(Pixta213 / PIXTA)

ある男性のダイエット体験「体重200キロから開始。毎週2キロの減量」

私が院長を務める漢方医院に以前来院した、ある患者さんのことをお話しましょう。その人は40代の男性でしたが、身長170cmほどで初診時の体重が200キロ近くありました。 

200キロの肥満と糖尿病を克服

大変な肥満のため身動きもとれないばかりか、重度の2型糖尿病でした。

すでにインスリン注射が不可欠な状態でしたが、彼の問題はそれだけではなく、全身の体力がかなり弱っており、集中力がなく、頭痛、不眠、抑うつなどの症状も深刻な状態だったのです。

彼がなぜこのような病気になったかというと、30代の頃からの食生活に原因がありました。仕事柄「1日に1食しか食べなかった」というのですが、その1回の食事がすさまじい量で、夜8時から10時ごろまでテレビを見ながら食べ続けるのです。

もはや生命を維持する限界にきていましたので、私は彼に現在の所見をよく説明した上で、漢方薬の処方だけでなく、食事指導も行うことにしました。

体重を大幅に落とすことが絶対条件ですが、急激に食事量を減らすと、血糖値の急降下によって昏倒してしまいます。

まずは1回に暴飲暴食することを止めて、朝昼晩の3回に分けます。

朝食と昼食できちんと栄養を摂取し、夜は少しだけ食べるよう指導しました。
食間に一定の時間をとり、もちろん食事の全体量は以前よりも少なくします。
 

「別人」のようになり、健康を取り戻す

さいわい、彼は私の細かな指導によく従ってくれました。
始めの1週間で体重が2キロ減りました。

200キロのうちの2キロはわずかな数値ですが、自分の努力で体重が減らせることに本人も気づき、結果が得られた喜びとともに、その意味を理解してくれたのが良かったです。

第一歩から始まった「毎週2キロの減量」が、その後もほぼ順調に続いたことは、食事管理による減量としては理想的な経過でした。

数か月後、彼の体重と体形はかなり標準に近づいて、まるで「別人」のようになりました。

適切な食事療法によって血糖値も正常に戻り、内科医師からインスリンの追加注射は必要ないと言われました。

そのほか、彼を苦しめていた多くの不快な症状は全て消えたのです。

彼の場合、食事療法のポイントは、食べる時間をきちんと分けたことです。

食事量は、以前のような大食ではありませんが、極端な少食にしたわけでもありません。

体が必要な栄養摂取と、継続可能な減量プログラムを両立させるため、「食べながら痩せる」を目指したのです。

そうして彼は、肥満と糖尿病の二つを見事に克服しました。
その後も彼の血糖値は安定しており、糖尿病も再発していません。

さらに半年後には、彼から「7年間、望んでも妊娠できなかった妻が妊娠しました」という喜ばしい知らせが、私の漢方医院に届きました。

体全体の機能が完全に回復した、という意味です。
 

「どの時間に食べるか」も重要なポイント

彼への食事指導のなかでも触れた、食事の最適な時間について、お話しましょう。

朝食は、7時から9時がベストタイムです。

この時間に胃の消化能力は最も強くなっていますので、食物の精華を十分に気血精微(栄養とエネルギー)に転化することができます。脂肪になって蓄積することがないので、人は自然と太りにくくなります。

朝食には雑穀、白米、麦、コウリャン、蕎麦、オーツ麦などの穀類を食べます。

それらは植物の種であり、その中に存在している精華が腎臓と胃を養います。また朝食では、肉類、卵、牛乳、豆類などのタンパク質の食品も食べてください。

昼食は、11時から午後1時の間に「腹七分」食べます。

正午は、心臓にとって危険な時間であり、正午に心臓病で急死する人も多いのです。

これは正午の間に体の陽気が極に達し、陰に移ろうとするからです。また、自然の陽気もピークに達し、陰に向かって入れ替わるという新旧の交代の時が正午なので、身体に問題が生じやすいのです。

そうした心臓のために良質な栄養が必要ですので、昼食も必ず食べてください。

昼食後の1時から3時は、食べたものの栄養が小腸で吸収されています。

心臓と小腸は共に中国の五行思想でいうと火に属するため、両者は密接な関係を持っており、心臓にとっても大切な時間なのです。

昼食には、動物性および植物性のいずれも高タンパクな食材を選んでください。

良質の肉、豆類、鶏卵、牛乳などが適しています。それは体と心臓に大きなエネルギーをもたらすことができます。ただし昼食は食べ放題ではなく、50%から70%お腹が満たされていれば十分です。

3時から5時の間は、お茶の休憩は結構ですが、食事はとらないでください。午後3時以降は、消化に関わるすべての器官が休む時間です。その時間に何かを食べると効率よくエネルギーに変換されず、脂肪になって体内に蓄えられてしまいます。

夕食は、5時から7時にとるのがベストです。食べる量は、少なめにしてください
5時から7時までの夕食では、腎臓を養うような食事を心がけます。特に秋や冬には、肉や骨のスープ、豆を煮たスープを飲むといいでしょう。

また、腎臓はデトックス(排毒)を助ける器官であるため、夕食にデトックスを助ける食品を食べることが肝要です。排毒に適した食物は、例えばほうれん草などの緑色野菜、葉菜、茎類の野菜です。

それらは豊富な微量元素とビタミン、食物繊維などを含み、体を養える上に、体内の毒素を排出することに役立つのです。
 

(口述・舒榮/翻訳編集・鳥飼聡)