免疫力高めるカボチャ なぜ秋に食べるとよいのか?

人々は疫病を恐れ、には肺を健康に保ちたいと考えています。肺を養うための鍵は、まずは、肝臓を調整しリラックスさせて、脾臓の機能を強化することですが、ありがたいことに、秋には自然がたくさんのカボチャを実らせてくれます。このカボチャは西洋医学的には強力な免疫増強物質であり、中国伝統医学的にも良い薬なのです。寒さや貪欲に損傷された脾臓と胃を修復し、肝臓の経絡を浚渫(しゅんせつ:川底をさらう)し、最後に肺に蓄積した熱と毒素を排出し、陽のエネルギー作り出し、それを腹部で受け取って、滋養強壮の役割を果たすのです。

 

食欲の秋の理由! 

肺を健康に保つと、肺が毛穴を収縮させ始め、体が汗をかきにくくなります。夏の陽気は、秋には地に潜り蓄えられて、冬の陽になるように、 肺が皮膚を司り、毛穴の開閉も肺が司ります。毛穴が開いた状態から多量の発汗、そして引き締めへと変化するにつれて、体の陽のエネルギーが徐々に体表からお腹へと下降していき、食欲が増したという変化を感じることができます。 これが日本では、「食欲の秋」と言われる所以でしょうか。
 

陽気が不足すると、胃酸の逆流や吐き気が起こり、嘔吐という現象が起こります(TY / PIXTA)

したがって、肺の気が人体を支配すると、人体の陽の気を取り込んで腹部に戻し、脾陽の気を強化して沈まないようにし、食欲を開き、蓄積したものを腹部に戻します。食べ物は下向きに消化され、胃酸は逆流しません。 これは、脾胃に大きな問題がない人は、秋になると自然に脾胃の機能が回復する現象です。

脾と胃の虛寒(きょうかん:疲労感、頭痛、消化不良)、肝気の低下、必ず肺の病気を患う

肝は木に属し、脾は土に属し、木は土を抑制するというもので、肝気と脾気はそれぞれの経絡に沿って上昇し、もし肝気が弱くなると、脾気も弱くなって、病気などの症状が現れます。下痢、鼓腸、腹水停滞などが起こります。 同時に、悪循環が発生し、脾の陽気が上昇せず、その結果、肝気のさらなる低下と悪化につながり、人体の経絡の停滞がますます深刻になるのです。

したがって、脾と胃が重度に損傷している場合、または通常弱くて冷えている人は、肝の気が影響を受け、肝の気が沈下し、体の経絡を浚渫(しゅんせつ:川底をさらう)して気と気の流れの遮断を解除する肝の機能が低下してしまうのです。

もしその時に冷気が毛穴に入り込むと、肺の熱により咳が出たり、風邪の複合症状も現れます。 肺の熱を取り除くだけでなく、体表の冷気を追い払い、同時に脾胃の調子を整えなければなりません。この状態は、優れた医学技術を持った名医がいないと治りにくいのです。

したがって、日常の健康管理では、脾と胃を保護し、冷たい食べ物や飲み物を減らし、毛穴が開いて汗をかくときに冷たいエアコンにさらされないようにする必要があります。 

カボチャは脾を強め、陽を温め、肝の気を浚渫!

そこでカボチャなのです。最新の研究では、カボチャには皮膚と爪の健康に良い亜鉛が豊富で、それに含まれる抗酸化物質のβ-カロテンには目の保護、心臓の保護、抗がん作用があることもわかっています。気と血の循環が改善されて、がん細胞が生成されにくいのです。

カボチャの皮に含まれるコバルトの量は野菜の中でトップに位置し、血行促進、新陳代謝、造血機能の強化に効果があります。コバルトは、膵島細胞(すいとうさいぼう: 膵臓にあってインシュリンを分泌する内分泌組織)に必要なビタミン B12 の合成にも関与しており、糖尿病の予防と治療、血糖値の低下に特別な効果があります。 カボチャの皮は緑と黄色で、脾と胃に入り、脾と胃を修復します。伝統中国医学と西洋医学は異なるレベルの問題をそれぞれに調べますが、結論は同じなのですね。

カボチャの果肉は黄色で、土のように甘く、温かく、脾と胃に入り、冷えた脾と陽の気を温めて栄養を与え、脾を強化し、胃を調和させ、調整する役割を果たします。カボチャは脾と胃の機能を回復し、肝の気を調整し、肺の気を正常にします。 もちろん、脾と胃が健康であれば、正常な消化機能により血糖値は自動的に補正されます。

白玉煕
文化面担当の編集者。中国の古典的な医療や漢方に深い見識があり、『黄帝内経』や『傷寒論』、『神農本草経』などの古文書を研究している。人体は小さな宇宙であるという中国古来の理論に基づき、漢方の奥深さをわかりやすく伝えている。