コロナ禍はまだ続く「感染しない11のステップ」

誰もが、新型コロナウイルス(中共ウイルス)に感染する可能性があります。
日本では昨今、ようやく終息の傾向が見られています。しかし、油断は禁物。
海外のいくつかの国では、ワクチン接種率の高低に関わらず、以前として深刻な感染状況が続いていることを忘れてはなりません。

 

「10日で完治したコロナ患者の女性」しかも投薬なし

不幸にも感染した場合、なんとしても重症化させず、速やかに回復することが望まれています。

科学誌『ネイチャー』の研究によると、ある女性の新型コロナ患者は、わずか10日間で、投薬もせずに完治したと言います。なぜ彼女は、こんなに速く治ることができたのでしょうか。

欧州のウイルス学の専門家で、バイオテクノロジー会社の首席科学者である董宇紅博士はその理由を分析するとともに「免疫力を高める11の要点」を提示しました。
以下は、董宇紅博士への特別取材の精華です。

昨年4月、『ネイチャー』に掲載されたある研究によると、武漢からオーストラリアに渡って11日後、現地の救急室で新型コロナ感染が確認された47歳の中国人女性がいました。

その際には、乾いた咳、発熱、咽頭痛、胸痛、および軽度の呼吸困難が見られました。胸部X線では、彼女の両肺下部に浸潤を示す陰影が認められました。発症後4日目に、鼻咽頭に入れた綿棒からウイルスが検出され、軽度から中程度の感染者と診断されました。

当時、医師の判断がどのようであったかは分かりませんが、抗ウイルス薬、ステロイド、抗生剤などの薬は投与せず、酸素吸入機も使わず、簡単な点滴だけが打たれました。

ところが、彼女は驚くほど回復が早かったのです。7日目にはウイルスが検出されず、10日目にはレントゲンで肺の陰影が消失したため11日目に退院となりました。

研究者は、彼女の免疫学的指標を発症から20日後まで記録しました。7日目には「抗体分泌細胞の増加」と「濾胞ヘルパーT細胞」が出現し、20日後の回復期までは比較的高水準で推移したのです。
 

人を護る「5つの天然バリア機能」

この女性のケースを、典型とするか、特異な例とするかは、ここでは言及しません。

ただ、人々がコロナに感染しても、自己免疫が健全であれば、薬物を一切使わなくてもウイルスを除去できるという実例を、この女性が示したことは確かです。

ウイルスや細菌に対して、人間の体は5つのバリア機能を備えています。第一のバリアは皮膚です。皮膚は、外来侵入物質に対して、まず物理的に防御します。

第二のバリアは、上皮細胞とインターフェロンです。気道、消化器管の上皮全体にインターフェロンを産生する能力があります。ウイルスにとって、インターフェロンは天敵となって立ち塞がり、その侵入を食い止めるのです。

第三のバリアは、血液あるいは組織液の中に存在するキラー細胞です。それらは体内のパトロール兵のように強大な軍隊であり、ウイルス、細菌を撃退します。
第四と第五のバリアは、T細胞とB細胞です。ウイルスが一層深くまで侵入すると、いよいよこれらの細胞が動き始めます。

T細胞は、ウイルスを消滅させると同時にB細胞も活性化させます。その役割は、例えば、T細胞は武器を携帯して直接ウイルスと戦う兵士となり、B細胞は「砲弾」などの武器弾薬を作って前線へ供給する兵站(へいたん)に当たるのです。

人間の体には、このような防護機能が自然に備わっているのです。
 

免疫力アップに役立つ「11のステップ」

現在、世界中でワクチン接種が行われています。そもそもワクチンとは、主に人体免疫力の5番目の関門であるB細胞に作用し、B細胞のなかに抗体を作らせるものです。

新型コロナ感染予防のため、私たちに今できることは、「ワクチン接種。マスク着用。ソーシャルディスタンスを保つ」。しかし、それだけなのでしょうか? 

そうではありません。実は、私たちにできることは、もっとたくさんあるのです。
以下にご紹介する「11のこと」を積み上げて、私たちが誰でも持っている天然の免疫力をアップさせましょう。

1、栄養補給
基本的なタンパク質脂肪、デンプン類などの栄養素のほか、体には多くの微量元素、ビタミンが必要です。

ビタミンC:免疫細胞が大好きなものの1つです。野菜や果物から摂取できます。
ビタミンD:人間の抗ウイルス能力を高めます。食物から摂取するだけでなく、日光によく当たることでも補充できます。

亜鉛:自然免疫細胞の食作用を増強し、傷の治癒を助けます。ホウレンソウやナッツ類などから摂取できます。

2、飲酒・喫煙しない
喫煙は、気道上皮細胞のインターフェロン産生を直接阻害します。それは皮膚構造を損傷し、第一バリアである皮膚の老化を促進するものです。
飲酒は、NKキラー細胞、T細胞、B細胞をいずれも傷つけます。

3、減塩食
塩分が多すぎると高血圧のリスクが高まるだけでなく、乳酸桿菌(ラクトバチルス)などの腸内の善玉菌も破壊されます。それにより腸の慢性炎症が生じ、抗ウイルス薬の使用が困難になります。

4、低糖食
糖質の多い食事は食細胞(ファーゴサイト)を損傷するだけでなく、腸内細菌叢を悪化させます。それは肥満を招き、心理的ストレス、慢性炎症を増加させるのです。

それ以外にも、過剰な糖分は上皮細胞のインターフェロンの分泌を阻害し、自然免疫細胞、T細胞、B細胞の抗ウイルス機能にダメージを与えます。

5、適切な体重維持
体重が重すぎると、慢性的な炎症状態を引き起こします。それは体の抗ウイルス機能を相殺するものとなります。

6、NSAIDsの使用を少なくする
非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)の使用を少なくします。これはアスピリン、イブプロフェンなどの薬です。エール大学の研究によると、これらの薬は発熱や痛みなどの症状を抑えることができますが、同時に体の抗ウイルスレベルを低下させます。

7、規則正しい生活リズム
消灯して就寝する時に、体の成長ホルモンとメラトニンがT細胞とB細胞の数と機能を修復します。

8、気持ちを穏やかに保ち、リラックスする
人間が怒ると血圧が高くなり、体からもストレスホルモンが分泌されます。そのホルモンが体の免疫力を低下させます。ストレスに強い人は、健康状態も良くなります。これは体内のオキシトシンと関係があります。

9、自然に触れる
自然には活力が満ちています。『ネイチャー』誌に掲載された研究によると、緑の空間が多い地域ほど新型コロナの発生件数は少ないと言います。

自然に多く接することは、ヒトの免疫系の抗ウイルス能力を増強します。また別の研究では、森林や緑地が免疫系のナチュラルキラー細胞数を増加させることも分かっています。ナチュラルキラー細胞は、人体がもつ第三の免疫バリアです。その作用はウイルスに対抗することです。

10、坐禅をする
坐禅(座禅)は体の慢性的な炎症を軽減し、細胞の若返りを助けます。
最近の多くの神経精神免疫学の研究成果からも、坐禅する人の身体がインターフェロンを産生するレベルが高いことが発見されています。

11、善行を積む
利己的な心を捨て、利他的な心を保ちます。
小さな善行を積むことで、体内のオキシトシンを高めることができます。オキシトシンの分泌は免疫細胞の能力を促進し、ストレスホルモンを減少させます。研究によると、ポジティブ思考を保ち、他人のことを考え、良好な集団の社会関係を維持することは、体内の炎症を軽減し、抗ウイルス機能をもつインターフェロンのレベルを高めることができます。

(口述・董宇紅/翻訳編集・鳥飼聡)