梨はこの部位を食べること! 抗がんケア、糖尿病効果が強い(1)

梨はこの部位を食べること! 抗がんケア、糖尿病効果が強い(1)

夏の末から初秋にかけて、梨は実って豊富ですね。皆に愛されているシンボル的な果物です。おいしいだけでなく、豊富な薬用特性を持ち、数千年にわたって食べ物や薬として広く使われてきました。では、現代の研究によると、梨を食べるとどんな効果があるのでしょう。がんを予防? 心臓にどんなメリット? なぜ2型糖尿病を予防できるのか。いったい梨のどの部位が栄養が一番多いのでしょうか。

梨は栄養が豊富で果物の皮の中に多くの栄養がある

梨(学名:Pyrus communis)は中国西部の天山山脈の麓に起源を持ち、バラ科植物に属しています。私たちの好きな果物、例えばリンゴ、スモモ、さくらんぼ、桃はすべてこれに属しているのです。梨は寒さに強いため、世界の多くの地域で通年収穫が可能で、現在では地球上のほとんどの大陸で栽培されています。

梨にはビタミンC、ビタミンK、銅、カリウム、マンガン、葉酸、マグネシウムなど多くの栄養素が含まれています。また、カロリーも非常に低く、中程度の大きさの梨(約178グラム)は約100カロリー、脂肪0.2グラム、タンパク質1グラム未満、炭水化物約27グラム、繊維約5.5グラムを含むのです。

梨には豊富な酸化防止剤が含まれており、これらの酸化防止は体内のラジカル(酸化)を効果的に除去し、DNAを損ないつつ老化を加速させる酸化ストレスの予防に役立ちます。

また、梨には多くの植物栄養素が含まれており、炎症を下げるフラボノイドが含まれています。このフラボノイドは、がん、糖尿病、心臓疾患、リウマチ性関節炎、アズハイマー症などの破壊的な疾患の予防や対策に密接に関連しています。

梨はポリフェノール(抗酸化作用が強く、動脈硬化やアレルギーの予防に役立つ)の優れた食品源でもあり、豊富なポリフェノールは私たちをがん、心血管疾患、神経退行性疾患から守るのに役立ちます。

世界には3000品種を超える梨がありますが、米国で商業栽培されているのは10品種だけです。どの品種も独特の色、風味、食感を持ち、人々に異なる味覚体験をもたらしています。梨に含まれる多くの植物栄養素や他の酸化防止剤は果物の皮の中に存在することが多いので、皮付きで梨を食べることは健康上のメリットを最大限に発揮する最善の方法です。

米国で一般的に市販されている梨には、バートレット梨(Bartlett)、アンペリナシ(緑と赤)(Anjou)、ボースク梨(Bosc)、アジアン梨(Asian)など約10品種が含まれます。
 

梨に含まれる多くの植物栄養素や他の酸化防止剤は、果物の皮の中に存在することが多い(TOYPOY / PIXTA)

梨の3つの強力な効果

梨は栄養が豊富で、人体に少なくとも3つの効果があることが実証されています。

効果1.抗がん効果に富む

梨にはアントシアニンを含む、がん防止化合物が含まれています。「英国薬理学雑誌」の総説によると、アントシアニンは水溶性フラボノイドであり、心血管疾患の予防、肥満の制御、抗腫瘍活性を含む多種の薬理学的効果を有しています。

また、梨にはクロロゲン酸も含まれており、この化合物は抗がん活性を持っています。クロロゲン酸は、細胞周期を抑制し、アポトーシス(正常細胞死)を誘導し、がん細胞の増殖を抑制することによって抗がん作用を発揮することができます。

もし食事に梨を含む果物が十分にあれば、私たちをいくつかのがん、特に肺と胃のがんから守るのに役立ちます。

1つのメタ分析(トピックに関する実験論文を集めてきて、それらをさらに分析すること)は果物と野菜の摂取量と肺がんリスクの間の関連を研究し、果物の摂取を増やすことは喫煙者の肺がんリスクを下げるのに役立つことを発見しました。著者は、これらの研究が、人々の食事を通じて肺がんを予防するために、公共衛生の面でかなり重要な意義があると結論付けました。

別の25の研究データを集約分析し、果物と野菜の摂取と胃がんリスクの関連を検討しました。その結果、果物を多く摂取した人は胃がんになるリスクが低いことも分かりました。

梨のようなフラボノイドが豊富な果物は、乳がん、卵巣がん、子宮内膜がん、甲状腺がん、前立腺がん、睾丸がんなど、ホルモンに関連するさまざまながんに対して防護作用を持つと指摘する研究もあります。系統的な評論とメタ分析によると、フラボノイドを豊富に含む食品、例えば梨の摂取を増やすことで、乳がん、卵巣がん、子宮内膜がんのリスクを下げることができると言えるでしょう。
 

梨にはがん防止化合物が含まれており、図は氷砂糖による梨の煮込み(ゴンアン/大紀元)

(つづく)
 

エポックタイムズ のヘルスライター、鍼灸医。担当は東洋医学、栄養学、トラウマ、ライフスタイル医学など。過去10年にわたり複数の出版物で健康に関する幅広い執筆経験を持つ。