人類の歴史が近代に入って以降、奇妙な病気がますます増加している。現代医学は発達しているとはいえ、それにも限界があり、根本的な原因を突き止められないケースも多い。
「特異な能力」を持つ人の中には、病気の奥深い原因を見通すことができる者もおり、多くの病の原因が現世ではなく、過ぎ去った世にあると指摘する。そのため医学では解明できず、病院でも治療できない場合があるという。アメリカの「眠れる予言者」エドガー・ケイシー(1877〜1945)は、累世の因縁を見通す能力を持っていたとされるが、彼はどのように病の原因を読み解いたのだろうか。
ケイシーは一生の中で、「眠った状態」に入ることで14306件の事例を読み解いた。その多くは妻が質問し、秘書が記録したものである。彼は「病は因果応報から来る」と考え、まさに報いは避けられないとした。中国の古い言葉に「神の目は稲妻のごとし(人の行いはすべて見られている)」とあるように、善を行えば善報があり、悪を行えば悪報がある。ケイシーの事例でも、人が悪事を働けば悪い報いを受けることが確認されており、その報いは来世だけでなく、数千年後に現れる場合もあるとされる。例えば、ローマ時代に犯した罪が、20世紀の人生でなお清算されているケースが見られた。
ケイシーの事例
ローマ帝国による信徒迫害の歴史的背景を簡単に説明すると、西暦37年から68年の間、暴君ネロ帝が現れ、キリスト教徒を激しく迫害した。ネロ帝は無実の信徒を競技場に投げ入れてライオンに襲わせたり、火あぶりにするなどの残酷な行為が行われた。ネロ帝の死後も迫害は200年以上続いた。やがてローマ帝国は幾度もの大疫病の流行によって滅亡し、そのたびに数百万人規模の死者を出した。これは堕落した暴政が天罰を受けた歴史の証ともされている。そして当時、暴政に加担し道徳を失った人々は、輪廻転生の中で自らの罪業を償い続けているとされる。
1.脊椎麻痺の青年
ある青年は16歳の時に交通事故で脊椎を損傷し、第5腰椎から下が麻痺して感覚を完全に失った。彼は車椅子生活を余儀なくされ、治療やリハビリも効果がなかった。母親がケイシーに依頼して前世を読み解いてもらったところ、彼はローマ帝国時代、キリスト教徒迫害に関わる兵士だったとされる。当時、彼は苦しむ人々に同情せず、嘲笑し、迫害にも関与していた。このような他者の苦しみに対する無関心が、今生での感覚喪失という形で現れたという。
2.中年で麻痺した女性
ある女性は36歳でポリオ(小児麻痺)により歩行不能となり、その後は車椅子生活を送ることになった。あらゆる治療も効果がなかった。ケイシーの解読によれば、彼女はネロ時代の王族の一員であり、迫害される信徒に同情せず、競技場で傷つき倒れる人々を嘲笑していた。この残酷な態度が、今生で歩けない苦しみとして現れたとされた。
3.股関節結核の少女
別の少女もローマ時代の貴族女性として生きていたとされ、今生では重度の股関節結核に苦しんでいた。前世では競技場で信徒の苦しみを見て楽しみ、若い女性がライオンに引き裂かれる様子を見て笑っていたという。直接手を下していなくても、他人の苦しみを楽しむ心の残酷さが、今生の病として現れたとされた。
4.足の不自由な映画プロデューサー
ある映画プロデューサーは17歳でポリオにかかり、片足が萎縮して歩行に障害を負った。前世ではローマ時代の兵士で、無抵抗のキリスト教徒を弾圧する任務に従事していた。しかも単なる命令ではなく、ある種の使命感を持って行っていたとされる。この行為が今生での行動の制限として現れたとされた。
結び
人が人生で遭遇する不幸は一見突然のように見えるが、実際にはすべて原因があるとされる。たとえその原因が二千年前に生じたものであっても、償いが終わらない限り、苦しみは続く。人が道徳に反する行為をすれば悪業が積み重なり、それは輪廻転生の中で苦しみを通じて償われる必要がある。ケイシーは、こうした苦しみを和らげるために「精神的修養」や「心の調整」によって因果を転化することを勧めている。
資料:
・ジーナ・サーミナラ『Many Mansions: The Edgar Cayce Story of Reincarnation』
・『エドガー・ケイシー・リーディングス』原資料(A.R.E.図書館所蔵)
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