【二十四節気】一年の健康は冬から始まる。 腎を養い、精を保つ。(上)

立冬の季節は、何か重要な出来事があるのでしょうか? 宋代の書『東京夢華録』によれば、皇宮の内部から一般の人々まで、立冬の時期は食料備蓄や冬の準備で忙しく、交通量が増え馬車とラクダは冬の食料で満載になり、道路は渋滞し、立冬の景色が形成されたと言います。

立冬は毎年11月7日または8日に位置し、旧暦の「十月の節」で、四季の中の「四立」の1つで、冬の始まりを示します。天と人が一体となる精神的な意味から見れば、冬を乗り切るにはどのように過ごすべきでしょうか?『周髀算経』によれば、「四立者、生、長、收、藏之始」とあり、「立冬」の精神は閉じ込め、蓄えることにあると述べているのです。

立冬の意味は、社会と人文学にも関連しており、功績のある国士の称賛や、孤児への援助、命を追悼し、報い、感謝する人道的な考え方に対応しています。周代の『礼記‧月令』には「冬の始まりの日、皇帝は直々に、三人の皇子、九人の大臣、役人に、北の郊外で冬を迎え、反乱を撃退し、死者に褒美を与え、孤児と未亡人に同情を示すよう命じた」とあり、これがその精神を示しています。立冬の意味は、私たちの体にも関連しており、体を隠し、精力を蓄えることを始める指標であると言えます。

立冬の健康習慣と避けるべきこと

黄帝内経素門』によれば、冬季の3か月間は「閉じこもる」べきであり、この指針に反すると、生命の気に大きな損傷を与える可能性があります。では、どのようにすればよいのでしょうか?

以下、『黄帝内経素門』のガイドラインを総合し、参考となる情報を提供します。

1. 日常生活

早寝遅起き
『黄帝内経』によれば、冬季は早く寝て、太陽の光が地に当たり、陽気が温まるまで起床を遅らせるべきです。十分な質の高い睡眠は、心身を保護し、修復します。

寒さを避けて温かく
寒さから身体を守り、寒風や冷たい空気に身をさらさないように注意しましょう。軽くて暖かい服を着用し、手足や頭部の保温を忘れずに行いましょう。マフラーや帽子、手袋、暖かい靴下を着用し、暖かさをキープしましょう。

起床時は温かく保つ
  寝る前にトイレに行くときも暖かくするのを忘れずに。朝、ベッドで目を覚ましたら、まず両手をこすり、手と顔を温め、ベッドから起き上がる前に温かい水を飲みましょう。体温が回復するのを待ってから外で活動し、心臓血管の収縮による心筋梗塞を避けましょう。

『黄帝内経』は、早寝遅起き、朝日を浴びながら一日を過ごすという冬の習慣を思い出させてくれる (ばりろく / PIXTA)

2. 精神のケア

心を内に向け、思い悩まず
『内経』によれば「春夏に陽を養い、秋冬に陰を養う」冬の季節は腎気を補い、精気を養うため、逆行すれば命の根幹に損傷を与えるかもしれません。

無理をしない、陽気を乱さない
冬の時期は、ストレスをかけず無理をせず気を乱さないことで、冬の多発する心血管系疾患の危険を減らします。

3. 運動と健康

穏やかな運動、水分を失わないように
冬は激しい運動を行わず、微量の汗をかく程度の運動が適しており、体の水分を失わないようにしましょう。穏やかなウォーミングアップ運動が好ましく、競争的な運動は心理的なストレスをもたらすため避けましょう。昼に運動し、太陽を浴びることで陽気を吸収すると良いです。

足湯で腎を補い、寒さを追い払い身体を温める
中医師によると、足湯は腎を補う有効な方法であり、長期にわたり健康効果があります。特に体が冷えやすい人、毎朝足湯に浸かることで体を温め、一日を快適に過ごすことができます。具体的な方法:足首以下を約42度のお湯に15分間程度浸してください。

朝食をとりながら足湯を楽しむこともできます。短時間であっても、継続的に足湯を行うことで効果があります。洗面器や浴槽を使用します。
 

ぬるま湯で定期的に「足浴」をすると、腎臓の調子を整えることができる (mapo / PIXTA)

(つづく)
 

容乃加