「ダーウィンのアーチ」崩落 くしくも進化論の信ぴょう性の低さを示す論文が発表される

南米エクアドルの環境省は5月17日に、ガラパゴス諸島最北部にある岩「ダーウィンのアーチ(Darwin’s Arch)」が崩落したと発表した。その名前は、英国の生物学者チャールズ・ダーウィンが1830年代初頭にビーグル号で航海中に同諸島を訪れ、進化論の研究をしたことにちなんで名付けた。象徴的な天然のオブジェが崩れた10日前に、奇しくも進化論の信憑性の脆さを指摘する科学論文が発表された。

同省が公開した画像には、アーチ型だった岩の上部は崩れ落ちて、2本の柱だけが残された様子が写っている。その原因が自然浸食の結果だと同省は発表した。

人間が猿から進化したとする進化論は、長らく科学者にその信ぴょう性を疑われてきた。権威ある科学誌「サイエンス(Science)」の2021年5月7日付の記事は、進化論に疑問を投げかける論文の一つだ。記事は、人類の起源に関するダーウィンの進化論以来の解釈の多くは、発見された化石の記録と矛盾するものだとした。

ヒトの起源の調査には、現存する類人猿の分析に依存する「トップダウン」型と、絶滅した類人猿から読み解く「ボトムアップ」の二つのアプローチが存在している。ダーウィンの進化論は前者の方法を取っており、同論文は後者の方法で人類起源の検証を試みた。

同記事の主筆で米自然歴史博物館の人類学科学者セルジオ・アルメシア氏は、発見された人類祖先とみなすことができる化石の多くは、「現代のサルやヒトの系統を代表する古代の生物としては期待できず、複雑な特徴の組み合わせである」と指摘した。さらに、こうしたボトムアップの方法でも、人類進化の整合性は取れないという。「これらの化石からみる類人猿が果たした進化上の役割についても、科学的なコンセンサスは得られていない」と結論づけた。

米自然歴史博物館人類学部門のアシュリー・ハモンド助館長もまた、化石や現存の猿から検証しても、今日の人類進化の仮説には合致しない点が多いとした。

ダーウィンは1871年、人類の共通祖先はアフリカで生まれたとの仮説「アフリカ単一起源説」を発表した。しかし、同様な祖先はヨーロッパ、ユーラシア大陸でも発見されている。仮説として提起された進化論だが、これを裏付ける考古学的証拠は発見されていない。また、2つの種の中間過渡状態の生物化石や、人類文明史の進化の中間状態にあるヒトや動物、いわゆる「ミッシングリンク」はいまだに発見されていない。

こうした整合性の取れない進化論について、辛辣に批判する科学者もいる。ニュージーランドの遺伝学者マイケル・デントン氏は、著書『進化論: 危機に瀕する理論』で「ダーウィンの進化論は20世紀最大の嘘だった」と記している。また、カリフォルニア大学のフィリップ・ジョンソン法学教授は著書『裁判にかけられるダーウィン(Darwin On Trial)』に多くの事実をあげ、進化論は論理的に誤っていると指摘した。

人類史において考古学が進むと、世界各地で先史生物の化石、先史人類の文明遺跡が多く発見された。その範囲の広さ、年代の長さなどは、進化論で論じることができないものとなっている。

『禁断の考古学(Forbidden Archeology)』は500個の証拠を列挙して、数万年、数百万年、ないし数億年前に、高度に発達した科学技術と芸術を持つ人類文明が存在していると論じた。

イギリスの著名な古代文明研究家グラハム・ハンコック氏は著書『神々の指紋』に、膨大なフィールドワークを経て発見したことを記述した。彼は中南米とエジプトの隅々まで足を踏み入れ、人類の文明史を再検証した。ハンコック氏は、世界中に数多く残る古代文明にまつわる伝説は知恵の宝庫であり、人類起源の謎を解く鍵になるのではないか、と書いている。

(大紀元日本ウェブ編集部)