果物は健康的な食生活の一部ですが、その役割は「医者いらず」にとどまりません。果物を多く含む食事は、実際に肌の見た目を改善することができます。
果物には酸化ストレスを防ぐ働きがあります。酸化ストレスとは、紫外線や大気汚染などによって発生する「活性酸素(フリーラジカル)」が原因で起こります。医療専門家は、この活性酸素を「肌に打ち付ける氷の粒」にたとえます。これらは肌のバリア機能を壊し、コラーゲンやDNAを損傷させます。そして、傷ついたDNAは皮膚がんのリスクを高めます。
抗酸化物質を豊富に含む果物は、肌に有害な活性酸素を中和・除去し、体内の炎症を減らす働きがあります。一般的に、炎症は乾癬やニキビなどの皮膚疾患を含む多くの病気を引き起こします。さらに、果物は水分を多く含み、肌の水分補給を助け、健康的な肌を保ちます。
健康情報サイト「每日健康」は、医療専門家に特に肌に有益な7種類の果物を推薦してもらいました。
スイカ
スイカは肌に最も良い果物のひとつとして広く知られています。これは、スイカに豊富に含まれるリコピンによるものです。リコピンは強力な抗酸化物質で、日光による肌へのダメージを防ぐ働きがあります。35~55歳の女性を対象にした研究では、リコピンのサプリメントを3か月以上摂取すると、肌のバリア機能による保湿力が大幅に改善されることが分かりました。また、リコピンは小ジワやシワを減らし、毛穴を引き締め、肌をなめらかで引き締まった状態にします。

キウイ
ビタミンCはもうひとつの重要な抗酸化物質です。ビタミンCはもともと私たちの肌に存在しますが、活性酸素と戦う過程でどんどん消費されます。キウイ1個で1日の必要量の71%のビタミンCを摂取できます。実験や動物研究では、ビタミンCがコラーゲンの生成を助け、肌の弾力を保つことが確認されています。人間は自然にコラーゲンを作れますが、加齢や日焼け、過度な飲酒、喫煙などによってその生成量は減少します。

ラズベリー
ラズベリーもビタミンCが豊富で、1カップで1日の必要量の36%を摂取できます。また、ラズベリーにはエラグ酸という化合物が含まれています。研究では、エラグ酸が酸化ストレスや炎症を減らし、紫外線による肌細胞の損傷を防ぐとされています。さらに、このエラグ酸と、果物や野菜にも含まれるジヒドロミリセチンを組み合わせることで、単独で使用するよりも強い保護効果が得られます。ある研究では、女性が4週間エラグ酸抽出物を摂取することで、紫外線による色素沈着を防ぐ効果が確認されました。

ブルーベリー
ブルーベリーにはアントシアニンという化合物が含まれており、これは非常に強力な抗酸化物質として知られています。研究では、アントシアニンが肌の老化や紫外線ダメージを防ぎ、炎症を減らし、肌の保湿力とバリア機能を高めることが示されています。

バナナ
バナナは「美容ビタミン」のひとつとされるビタミンB3(ナイアシン)を豊富に含み、肌に良い影響を与えます。研究では、ビタミンB3がDNA修復を促し、紫外線による炎症を抑えることが確認されています。また、特定の皮膚がんの発症リスクが高い人のリスクを減らす可能性もあります。中サイズのバナナ1本で1日の必要量の5%のビタミンB3を摂取できます。特に、バナナが黄色く熟したときにビタミンB3の量が最大となり、美肌効果が高まります。

アボカド
アボカドは一価不飽和脂肪酸を豊富に含みます。これは健康に良い脂肪で、酸化ストレスや炎症を減らし、日光による肌ダメージから保護します。27~73歳の女性を対象にした研究では、8週間毎日アボカドを食べ続けた人は、食べなかった人に比べて肌の弾力性とハリが顕著に向上しました。

イチゴ
水分を多く含む果物を食べると、肌のうるおいと健康を保つことができます。イチゴは水分量が91%と非常に高く、最適な選択肢です。ある女性を対象とした研究では、水をあまり飲まない人が30日間、水分摂取量を増やすことで肌の見た目が改善されたことが示されました。

(翻訳編集 井田千景)
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