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抗老化だけではない「ビタミンEがもつ4つの効能」

私たちは、強力な抗酸化物質であるビタミンEが、人体に必要な栄養素であることを知っています。

しかし、ビタミンEのもつ利点は、私たちの想像を超えているかもしれません。もちろんその前提は、私たちがその活用法を正しく理解していることです。

ビタミンEの優れた健康効果

人間の体は常に酸化反応をしています。この過程で、細胞はフリーラジカルという不安定な因子を産生します。

フリーラジカルとは酸化物質のことで、言わば体内の「両刃の剣」になります。それは体が病気と闘うのを助ける一方、体内の細胞を破壊することにもなるからです。

ビタミンEがもつ「4つの効能」とは、以下のようなものです。

1、抗がん効果
過剰なフリーラジカルは、様々ながんを引き起こす元凶です。これはフリーラジカルが人間の細胞の遺伝物質を攻撃し、正常な細胞を突然変異させてがん細胞に変えるためです。

ビタミンEにはフリーラジカルを死滅させる力があり、細胞への攻撃を減らし、がん細胞ができる確率を低下させます。

2、血栓を予防する効果
体内のビタミンEが不足すると、低密度リボタンパク質はフリーラジカルを吸収します。この過程で脂肪とタンパク質が酸化されると血液中に一種の「泡」が形成され、血管の内壁に付着します。

これは水道管の汚れのようなもので、血管を詰まらせ、血栓ができやすくなります。つまり十分なビタミンE摂取によって血管内をきれいにし、血栓の形成を防ぐことは、心血管障害や脳卒中の予防に役立つのです。

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3、抗老化の効果
食物の変質も、金属の錆びも、さらには人体の老化も、その元凶は「酸化」にあります。体内に過剰なフリーラジカルが存在することは、酸化反応を促進します。
加齢とともに、私たちの体が余分なフリーラジカルを除去する能力が弱くなるため、フリーラジカルによって細胞がどんどんダメージを受けてしまいます。例えば、フリーラジカルが眼の各部分を腐食させることにより、目のかすみ、白内障などの老人性視力障害が起きやすくなります。

フリーラジカルはまた、不溶性色素であるリポフスチンの生成を促進します。この物質が皮膚に蓄積すると老人班ができ、また脳細胞に蓄積すると記憶力の低下や認知症につながりやすくなります。

体の老化は、多くがフリーラジカルを原因とするものです。そこでフリーラジカルに対抗できる物質としてビタミンEが重要になるわけですが、ビタミンEアンチエイジング効果は観察実験にも表れています。

カリフォルニア大学デービス校の1950年の実験では、ビタミンEを添加したシャーレで培養された人間の細胞の寿命が著しく延びて、一部の細胞は2倍以上の寿命を得たことが確認されています。

4、美肌効果
ビタミンEの抗老化について、まず直感できるのは皮膚に対する保護効果です。皮膚のしわやシミなどの問題は、フリーラジカルによる細胞への攻撃が関係しているからです。

ビタミンEの栄養を十分にとることは、肌の滑らかさを保つのに役立ちます。今では多くのスキンケア製品にビタミンE成分が含まれています。

しかし、言うまでもありませんが、経口用のビタミンEカプセルの中身を顔に直接塗ることは避けてください。
 

まずは「負の要因」を減らすこと

体内の「負の要因」となるフリーラジカルの量は、ビタミンEなどの抗酸化物質を摂取するだけではなかなか減りません。フリーラジカルの増加は、現代人の生活環境や生活習慣にも深くかかわっているからです。

特に異常な刺激は、身体に過剰なフリーラジカルを発生させます。一般的な有害要因を列挙すると、以下のようになります。

「汚染された空気の吸入」「喫煙」「過度の飲酒」「油脂や塩分を多く含む不適切な食習慣」「過度に紫外線を浴びること」「夜更かし」「いらいら、不安、緊張など過度の精神的ストレス」「食品添加物、農薬、有毒金属元素などの化学物質の摂取」「携帯電話、コンピュータ、電子レンジ、X線などが発する放射線」「過度に激しい運動」等。

もし私たちが常に悪い環境や生活習慣の中にいるとしたら、フリーラジカルの量は抑制しにくくなります。この場合、食物からビタミンEを補給しても「焼け石に水」となる可能性が高く、あまり意味がない努力になってしまいます。

まずは、こうした「負の要因」を極力減らす努力をしましょう。その上で、ビタミンEを多く含む食品をとるようにします。ビタミンEは一般的な食品に含まれる栄養素であり、植物油、ナッツ類、果物および野菜に多く含まれます。

これらの中で、ハーバード大学公衆衛生学院が最も推奨している食品は以下のものです。

油脂:小麦胚芽油、ヒマワリ油、ベニバナ油、大豆油
ナッツ類:アーモンド、ピーナッツ、ピスタチオ、ヘーゼルナッツ、ヒマワリの種
野菜:ホウレンソウ、カボチャ、ブロッコリー、パプリカ、アスパラガス、テンサイの葉、ケール
果物:マンゴー、アボカド

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なお、ビタミンEサプリメントを服用する場合には、食物だけでは不足する部分を補うという目的で、あくまでも適量を服用するにとどめてください。

ビタミンEサプリメントに毒性や副作用があるという証拠は今のところ出ていませんが、だからといって無制限に服用できるわけではありません。ビタミンEを過剰に摂取すると、血液の凝固性が低下し、特に抗凝固薬を使用している場合に出血を起こすことがあります。

(文・劉景燁/翻訳編集・鳥飼聡)