北欧神話 主神オーディンの物語(2) 知恵のために片目を犠牲にする

オーディンは賢者の巨人ミーミルの「知恵の井戸」を知っていました。彼は神界から巨人の世界へ知恵と答えを求めに来たのです。 彼は知恵の井戸にやってきて、ミーミルに知恵の水を分けてくれるように頼みました。

「賢者ミーミルよ、この知恵の水を私に飲ませてください」とオーディンは言いました。

しかしミーミルは迷うことなく、彼を拒否しました。

 オーディンは「ミーミルよ、知識と知恵はいかに尊いか。オーディン、それらを追求する私の信念はいかに堅固か。 ミーミルよ、私の全てを捧げ、一口で飲めるなら私の目も掘り出そう」と言いました。オーディンはちょっと言い過ぎたかなとも思いました。

しかし、オーディンの言葉を聞いた老巨人は、本当に心を揺さぶられ、オーディンが自分の片方の目を井戸の底につけたら、好きなだけ飲んでよいと言ったのです。 オーディンは少しためらったが、すぐに決断し、自分の右目を慎重に抜き取り、ミーミルの知恵の井戸に入れました。 眼球は井戸の底に沈んでいき、水中で開眼しました。

そして、ミーミルは牛の角に入った知恵の水をオーディンに与えました。 しかし、オーディンは、井戸の底にある彼の目が、宇宙で起こったこと、これから起こること、すべてを見通すことができたので、もう知恵の水を飲む必要がないことに気づいたのです。 

それ以来、オーディンは片目がないことから「独眼神」と呼ばれ、又、その優れた知恵から「賢者オーディン」とも呼ばれるようになりました。

雷神トールは一般大衆に人気のある神ですが、オーディンは北欧の人々から見て上流階級の神であり、戦略的で賢く、人々にインスピレーションを与え、首長、貴族、詩人など社会的地位の高い人々と密接に関係していると考えられています。 

デンマークでは、オーデンセとヴォイエンという都市名が「オーディンの聖地」を意味すると言われています。

(翻訳・微宇)