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体外受精に頼らずに妊娠力を取り戻す

■解説

ますます多くの夫婦が不妊に悩み、妊娠できないでいます。世界保健機関(WHO)によれば、世界では約6人に1人が不妊の影響を受けているとされています。アメリカでは、疾病予防管理センター(CDC)によると、49歳以下の子どものいない既婚女性のうち、1年間妊娠を試みてもできない人が19%に上るといいます。

多くの人が体外受精(IVF)に頼っています。これは、精子と卵子を研究室で受精させて胚を作り、その後、作られた胚の1つまたは複数を母体に移植するという医療的なプロセスです。

しかし、もし別の方法があったとしたら?

5月22日、ミシシッピ州選出のシンディ・ハイド=スミス上院議員(共和党)とオクラホマ州選出のジェームズ・ランクフォード上院議員(共和党)は、「最適な回復を通じた生殖の力と支援(RESTORE)法案」を提出しました。「RESTORE法案が推進する全人的な出産政策は、不妊の根本原因の治療を目指している。不妊の多くは慢性的な健康状態や環境要因に起因しており、これらはドナルド・トランプ大統領のMAHA(Make America Healthy Again=アメリカを再び健康にする)運動の焦点でもある」と、ハイド=スミス議員は声明で述べました。

ある特定の症状が治療されれば、自然に妊娠できる可能性のある夫婦は多く、子どもを持つために必ずしも体外受精を必要としないかもしれません。しかし、現在の医療制度は、体外受精を始めるのではなく根本原因を治療しようとする夫婦にとって理想的とは言えません。

マリーとジョセフ・ミーニー夫妻の物語を見てみましょう。彼らは9年間不妊に悩んだ末、娘のテレーズを授かりました。

「結婚して間もなく、私たちは思い描いていたように赤ちゃんがやって来ないことに気づき、打ちのめされました。子どものいない人生がこの先ずっと続くのかと思うと、それは終わりのない悲しみのように感じられました」とミーニー夫妻は、3月にヘリテージ財団が発表した報告書『不妊治療:生殖医療の新たなフロンティア』の中で述べています。

最終的に、体外受精に対して倫理的な異議を抱いていたミーニー夫妻は、「ナチュラル・プロクリエイティブ・テクノロジー(一般に“ナプロテクノロジー”と呼ばれる)」による治療を受けることに決めました。夫妻はバージニア州の自宅からネブラスカ州オマハまで足を運び、ナプロテクノロジーの創始者であるトーマス・ヒルガース医師のもとを訪ねました。

「ヒルガース医師によるさまざまな治療法は、体外受精よりもはるかに高い成功率を示しています(排卵障害の場合は81.9%、子宮内膜症では56.7%、卵管閉塞では38.4%)。にもかかわらず、多くの婦人科医は不妊に悩むカップルに対するこの選択肢をまったく知らないままです。」とミーニー夫妻は書いています。

ナプロ治療は、必ずしも簡単な解決策ではありません。ミーニー夫妻は、手術や、マリーの月経周期と症状の綿密な記録、さらには子宮内膜症の組織を治療するための専門的なマッサージなど、さまざまな治療を受けたと述べています。

しかし、道徳的または経済的な理由で体外受精を避けたいと考えるミーニー夫妻のようなアメリカ人が、別の州まで飛行機で行かなくてもこのような治療を受けられる方法があってもよいのではないでしょうか?

RESTORE法案は、生殖の健康状態や不妊の治療についてさらに学びたいと考える医療専門家に対して、リソースと研修を提供するものです。

また、米国民が「回復的生殖医療」つまり、不妊の根本原因を特定し、治療することで妊娠を目指す医療にどれほどアクセスできているかを調査するよう、保健福祉省に指示する内容も含まれています。

昨年、ロバート・F・ケネディ厚生長官は、不妊に悩む人がこれほど多い理由を探ることへの支持を示しました。

「私たちは、出生率の著しい低下について調査を行う」と、ケネディ氏は昨年9月にXに投稿しました。「グリホサート(除草剤)、BPA(環境ホルモン)、重金属、環境エストロゲン、外因性内分泌かく乱化学物質などが関与しているとされる研究を評価する。栄養面の要因についても調べていく」

さらに彼はこう付け加えました。

「なぜ精子の数が年々減少しているのか?  なぜ女の子がこんなに早く思春期を迎えるのか?  なぜこれほど多くのカップルが不妊なのか?  アメリカ国民にはその答えを知る権利がある。私たちは必ずその答えを提供する」

トランプ大統領が医務総監に指名したケイシー・ミーンズ医師も、不妊危機への対応について疑問を投げかけています。

彼女が兄のキャリー・ミーンズと共著で執筆した著書『GOOD ENERGY [1]』の中で、ミーンズ医師は、多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)が女性の不妊の原因となることが多いものの、その症候群の治療に焦点が当てられていないことを指摘しており、代わりに、医療従事者は患者に体外受精を勧めていると述べています。

「これらの侵襲的な治療法(生殖補助医療)を選ぶ女性のうち、非常に少数しか、自身の不妊の根本的な原因やそれをどうやって改善できるかを医師から知らされていない」と彼女は書いています。

ミーンズ医師はまた、男性も不妊の危機に直面していることに言及しており、無精子症のリスクが高まるとされる肥満が、その一因である可能性があると指摘しています。

「データを総合的に評価すると、現代の食生活やライフスタイルが、『悪いエネルギー』を通じて人類の生殖能力を部分的に奪っているように見受けられます」と彼女は結論づけています。

現在、多くのアメリカの夫婦が子どもを望んでも授かることができません。それは個人的な危機ではなく、特に出生率が代替率を下回っている時代においては、なおさらです。明らかに、現状のやり方は多くの夫婦にとってうまく機能していません。MAHA運動に、新たな希望の選択肢を夫婦に提供するチャンスを与えましょう。
 

[1]GOOD ENERGY(グッドエナジー) セルフケアでつくる最強の「代謝力」日本能率協会マネジメントセンター 

本記事はヘリテージ財団の出版物『デイリー・シグナル』の許可を得て転載しています。

(翻訳編集 大林としえ)

カトリーナ・トリンコは、The Daily Signal のディレクター兼編集長であり、The Daily Signal Podcast の共同ホストです。