笑顔は人生の良薬

バラを人に送ったあとも自分の手に香りが残るように、笑顔も同じです。

人はみんな聖人や賢者というわけではありません。あなたは「七情六欲」(「七情六欲」は人の心が執着するときの各種の情緒と欲望です)に惑わされたことがありませんか?名声、利益、人情の苦痛に巻き込まれていない人がいるでしょうか?簡単にそれを手放せる人がいるでしょうか? それは傍観者として冷静な視点だといえるでしょう。その中にいるとき、どうやってそこから抜け出すことができるでしょうか? 無力感に巻き込まれているとき、目は悲しみで満ち、不平不満が心に残っているとき、怒りや憎しみが肺にこびりついているとき、自分に言い聞かせるように、まず自分に笑顔を与えてください。

心に傷を負ったときは、自分に笑顔を、相手にも笑顔を与えましょう。どうしても涙を堪えることができないときでも、自分の心に「頑張れ」と言ってみてください。何かを手に入れることができなければ、それを手放すことも学びましょう。瀟洒(しょうしゃ)にはできなくても、人生の意味を高らかに謳うことはできなくても、新しい一日はいつでも笑顔で始まります。涙を拭いた後は、笑ってください。それは最高の素敵な笑顔ではないかもしれません。最高の魅力的な笑顔ではないかもしれません。もしかしたら目の下にシワも出るかもしれません。しかしまったく問題がありません。笑顔、それはまさに最善の良薬なのです。

お酒の力を借りて、寂しさを紛らわしても、目が覚めたら更にわびしく感じたりするようなことがありますが、それより笑顔で気楽に構えている方がいいでしょう。剣を振って水を割るなどといった無駄なことより、笑顔で喜び安らいでみてはいかがでしょうか。笑顔を保ち続けることができるのは、心境であり、豁達であり、活力であり、そして素直な真心です。

笑顔は幸せの始まりであると同時に、善良の始まりでもあります。心の中に恨みや不平不満があると笑顔になれないので、楽観的な気持ちを大切にしましょう。心が痛くても、笑顔で自分を励まし、笑顔で人に親切にしましょう。

天地を揺り動かすほど感動させなくてもいいのです。極端に積極的になる必要もありません。笑顔は太陽のようなもので、恨みや憂いを解消してくれます。強者として、笑顔は謙虚な姿勢であり、弱者としては笑顔は最高の鎧です。逆境や無力感の前で、解毒剤も、頼れる人もいなければ、笑顔でいてください。笑顔だからこそ、自分のために希望を紡ぎ、未来への耀きを提示してくれます。

(翻訳編集・啓凡)