1947年7月25日、パリ近郊にあるフランス初のウラン製造工場「エネルギー原子局」ブシェ工場を記者団は訪問した。作業中の研究者たち(AFP via Getty Images)

20億年前に存在した原子炉 50万年運転 ノーベル賞受賞者「自然形成説」を疑問視

アフリカの赤道直下の国ガボン共和国には約20億年前に建設され、約50万年もの間稼働していたとされる古代原子炉がある。この考古学的遺跡は「自然形成」では解明できない点も多く、現代人に先史の知恵を示しているかのようだ。

脅威の原子炉の発見は1972年に遡る。この遺跡はガボンのオクロ鉱床で発見された。核燃料となるウランの測定する仏ピエールラットの原子力庁の質量分析施設では、このオクロ鉱床の鉱石からウラン同位体の存在比の異常を発見した。

天然ウランの同位体はウラン234、ウラン235、ウラン238の3種類だか、ウラン235の存在量が少なかった。こうしたウランのバランスの違いは自然界では起こり得ないとみなされていたため、研究者たちは調査を進めた。驚くべきことに、核分裂がなければ生まれない生成物と燃料廃棄物も発見した。

仏原子力庁は地質学者や鉱物学者、中性微子物理学者らとともにオクロ鉱山の研究を進めた。その結果、鉱山周辺には約20億年前に「核分裂連鎖反応が起こる」状態が存在していた、つまり「天然の原子炉」があったと発表した。

オクロ鉱山では現在まで16基の原子炉が発見されている。そのなかで比較的浅い地層で見つかった6基の研究・調査が進んでいる。これらの原子炉は100万年あまり運行した場合、生まれたエネルギーは現代の100万キロワット級の原子炉5基を1年間全力で運転させた量に相当するとされる。つまり、古代原子炉が作るエネルギーは現代の原子炉よりも微弱で周囲の水を温める程度のものだった。

ガボン原子炉が「人工的なもの」だという考え方は、現代科学の根本を動かすものであり、この可能性の検証は多くの科学者が拒んできた。しかし、ノーベル化学賞を受賞したグレン・T・シーボーグ氏が、原子炉は極めて「正確な」条件を満たさなければ運行しないとし「自然形成説」に疑問を投げかけた。

ガボン原子炉研究プロジェクトを主導したフランスの核物理学者ロジェ・ノーデ氏(Roger Naudet)も当初「自然形成説」を支持していたが、1996年に20年間の研究をまとめた著書『オクロ:化石原子炉(Oklo: Des reacteurs nucleates fossiles)』では、自然形成説では説明しきれない多くの現象があるとの考察を残している。