専門家からの提言「2歳以下の子供には添加糖を与えないで」

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添加糖(てんかとう)とは、乳製品や果物などの食材が本来もっている自然糖ではなく、その食品の製造過程で「甘味として後から加えられる糖」のことです。

例として、砂糖、きび砂糖、ハチミツ、メープルシロップ、ココナッツシュガーなど、非常に多くの添加糖があります。それには、天然の甘味料もあれば、人工甘味料もあります。

本稿の結論を先に述べると、専門家の意見として「生後12カ月から24カ月までの乳幼児には、添加糖をほとんど与えない、あるいは全く与えないようにする」ということです。

栄養学を専門とする研究者は、「子供が生涯にわたって健康的な食生活を送れるよう、その教育は幼いうちから始めるべきだ」と言っています。

そう言う私も10年前、自宅のダイニングキッチンで、高椅子に座らせた9ヶ月の娘に緑の野菜を食べさせようとしました。ところが、ボイルしたサヤエンドウであろうと、グリーンピースであろうと、結果は同じでした。私が娘の口にスプーンで差し入れると、彼女は全て吐き出したのです。

それに比べると、リンゴジャムは違いますね。リンゴジャムをスプーンですくって娘の口に運ぶと、彼女は大きく口を開けて、椅子から落ちそうなほど嬉しそうに飛び跳ねるのです。私もつい喜んでしまい、娘と一緒に踊りそうになったものです。

しかし、栄養学の専門家の一人である私は、娘の甘いものへの欲求を満たすだけではいけないことを知っています。長い目で見れば、それは娘の健康には何のメリットもないのですから。

私は、3人の子をもつ母であるとともに、ピッツバーグ大学公衆衛生大学院(the University of Pittsburgh Graduate School of Public Health)の栄養学教授で、栄養不足が母子の健康に与えるマイナスの影響について研究しています。

また私は最近まで、全米科学アカデミーの委員会にいました。同委員会は、乳児や2歳未満の子供に栄養摂取させるためのガイドラインをまとめています。

委員会の一員として、私は「幼児に砂糖および砂糖入り飲料を与えることについての報告書」を作成するミッションに参加しました。その報告書の結論が、先述した「生後12カ月から24カ月までの乳幼児には、添加糖をほとんど与えない、あるいは全く与えないようにする」だったのです。

果物、乳製品、野菜、パン、その他の穀物に自然に存在する糖分とは異なり、食品の製造途中で添加される天然甘味料や人工甘味料は、保護者が子供に与える食物から排除または大幅に制限するべき添加糖ですが、それは一体、なぜなのでしょうか。

子供の健康的な発育には、生後24カ月からカロリーと栄養が必要です。

ところが、糖分の多い食べ物や飲み物は、カロリーばかりで、体の発達に必要な多くの栄養が得られません。生後24カ月までは食べる量が比較的少ないため、子供に砂糖を添加した食物を与えるのは、体に必要な栄養が不足するという意味で、子供にとっては危険でもあるのです。

具体的に言うと、添加糖の多い食事ばかりを与えると、子供の肥満、子供の心血管疾患、さらには虫歯と、子供の発達に多くのマイナスをもたらしてしまいます。

生後24カ月までの食事が、その後の人生の「食の好み」を決めるとも言われます。脂肪という形で体内に蓄えられる糖分は、食物が欠乏した時に救ってくれる蓄えであるというのは、確かに人類の祖先からの貴重な教えであるかもしれません。

そのため「甘いものが大好き」という子供の本性に罪はないのですが、やはり保護者は、甘いもの以外の食べ物、例えば野菜を幼児期から根気よく与えて、子供が嫌いなものも食べられるようにしてやらなければなりません。

米国では、乳幼児の約85%が毎日添加糖を摂取している、と言われています。
その差し迫った現状を考えると、以下に示すのは、乳幼児をもつ保護者にぜひ実行していただきたい最も基本的な行動です。

 

1、食品ラベル表示の確認

食品を購入する前に、添付されている栄養成分表示のなかの添加糖の量をチェックしてください。例えば、8オンスのチョコレートミルクは15グラムの添加糖を含んでいますが、普通の牛乳は添加糖を含んでいません。あなたは、どちらを買いますか。

2、健康的な飲み物を選ぶ

砂糖入り飲料は避けて、ミネラルウォーターまたはミルク(母乳、人工乳、または他の種類の乳飲料など、子供の発育段階によって変わります)を選択してください。

3、食べ物に砂糖を入れない

家庭で子供の食事を調理するときは、なるべく砂糖を入れないでください。

4、砂糖の「別の名称」を知っておく

添加糖には、高果糖コーンシロップ、濃縮果汁、コーン甘味料、乳糖、ブドウ糖、ショ糖、メープルシロップなど、さまざまな表記上の名称があります。商品ラベルを必ず確認してください。

5、製造食品に潜む糖に注意

ドライシリアル、レトルトジュース、缶詰のベビーフードなど、すでに製造された子供用食品を選ぶ場合は、なるべく砂糖が入っていないものを選ぶべきです。

6、根気よく与える

子供は、野菜などの苦い食べ物は始めから食べようとしません。保護者には辛いところですが、子供が健康的な人生を送るために、根気よく何度も与えましょう。

ただし、幼い子供に対して、すぐに良い結果を求めることは適切ではありません。
焦らず、これらの中から最も実用的と思われる方法を選択して、少しずつ試してみてください。

(翻訳編集・鳥飼聡)