【ニュースレターが届かない場合】無料会員の方でニュースレターが届いていないというケースが一部で発生しております。
届いていない方は、ニュースレター配信の再登録を致しますので、お手数ですがこちらのリンクからご連絡ください。
急がない力

急ぐ必要なんてない! ゆっくりするべき6つの理由

友人に「最近どう?」と聞くと、多くの場合返ってくる答えは「忙しいよ!」ではないでしょうか。ほとんどの人は予定帳をびっしり埋め、やるべきことに追われて一日を過ごしています。そのため、予定が少しでも狂うと混乱し、一日全体がストレスに溢れてしまうのです。

私たちがこんなにも忙しくしている理由はさまざまです。中には、静かな午後の時間を穏やかに過ごすことに慣れていないために、立ち止まることを避けている人もいます。ですが多くの場合、私たちは「何をするか」に自分の価値があると刷り込まれていて、「何者であるか」を大切にすることを忘れてしまっているのではないでしょうか。

私は「自分が何者であるか」という問いにもっとも関心があります。忙しさに追われていると、効率性よりも高い価値を優先するのが難しくなり、「どんな人間になりたいか」を考える余裕すら失ってしまいます。

だからこそ、「意図的に生きる」には、ある程度の「ゆとり」や「ゆっくりとしたリズム(生活の流れ)」が必要だと私は考えています。急ぐことをやめる理由は他にもたくさんあります。どれも、人生に価値を加えてくれるのです。特に、毎日があっという間に過ぎていくように感じる人には、意識して立ち止まることが大切です。
 

ゆっくり生きるべき6つの理由

1. ストレスを軽減

急いで行動していると、身体はストレスを感じます。たとえば、遅刻しそうなときには集中力を高めて素早く動くことが必要ですが、これが常態化すると身体に悪影響を及ぼします。逆に意識的にペースを落とすと、身体のストレス反応が和らぎます。今晩、皿洗いや部屋の片付けをあえて急がず、「時間が無限にある」と思いながらやってみてください。不思議と心が落ち着き、リラックスした気分になります。

2. 小さな喜びに気づける

ゆっくりした生活を数日続けると、今まで見過ごしていた喜びに気づくようになります。静かでさりげない、でも心にしみるような喜びは、忙しい心にはなかなか届きません。たとえば、車に向かう途中で頬にあたる太陽の温かさ、学校に子どもを迎えに行ったときの愛しさ、思い出に浸るひとときの贅沢さ——こうした「小さな幸せ」は、スピードを落とすことで初めて現れてくるのです。

3. 人間関係が深まる

人間関係は急いで築けるものではありません。私のこれまでの友情はすべて、ゆっくりと時間をかけて相手を知り、共に過ごすことから生まれました。近道は存在しません。急いでいると、物事を効率よく進める「実用的な思考(プラグマティズム)」に陥りがちで、「この人は自分の役に立つか」などと考えてしまいます。しかし、ゆっくりした心の状態では、好奇心や受け入れる気持ちが生まれ、人とつながるのに理想的な精神状態になるのです。

4. 新しい「生産性」に気づける

多くの人が急いでいるのは、やることをすべて終わらせたいからです。しかし実際には予定時間を超えてしまうことが多くありませんか? ゆっくりとした生活は、違った意味での「生産性」に気づかせてくれます。それは、「何が本当に大切か」を見極める力です。本当に大切なものを見つけたら、不要なことを減らして、それに集中することができるようになります。時間をうまく使うという意味での「生産性」を考えるなら、やることを増やすより、余計なことを減らす方が価値があるのです。

5. 健康や睡眠が改善される

急いでいるとストレスがたまるという話は先ほどしました。これは多くの人が実感として知っていることです。ストレスは頭痛や胃の不調、風邪をひきやすくなるなど、身体に悪影響を与えます。しかしゆっくりとした呼吸を数回するだけで、副交感神経(ストレスを鎮める神経)が働き始め、心拍数が落ち着き、自然な健康バランスが整い、ぐっすり眠ることにもつながるのです。

6. 自分の本当の価値観とつながれる

家の中を走り回ったり、仕事で火消しに追われているとき、自分が「闘争・逃走モード(緊急時の身体の反応)」になっているのを感じます。立ち止まって考える時間はほとんどなく、ただ目の前の問題に対処するだけです。それが日常になってしまうと、自分の人生を受け身で生きてしまうことになります。ゆっくり過ごす時間を持つことで、「自分は何のために生きているのか」「何を大切にしているのか」といった、人生の根本を思い出す余裕を心に作ることができます。

(翻訳編集 井田千景)

妻の MollieとともにThis Evergreen Homeでブログを運営し、現代社会でシンプルに、意図的に、そして人間関係を大切にして暮らす経験を共有。