体の酸化防止と免疫力アップに「5種類のスーパー野菜」がん予防にも

野菜は、各種のビタミンやミネラル、および植物性化合物(フィチン)の重要な供給源です。

含まれる栄養は野菜によって異なりますが、以下にご紹介する5種類の「スーパー野菜」は、優れた抗酸化作用をもち、免疫力の向上、がん予防に役立ちます。

1、シイタケ(椎茸)
シイタケは有効成分が豊富で、抗がん、免疫力の増強のほか、心臓や骨の健康をサポートします。

シイタケ多糖体(レンチナン)は人の免疫力を高める働きがあり、抗ウイルスおよび抗がん作用を発揮するとともに、体の炎症レベルを低下させます。

また、シイタケに含まれる各種の植物性化合物は、コレステロールの産生を抑制し、体がコレステロールを吸収することを阻止するため、心臓の健康を守ることができます。

さらに、シイタケをふくむキノコ類はビタミンDを含有する唯一の植物です。ただし、食事で摂取したビタミンDを増やすには、日光や紫外線に当たることが必要です。

 

シイタケは有効成分が豊富で、抗がん、免疫力の増強のほか、心臓や骨の健康をサポートします。(Shutterstock)

 

2、サツマイモ
サツマイモは、食物繊維、ビタミン、ミネラル、抗酸化物質を豊富に含みます。
サツマイモをよく食べることで、視力を保護し、病気に対する抵抗力を高め、腸の健康を促進することができます。

サツマイモは食物繊維が豊富ですので、規則正しい排便を促し、結腸がんのリスクを低下させます。サツマイモに含まれるカリウムは、血圧の調節を助け、心臓病のリスクを減らします。

 

サツマイモは食物繊維が豊富で、典型的な「高カリウム、低ナトリウム食」です。(Shutterstock)

 

また、サツマイモに豊富な食物繊維は、腸内での食物の消化を遅くしますので、食後血糖値の急上昇を防ぎます。

サツマイモは炭水化物が多く、甘い味がしますが、食事管理をしている糖尿病患者でも適量は食べられます。ただ、サツマイモを食べた場合、その分ほかの主食を減らす必要があります。

3、ブロッコリー
ブロッコリーには抗酸化物質が多く含まれており、炎症を防ぎ、フリーラジカルによる体へのダメージを軽減します。さらには、腸の健康維持に役立つ食物繊維や、骨を強くするビタミンKも含まれています。

また、ブロッコリーに豊富に含まれるグルコシノレートは、体内で消化されて強力な抗酸化物質であるスルフォラファンに変換されます。

スルフォラファンは、抗酸化物質や解毒酵素を放出することでがん細胞の増殖を阻害し、発がんリスクを著しく低下させます。
また、スルフォラファンは人体の炎症レベルを低下させ、炎症による動脈狭窄を予防することで心臓を守ります。

 

ブロッコリーには、豊富な抗酸化物質が含まれています。体の炎症を防ぎ、フリーラジカルによる身体へのダメージを軽減するのに役立ちます。(Shutterstock)

 

4、芽キャベツ
芽キャベツは、ブロッコリーと同じアブラナ科に属する野菜です。

芽キャベツに見られる主な抗酸化物質の1つであるケンペロールには、抗炎症性があります。慢性炎症はがん、糖尿病、心臓病などの病気を引き起こしますが、ケンペロールをはじめ各種の抗酸化物質は、それらの発症リスクを軽減します。

芽キャベツのリノレン酸は、オメガ3脂肪酸の一種です。
オメガ3脂肪酸は血液中の中性脂肪を低下させ、認知力の低下を遅らせるとともに、体の炎症を抑えます。

芽キャベツは、血糖値を安定させるのにも役立ちます。芽キャベツに含まれる抗酸化物質のα-リポ酸は、インスリン感受性を高め、血糖値を低下させるのに役立ちます。また、ブロッコリーと同様に、芽キャベツの食物繊維は血糖値が急上昇するのを防ぎます。

5、ビート(甜菜)
ビートは甜菜(テンサイ)とも呼ばれ、また可食部分である葉と茎はフダンソウとも言われます。

ビートに多く含まれる硝酸塩は、体内で一酸化窒素という化合物に変換されます。
一酸化窒素には、血管を拡張させて血圧を下げる働きがあり、心臓病のリスクを低下させます。また、血管の拡張は、脳への血液供給量を増加させますので、脳機能の改善にも役立ちます。

 

ビートに含まれる硝酸塩は、体内で一酸化窒素に変換されます。一酸化窒素は、血管の拡張を助けて血圧を下げ、心臓病リスクを低下させます。(Shutterstock)
 

 

ビートに豊富に含まれる葉酸(ビタミンB9)は、胎児の先天異常の発生率を低下させるとともに、体内の有害物質による血管への損傷を減らし、心臓病や脳卒中のリスクを低下させます。

(翻訳編集・鳥飼聡)