。

ところが1年後。娘の「趣味活動」が、いえ失礼しました、熱心に打ち込んだ部活が、良い成績を収めるようになったのです。演奏会で優勝もしました。娘は本当に生き生きとしており、毎日練習を終えて学校から帰ると、吹奏楽部のことをたくさん私に話してくれます。

不思議なことに、これほど時間と労力をかけて部活に打ち込んでいるのに、娘の勉強の成績は落ちず、むしろ前より良くなっていたのです。日本の中学校で、部活に真剣に取り組むことは、学業にも良い影響がある。そのことを、私は娘の示した結果から知りました。

(文・心怡 翻訳編集・鳥飼聡)

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