美しき雛まつりの世界 平安時代へタイムスリップ

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ひな祭りを通して雅な日本の伝統文化を感じる。今、東京国際フォーラム・ホールB5で『美しき雛まつりの世界~平安・江戸・現代 ひなまつりのルーツをたどる~』展が開催されています。

ひな祭りというのは、実は知っているようで、そのルーツはどこにあるのかなど意外に知らないことが多いのではないでしょうか。この展示では、雛まつりの始まったとされる平安時代、そして江戸時代、そして現代と、ひな祭りの移り変わりが一望できます。

古式ゆかしい雅楽が流れる会場に入ると、まず京都御所の正殿、紫宸殿の前で能を楽しむ様子を表現したジオラマが目に飛び込んできます。これらの人形は当時の装束と同じサイズのものを実物の4分の1サイズで忠実に再現し、衣装の染めも現代の化学染料は使用せず、全て草木染したもので、全て昔の手法・技で作られています。

古式ゆかしい雅楽が流れる会場に入ると、まず京都御所の正殿、紫宸殿の前で能を楽しむ様子を表現したジオラマが目に飛び込んできます(大紀元)

また紫宸殿の作り方も当時と同じやりかたで職人が再現し、装飾品もすべて忠実に再現されており、一気に昔の日本にタイムスリップしたかのような錯覚を覚えます。この企画の製作に携わった井筒東京の取締役、井筒周氏は「値段は付けられません」と語っていました。

その他、ひな祭りのルーツとされている「曲水の宴」を再現したジオラマや牛車、十二単衣を来た宮女の等身大の衣装展示なども展示され。教科書の写真などでしか見ることのできなかった雅やかな平安装束を間近で見て、感じることができます。

曲水の宴を再現(大紀元)
4分の1サイズで忠実に再現した牛車(大紀元)

ただここでは見たり感じるだけではありません。実際に体験することもできます。3日から始まる体験コーナーでは、実際に宮廷装束を着ることもでき、おひなさまやお内裏様気分を実際に味わうこともできます。

3日から始まる体験コーナーでは、実際に宮廷装束を着ることもでき、おひなさまやお内裏様気分を実際に味わうこともできます(大紀元)

宮中の女性の衣装は十二単が有名ですが、日本の朝廷の伝統的な装束では、袿と呼ばれる複数の衣を重ねることが基本で、その色の組み合わせを「かさね」(重)と呼びました。当時の宮女はこの組み合わせに、とても工夫を凝らしていたことが当時の日記などから伺えます。

宮中の女性の衣装は十二単が有名ですが、日本の朝廷の伝統的な装束では、袿と呼ばれる複数の衣を重ねることが基本で、その色の組み合わせを「かさね」(重)と呼びました(大紀元)

井筒周氏は体験コーナーについて、「是非、大人の方も子供の方も来ていただきたい。平安時代とか江戸時代といっても、遠い昔の出来事ではありません。展示会場に来て実際に人形や衣装を見て『日本人だな』というのを肌で感じて欲しい」と述べています。

今回の展示は気になっていたというブライダル系の学校の講師をしている男性の来場者は

「時代時代の着せ方をしっかりと見られるところがなかったので、それが見られてすごく面白かった」

「ちゃんとしたところでちゃんとしたものを見る機会というのは結構少なくなってきている。一瞬の機会でも見逃さないで自分の目で見れると楽しいと思う」と述べました。

また会場には、親子連れも多く来ており、

「思ったよりお人形が大きくて、綺麗で、こんな大規模なものは初めて見ました」

「装束も綺麗だし、とても美しくて感動しました」

などの声も聞かれました。

もともと中国では、水辺で身体を清め、宴会、「曲水の宴」を催し、災厄を祓うという風習がありました(大紀元)

もともと中国では、水辺で身体を清め、宴会、「曲水の宴」を催し、災厄を祓うという風習がありました。

「曲水の宴」とは古代中国にあった、水辺で禊を行う風習で、それが次第に3月3日に盃を水に流して宴を行うようになったとされています。

書聖と称された王羲之が、永和九年(353年)蘭亭で催された「曲水の宴」で、そこで詠まれた詩文の序文を揮毫し、有名な『蘭亭序』として残されています。

書聖と称された王羲之が、永和九年(353年)蘭亭で催された「曲水の宴」で、そこで詠まれた詩文の序文を揮毫し、有名な『蘭亭序』として残されています(大紀元)

ひなまつりはこの中国から伝わった節句の行事と、日本の旧暦の3月3日、上巳の節句に穢れを人形に移して流す風習や、平安時代の宮中で女の子が人形で遊ぶ「ひいな遊び」など、そういったものが混じり合ったものがルーツとされているようです。

その「ひいな遊び」が今のような雛まつりの形になったのは江戸時代で、最初は貴族階級に近い裕福な家だけだったものが、明治以降、一般の家庭にまで普及し、現在に至っています。

ただ最近は場所を取るといって雛人形を飾らない家庭も増えてきています。井筒氏は「家族関係が、大家族で住むような家族になってきていないので、こういった伝統を続けていくというのも本当に大変難しいと思う」と述べています。

まだまだおじいさんおばあさんのところには雛人形があるという方もいるのではないでしょうか。七段飾りなどは無理でも、お内裏様とお雛様の2人雛を飾ったり、あるいはこういう展覧会に行ってみて、自分の文化のルーツを感じるのもよいかもしれません。

体験コーナーではその他、匂い袋づくりやプロの書道家の指導の下、百人一首を本格的な墨と筆で書いたり、かるた紙に偏とつくりを書いて遊んだり、書のワークショップが体験できます。前述の宮廷装束の体験とともに30分から1時間のメニューで随時受け付けをしています。

またこの『美しき雛まつりの世界~平安・江戸・現代 ひなまつりのルーツをたどる~』展は6日まで行われ、入場料は500円で未就学児は保護者同伴であれば無料になります。更に同じ期間、山本耕史、姿月あさとなどが出演するミュージカル『不思議の国のひなまつり』が東京国際フォーラム ホールB7にて開催されています。

(文・大道修)