米11歳自閉症の女児 暗算で掛け算ギネス世界記録達成

「神は、一つのドアを閉めると、必ず他の窓を開けてくれる」とよく言われる。
フロリダ州ヘルナンドに、サナ・ハーマスという少女がいる。彼女は、自閉症でありながら計算能力は抜群で、暗算ギネス世界記録をもつ。

ギネス世界記録のウェブサイトによると、暗算で乗算(掛け算)をする際の最大桁数は12桁。そのギネス世界記録を2月17日、サナ・ハーマスが打ち立てた。11歳だった。
彼女は、2歳の時に自閉症と診断された。自分を表現するのが苦手で、動作にも障害があるとニュースサイト(Spectrum News)は伝えている。小学校2年生のときのテストで、教師に1から20までの数字を紙に書くように求められたが、鉛筆を握ることができず、テストに合格できなかった。

両親は、自宅でサナに勉強を教え始めた。そこで両親は、サナは一般的な子どもとは違って、数学において「特殊な才能」を持っていることに気づく。母親が掛け算の概念を教えると、サナはすぐに理解して問題を解いてみせた。

計算機やペンを使わず、暗算で数桁の乗算ができた。マサチューセッツ工科大学(MIT)工学部の学生がやっと解ける問題でも、さらりと解答できる。

サナを診てきた小児科医も、彼女の数学力に驚いた。彼女がギネス世界記録に挑戦する可能性がないかと考え、両親に打診したところ、それが実現する運びとなった。
世界記録を作るため、サナは10分以内に12桁の乗算をしなければならない。出題される12桁の数字が選ばれる時に、受験者が試験場に入室することは許されない。サナは、挑戦が始まる前に、目隠しをされたまま試験場に連れて行かれた。

11歳のサナ・ハーマスは、挑戦を見事に成功させ、ギネス世界記録の認定を受けた。
サナの父親は「娘にとって、数学の世界で自身を制限するものは何もないのです。唯一の制限があるとすれば、周囲の人々が言葉を介して娘の能力を理解することです」と語った。
(翻訳編集・鳥飼聡)