逆転の発想で糖尿を恐れるな

食べることでこそ治す糖尿病

 

【再掲載】

糖尿病について、とても異なる考え方を皆さんにお話したいと思います。また、糖尿病の予防や重要な飲食習慣なども併せて紹介していきます。

糖尿病は傷が治りにくい?  5つの方法で足を守る

糖尿病性足病変は、多くの糖尿病患者にとっての悪夢です。傷口が治らず潰瘍になることもあり、身体的にも精神的にも、とても辛いものです。そこで、傷口が早く癒える方法をご紹介します。

その1: 穀類とデンプン類が傷口の回復を早める

減量のためにデンプン類を避けている方々は、糖尿病にかかるリスクが高まります。長期間、米や麦、豆類を摂らないと、精神力がだんだんと弱まっていきます。

穀類は人体に必要なエネルギーを供給する(Sonulkaster / PIXTA)

デンプン類はエネルギー源となるため、人体には必要な栄養素です。糖質を含む食品を完全に避けると血糖値をコントロールできると思っている人もいるでしょう。確かに、糖尿病の初期段階であればデンプン類を減らすことで血糖値を下げることができます。しかし、5年、10年経っていくと、人体に必要なエネルギーが供給されなくなることで、傷口が癒えにくくなったり、内臓に瘻孔(ろうこう、英: fistula)とは、血管、腸、または他の管腔臓器間などで、体内と体外との間、2つの中空空間の間の異常な接続のこと)が生じて潰瘍になったりするのです。

ですから、糖質を摂らないのではなく、雑穀米やお粥に置き換えることで、体に栄養が行き届き、細胞の機能を回復するためのエネルギーが得られ、傷口が自然に癒えます。それに加えて、適度な運動をすることでより良い効果が得られます。

その2: 血糖値をコントロールする必殺技は、何よりも運動!

糖尿病患者の多くは、足に傷があるため、動きたがりません。しかし、運動しないと血液循環が弱くなるので、その結果、体力が低下し、体の自然修復機能も働かなくなるのです。血糖値の高い方は体を動かすことで、血液中の糖分をエネルギー源に変え、血糖値を抑えられるのです。

その3: 消炎薬は傷の回復の妨げに

消炎薬の使用を避けることをお勧めします。漢方の観点では、消炎薬は非常に冷えた薬物であり、人体はこれに常にさらされると、体温が低下し、細菌や菌が繁殖しやすくなります。そのため、傷口も治りにくくなるのです。

その4: 血糖値の下げすぎに要注意!

血糖値を一方的に下げ続けることも危険です。脳細胞にはエネルギーが必要で、それは血糖から供給されます。脳に必要なエネルギーが供給されないと、疲労やめまいなどの軽度の症状から、意識障害、失神、深刻な場合には死亡に至る重度の症状まで引き起こす可能性があります。

血液中の糖分が減りすぎると細胞が栄養を受け取れなくなり、細胞が死んでしまうかもしれません。また、侵入してきた細菌などに対しても、抵抗力が低下してしまいます。
血糖測定器の値だけを見て、自分が糖尿病だと思い、血糖値が少し高くなったからといって、糖分を控えるのはとても危険なことです。まずは医者に相談してみましょう。ほとんどの場合、糖尿病の兆候ではないことが多いです。

その5: 漢方の力で足の血管を活性化

糖尿病患者の皆さん、足が悪くなると本当に治らないと思っていませんか? 実は、漢方によると、末梢血管が壊死しても活性化させることができます。漢方には「活血化瘀(かっけつかお)」という治療法があり、四肢の末梢血管の悪化や切断後の悪化を抑えることができます。また、青あざができるのは、瘀血(おけつ:漢方で、停滞している状態の血液。古い血がとどこおること)があることを示しており、血管が破裂したか、あるいは血液がその部分に到達しなくなったために起こるのです。

漢方のいわゆる「活血化瘀」の薬は、青あざができる末梢血管を回復し、出血や皮下出血などを防ぐことができます。例えば桃紅四物湯(とうこうしもつとう)、牛膝(ごしつ)、杜仲(とちょう)、桂枝(けいし)、桑枝(そうし)などの効果が期待できるでしょう。

血糖値が高いことは病気ではない

症状は病気ではありません。例えば、高血圧は症状であり、病気ではありません。
緊張すると、アドレナリンが増えることや、病気になったときに薬を飲むと、時々血糖値が高くなることがあります。しかし、血糖値が高いからといって、それを糖尿病と見なされ、糖尿病として治療することは間違いです。

例えば、人が鼻水を出したり、咳をしたりしているとしても、それをただ単に鼻水や咳として治療するのではなく、漢方ではそれを肺の問題と見なします。肺を治すことで咳や喘息、鼻水なども治るという考え方です。
つまり、血圧値、血糖値は高いかが問題ではなく、その根本的な原因を見つけて治療することで、症状が完全に消えるのです。

糖尿病患者は甘いものが好きですが、適度に摂取していれば全く問題ありません。甘いものを食べ過ぎた場合は、運動してバランスを取りましょう。このように何も恐れることなく、健康に過ごしていきましょう。

(翻訳編集 劉龍)