私たちの体にはがん細胞が潜んでいる!(上)

多くの人が気づいていないだけで人の体内にはがん細胞があります!一般的な食品の中には、がんの栄養素を遮断して、がん細胞を死滅させるものがあります。

多くの人が体内にがん細胞を持っている

外傷で亡くなった人を解剖すると、その体内から微小ながん細胞の集合体が見つかることがよくあります。

例えば、デンマークの研究者が、これまで癌にかかったことのない40〜50歳の女性の剖検を行ったところ、39%に乳房に小さな癌病巣があることがわかりました。一方、この年齢層の女性が乳がんと診断されるのは、わずか1%に過ぎません。

60歳代の男性では、46%に組織学的な前立腺がんの証拠があり、これは剖検調査の結果と一致しています。しかし、60〜70歳の男性における前立腺がんの有病率は、実は1%程度です。

これだけ多くの人ががんになるのに、なぜ致命的ながんになる人は少ないのでしょうか。それは、体内のほとんどのがん細胞は休眠状態であり、悪性腫瘍となるためには、さらなる成長とエネルギーが必要だからです。

血管が「制御不能」になることで起こる病気

平均的な成人の体内には6万マイルの血管があり、それは地球2周分に等しいです。これらの血管のほとんどは、母体の中にいる間に発達します。通常、成人の血管は、創傷治癒や組織修復を除いて、ほとんど変化しません。

また、女性の場合、血管が伸びる時期がいくつか決まっています。一つは、月経前、もう一つは、妊娠中です。

人間の体は、いつでも、どんな状況でも、自分で血管の数をバランスよく調整できるように、非常に繊細かつ精密に設計されています。傷が治るときなど、新しい血管を作る必要があるとき、体内では血管新生因子と呼ばれるタンパク質が分泌されます。これらは肥料として働き、血管を刺激して、新しい血管を作り出します。この新生血管の大きさや数は、決められた基準に従って作られるため、体が特定の血管を必要としなくなると、天然の血管新生阻害物質が放出され、血管を元の状態に戻します。

体は自分で血管のバランスをとり、数を調節することができます。(健康1+1/大紀元)

しかし、何らかの理由で、体は適切に十分な量の新生血管を生やすことができない時があるため、病気を起こしやすくなるのです。

動脈硬化、糖尿病性網膜症、乾癬(かんせん)、慢性炎症、そして癌など、数十種類にのぼると言われています。

がん細胞は血管からの栄養供給により、
致命的な腫瘍に成長する

血管新生は、がんの形成に深くつながっています。

がん細胞は血管新生因子を放出し、自分自身のために血液を作り出すことができます。
(健康1+1/大紀元)

その結果、新しい血管が成長中の腫瘍に酸素と栄養を常に供給し、腫瘍を大きくします。

血液が供給されないと、腫瘍は一定以上の大きさに成長したり、広がったりすることができません。その結果、科学者たちは、腫瘍の血管新生を阻害することができる血管新生阻害剤(抗血管新生剤)と呼ばれる一群の薬剤を開発しました。

現在の研究では、一部のがんにおいて、血管新生阻害剤は従来の化学療法や免疫療法などの他の治療法と組み合わせることで最も効果を発揮することが明らかになっています。
 

(つづく)

李路明