脂肪を減らして寿命を延ばす、絶対食べたほうが良いエイジングケア食品

チョコレートには、慢性疾患の予防に役立つ抗酸化物質が豊富に含まれているため、独自の痩身効果や長寿効果があります。しかし、「良い」タイプのチョコレートを適量だけ食べることが重要です。
チョコレートは人生に甘さを加えるだけでなく、寿命を長くする効果があるという研究結果があります。

チョコレートは最近の発明ではなく、その健康効果は古代に遡り、アステカ族がカカオ豆からチョコレート飲料を作る方法を知っていたことに由来します。
チョコレートには抗酸化物質が豊富に含まれており、そのため健康増進の効果が期待できます。カカオに含まれるフェノールは、フリーラジカルを抑制し、免疫力を高めるため、長寿に役立ったり痩せたりなど、チョコレートは神様からの素敵なおいしい贈り物なのです。
 

チョコレートは脂肪を排出し、代謝機能を向上させる効果がある

2021年3月にケンブリッジ大学から発表された研究では、閉経後の女性の食事にカカオを多く含むチョコレートを1日10g加えると、体組成にどのような影響があるのかを分析しました。

6ヶ月間のこの無作為化試験では、被験者を2群に分けました。毎日の習慣的な食事にカカオ99%のチョコレート10gを追加する介入群と、カカオを含む食品を一切食べない対照群です。介入群では、チョコレートに65.4mgのポリフェノールが含まれていました。

被験者の体組成比を調べた結果、カカオの摂取は(胴体、腕、脚などの)体脂肪の量と割合の減少に有意に関連しましたが、体格指数の変化には有意差がなかったといいます。研究者らは、「閉経後の女性の習慣的な食事に、カカオを多く含むチョコレートを1日10g加えることで、体重を変えずに体脂肪の量と割合を減らすことができた」と結論付けました。

2019年に『Journal of Medical and Food Sciences』に掲載された別の研究では、動物モデルを用いて、カカオ誘導体(カカオパウダーなど)の効果を5週間にわたって調査しています。その結果、カカオを摂取した肥満ラットは、体重39%減、収縮期血圧27%減、中性脂肪55%減、総コレステロール24%減、低密度リポタンパク質(LDL)37%減、中性脂肪/HDL比54%減など多くの指標で有意な減少が見られたといいます。研究チームによるとカカオの誘導体は、副作用なく被験者の代謝機能を改善しました。

 

カカオ誘導体は、副作用なく被験者の代謝機能を改善します。(Shutterstock)

 

チョコレートは心臓に良い食べ物

カカオには、植物由来のポリフェノール化合物であるフラボノールが豊富に含まれており、血管内壁の改善や血圧の改善につながるとされています。

2021年3月に『Nutrients』誌に掲載された研究では、ストレスによる血管機能の変化に対するカカオフラボノール摂取の効果を検証しています。
30人の健康な男性にカカオ飲料を摂取してもらい、1.5時間後に8分間のストレスを負荷し、前腕の血流、血圧、心血管状態を、ストレス負荷時とその前後の安静時で比較し、分析しました。

その結果、カカオを飲んでいる人は安静時とストレス時の両方で前腕の血流が増加し、ストレスに対する心血管と血圧の反応も似たような影響があることがわかりました。研究者らは、精神的ストレス時に内皮機能障害を軽減し、末梢血流を高める効果のあるフラバノールが、その効果の鍵を握っていると述べています。

2018年に発表された23の研究のメタ分析では、1週間に100g未満のチョコレートを摂取すると、心血管疾患のリスクが低下する可能性があると示されました。このメタ分析には、合計40万5304人が参加しました。

しかし注意したいのは、チョコレートの摂取量が多いと、チョコレートの効能が相殺され、糖分の大量摂取による身体への悪影響が懸念される事です。

 

メタ分析によると、1週間に100g以下のチョコレートを摂取すると、心血管系疾患のリスクが低下することが示されています。(Shutterstock)

 

チョコレートは長寿をもたらす

チョコレートの摂取は死亡率と関係があるのでしょうか?2021年7月にNew York Journal of Agingに発表された研究では、米国の55~74歳の9万1891人が参加しました。

研究者たちは、食事頻度調査票によって参加者のチョコレート摂取量を評価し、平均13.5年にわたって参加者にインタビューを行い、全死因死亡例(一定期間の全死因による死亡総数の、同期間のその集団の平均人口に対する割合)1万9586例を記録しました。

その結果、週に0.7枚のチョコレートを摂取している人と0.6枚のチョコレートを摂取している人では、心血管障害による全死因死亡率が最も低いことがわかりました。そして、喫煙者や以前喫煙していた人よりも、喫煙したことのない被験者の方がその結果は明白でした。

老化の正確な原因はわかっていませんが、染色体のテロメアと老化のプロセスを関連づける研究がなされています。テロメアの縮小率とヒトなどの種の寿命には、強い相関が認められることが研究で示唆されています。興味深いことに、2020年に発表された研究では、週に2枚以上のチョコレート菓子を摂取する青年は、チョコレートを食べない人に比べてテロメアの長さが長く、おそらくApoA1/HDL経路への影響によるものであることがわかりました。

米国の研究者が2008年に発表した研究では、一般的なショウジョウバエの場合、カカオには抗酸化作用、酸化促進作用、金属キレート作用もあることが分かりました。
 

ヘルシーなチョコレートの選び方

チョコレートでダイエットや長生きをするためには、食べるべきチョコレートを正しく選ぶことが大切です。ヘルスコーチのマギー・キング氏によると、健康的なチョコレートを選ぶには少なくともいくつかのポイントがあるそうです。

ダークチョコレートと生チョコレート:色が濃いほど、砂糖の添加が少ないことを意味します。カカオ分70%以上のチョコレートを選び、フラバノールを多く含む生カカオが最適です。

 

チョコレートの色は濃い方が良い。(Shutterstock)

 

オーガニック:オーガニックチョコレートは、従来の農業で使われていた除草剤グリホサートなどの農薬の残留物の摂取を避けることができます。

フェアトレード:カカオ作物は、しばしば不公平な貿易が行われ、児童奴隷の使用にも関連しているので注意しましょう。

(翻訳・香原咲)