お試しください「口臭を除く薬膳粥」 漢方・胡乃文医師がお悩み解決

人と対面で話すとき、どちらかの口臭がひどい場合は、お互いにストレスとなって気まずいものです。人に会う前の、口臭の除去は、清潔感や礼儀と同等の守るべきマナーです。まずは自分のほうに口臭の原因がないか、確認するところから始めましょう。

「胡先生。口臭は、どうして出るのですか?」

口臭の原因は一つではなく、外的な原因や生理的な原因など、いろいろなケースが考えられます。
「臭いの強い食べ物」を食べたときは、もちろん口臭となって出てきます。台湾でよく売っている「臭豆腐」は、特別な発酵液に浸した豆腐を油で揚げたもの。好きな人にとっては、とてもおいしいですけど、確かに臭いですね。ニンニクも同じく、おいしい中華料理には欠かせませんが、やはり臭います。

食べ物や料理の価値を否定する必要はありませんが、やはりお互いの気遣いは忘れないようにしましょう。アメリカ人が日本人の納豆を見たら逃げ出すように、「どうしてもダメ」という食品は誰にもあるものです。
昔、お釈迦さまが、弟子を連れて山奥で修行していたとき、弟子たちにネギショウガ、ニンニクなど臭気の強い食物を口にしてはいけないと教えました。その臭いが、他の人の座禅の邪魔になることを恐れたからです。息をさわやかに保つには、やはり食事のとり方にも気をつけるべきです。

次に、これが主な原因の一つですが、歯や歯ぐき、口内の病気によって口臭が発生している場合です。虫歯が原因ならば、その歯を治療すれば口臭はなくなります。歯槽膿漏など歯周病による歯ぐきの腫れや化膿は、ひどい口臭を発する原因ですので、歯科医院で適切に治療してください。

患者さんの「におい」で診断できます

漢方医学では「胃火(胃が、熱をもって、ほてること)」と呼んでいます。漢方医の見方は(それ自体なかなか興味深いものですが)「人の目に見える部分は、体内の五臓六腑に深く関わっている」と考えるのです。歯ぐき、口内、唇の部分を代表するのが胃です。したがって、口臭の元が「胃の火」なら、その胃の火を治せば口臭は治ります。同じように、胃腸の具合が悪いことも口臭の原因になります。胃や腸から戻ってくるガスで、異臭がすることがあります。

もう一つは、体の水分代謝が悪いことです。例えば腎臓に病気があって、水分の代謝が悪いと、口の中にアンモニアのような臭いがします。私は患者を診断するときに、その人にどんな病気があるかは、大体においでわかります。肝臓病は肝臓病のにおいがしますし、腎臓病は腎臓病のにおいがするのです。夜更かしして、肝火、腎火を起こす人もいます。一時的なものであれば、夜更かしを止めると口臭もなくなります。
副鼻腔炎など、鼻の病気の人も口臭になりやすいです。臭いは、口からも鼻からも出てきます。この場合は、鼻の病気を治療すれば治ります。

食事療法で口臭を消し、麦門冬粥を作るのが最も簡単です。材料は麦門冬、うるち米、氷砂糖です。(古論今話中医提供)


口臭の除去に役立つ薬膳

ご紹介する薬膳「麦門冬(ばくもんとう)粥」は、口臭を除去してくれます。ぜひお試しください。
麦門冬は比較的冷たい薬物であり、腎臓を潤し、肺を潤し、腎火や肺火を消すことができます。肺火が消えたら、あなたの口の中の、肺火の臭いもなくなります。
材料は、麦門冬30g、うるち米100g、氷砂糖適量。作り方は、麦門冬を洗い、水を加えて煮出すように煎じる。かすは捨て、煮出した汁を使用する。うるち米を洗ってから鍋に入れ、適量の水、麦門冬汁、氷砂糖を加える。はじめは強火で煮る。弱火にして、粥になったら完成。1日1回、数日間ほど続けて食べてみてください。

舌苔をけずると、口臭に効きますか?」
よく聞く質問です。舌苔(ぜったい)は舌の上につく、臭いのある苔のようなものです。確かに、これをけずって落とすと一時的に口臭は消えるのですが、私は患者さんに「舌苔はけずらないほうがいいですよ」と言っています。
舌苔は、病気が存在する場所を示すものであるとお考えください。漢方医は必ず、患者の舌を見ます。黄色や黒や白などの舌苔の色を見て、病気の根本がどこにあるのか診断するのです。その病気を取り除けば、舌苔は自然になくなります。
ところが、来院前に、ブラシなどで舌苔をけずり落としてしまうと、漢方医が判断する手がかりが一つ消えてしまいますので、ちょっと困るのです。

「コーヒーを飲むと口臭がしますか?」

「ラテコーヒーを飲むと、口臭が出やすいのではないか」というご質問もあります。
実は、コーヒーを飲んで口臭がするとは言えません。歯をよく磨かない、口のすすぎが十分でない、などが原因です。
コーヒーに含まれるカフェインによって唾液の分泌が減少すれば、口臭の原因にはなりますが、歯磨きをよく行い、水を適量飲むように心がければ、すぐに問題は解決します。

 

(講述・胡乃文 整理・柯弦 翻訳編集・鳥飼聡)