豪で販売の魚介類、1割が名前を誤表記=調査

豪州のスーパーマーケットやレストランで販売されている魚介類の10%以上が、誤った名称で売られていることが、3日付の専門誌『サイエンティフィック・リポーツ(Scientific Reports)』に掲載された報告書で明らかになった。

豪州国内では現在、多くの種類の魚に含まれるオメガ3脂肪酸や他の栄養素で食生活を強化しようとする健康志向の人々が増加しているが、誤表記により健康を害する恐れがあると専門家は指摘する。

報告書によると、検査された672の魚介類のうち、12%は、魚のDNAがパッケージ、メニュー、または市場で表示されているものと一致しない、不当表示だったことが明らかになった。特にサメとフエダイは、他の魚種に置き換えられている可能性が最も高かった。

特定の魚種を名指しした商品は全体の4分の1しかなく、残りは「フレーク(サメ肉)」や「鯛」といった曖昧な包括的用語を使っていた。

研究の共著者である海洋科学者クリス・ウィルコックス氏は、誤った表示と並んで、曖昧な表示も深刻な問題だと指摘する。

「例えば、フレークとは正式にはグミーシャークを指すが、あらゆる種類のサメ肉を指す言葉として誤用されることが多い」

「また、誤表示されたフレークのうち15種類は、サメとは遠縁のエレファントフィッシュであった。ある例では、フィッシュ&チップスとして提供されていた魚が、実はイコクエイラクブカというサメだったこともあった」

このような誤った表示は、栄養価の低い魚介類、価値の低い魚介類であることや、あるいは潜在的な健康リスクがあることを隠して販売されていることが多い、と研究者たちは言う。

オーストラリア・ニュージーランド食品基準機関(FSANZ)によると、漁獲時や卸売時に魚が誤って識別されることがあり、それがサプライチェーンを通じてそのまま消費者まで続く可能性があるという。

「消費者は、信頼できる魚屋やレストランから魚介類を購入することをお勧めする。購入した魚に誤ったラベルが貼られていないか心配な場合は、まずその業者に問い合わせるべきだ」と、FSANZの広報担当者はエポックタイムズに語った。

米国でも誤表記

米国における誤表記の割合は、豪州と同様であり、対処すべき広範な問題を指摘している。

米国の消費者擁護団体によると、看板やラベル、メニューに書かれている魚の種類と実際に販売されている魚の種類が一致しない割合は18%だという。

消費者情報雑誌『コンシューマー・レポート』のキム・クレマン編集長は、「消費者は魚を買うときに実は騙されている」と指摘。

「意図的であろうとなかろうと、高価な魚介類が安価で健康に好ましくない魚にすり替えられると、消費者の財布にダメージを与える。また、水銀やその他の汚染物質を多く含む魚種を誤って食べることは、人々の健康を損なうのだ」とクレマン氏は言う。

「消費者がパッケージの表示を信頼できるようにするべきだ。他の製品ではそのようなことは認めないのだから、水産物でも認めるべきではない」とウィルコックス氏は付け加えた。

(翻訳・ 徳山忠之助)