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グラウンディング:大地とつながる健康習慣——期待される14の効果

必携シリーズ  第 8 話

もし、裸足で歩くだけで、私たちの気分や機能に劇的な変化をもたらすとしたらどうでしょう?

人生のより多くの時間を、室内で、靴を履いて、機器の前で過ごすようになった今、グラウンディング(「ビタミンG」とも呼ばれます)が、関心を集める領域として浮かび上がってきています。しかし、グラウンディングそのものは新しいものではありません。何千年ものあいだ、人々は地球と親密な関係を保ってきました。近年になって、研究者たちは、グラウンディングがさまざまな健康上の利益をもたらすかどうかを探り始めています。
 

実践すると、体に何が起きるのか

アーシングとも呼ばれるグラウンディングは、人の体を地球と再びつなぐ実践です。人類の歴史の大部分において、人々は裸足で歩き、地面で眠り、動物の皮を履物として身につけることで、ほぼ常に地面と接触していました。現代のゴム底の靴や、断熱された建物は、その接触を大きく減らしてしまいました。

グラウンディングの背後にある中心的な仮説は、地球の表面と直接触れ合うことで、体が地球本来の電気的な環境と相互作用する、というものです。地面に触れることで、体の電位が地球の電位と釣り合うようになり、細胞や組織、臓器を取り巻く電気的な環境が安定する助けになると考えられています。

提案されている仕組みの一つはこうです。地球の表面からやってきた電子が体の中に入り、活性酸素種(ROS、蓄積すると細胞を傷つけてしまう、不安定で酸素を含んだ分子)を中和するのではないか、というものです。ROSは通常の状態でもつくられますが、けがをしたときや感染が起きたときには急激に増えます。これは、好中球やマクロファージといった免疫細胞が、病原体と戦うためにROSを一気に放出するためです。短期的には役立つものですが、ROSが長期間にわたって高いままだと、慢性的な炎症の一因になり得ます。そして、それが時間とともに、特定の慢性疾患につながってしまうこともあります。

地球からの電子は、皮膚や腱など、体のさまざまな組織を貫いて走る結合組織、すなわちコラーゲンの網を伝わり、けがをした部位の近くにある、反応性の高いフリーラジカルにまで届いて、これを中和する。そう考える研究者もいます。この過程が、傷の治りを助け、慢性疾患を未然に防ぐことにもつながるかもしれない、というのが彼らの理論です。

また、足が地面に触れると、さまざまな感覚の情報が拾われ、神経系が刺激されます。ある研究では、裸足で歩く人は、ストレスに関連する脳波の活動が目立って少なく、心を落ち着かせる脳波の活動がより多く見られることが分かりました。

これよりもまだ検証の進んでいない仮説として、グラウンディングが体の生体電気の状態や、自律神経系の働きの一部に影響を与えている可能性も指摘されています。ここでいう自律神経系の働きには心拍変動も含まれます。心拍変動とは、体が「戦うか逃げるか」というモードと、「休息し消化する」というモードのあいだを、どれだけうまく切り替えられているかを示す指標です。
 

どのような健康上の利益があるのか

予備的な研究からは、グラウンディングが睡眠の質や睡眠時間を改善し、睡眠の乱れやストレス、疲労を減らす可能性が示唆されています。

  • より良い睡眠:2025年に行われたパイロット研究では、56人の参加者が31日以上にわたり、1日6時間、グラウンディング用のマット、あるいは効果のない見せかけのマットのどちらかを使いました。グラウンディングを行ったグループは、より良い睡眠の質、より少ない不眠の症状、日中の眠気の軽減、ストレスの低下、そして総睡眠時間の増加を報告しました。
     
  • 自律機能の向上:「足は、地面との主要な接点であり、神経系にとって情報の主な供給源なのです」と、カイロプラクターのマーク・モーニングスター氏はエポックタイムズに語りました。2017年に行われた、新生児集中治療室にいる乳児26人を対象とした研究では、皮膚に貼った小さな導電性の電極パッチを使って乳児を地面に電気的につなぐと、皮膚の電圧が約95%減少し、迷走神経の緊張度(心拍変動を構成する要素の一つ)を示す指標が67%増加したことが分かりました。研究者たちは、こうした電気的なグラウンディングによって、早産児のストレスへの回復力が高まる可能性があると示唆していますが、さらなる研究が必要だとしています。
     
  • 気分の改善:40人を対象にした2015年のパイロット研究では、1時間のグラウンディングによって前向きな気分が改善した一方、効果のない見せかけのグラウンディングを行ったグループには変化が見られませんでした。これは、単なるリラックス効果だけでは説明できない何かがあることを示唆しています。
     
  • 痛みの軽減:2018年に行われた小規模な研究では、痛みや疲労、抑うつの症状があった16人のマッサージセラピストが、6週間のグラウンディングを行ったあと、この3つすべてにおいて改善を報告しました。あわせて、身体機能やエネルギーの改善も見られ、その一部は研究終了の1カ月後にも持続していました。
     
  • 血流の改善:2012年の総説では、グラウンディングが炎症を抑え、赤血球が固まり合う傾向を減らし、血液の粘り気を下げることで、より健やかな血流を支える可能性があると示唆されています。
     
  • 運動後の回復の促進:グラウンディングシートを使用した健康な成人を対象とする2019年の研究では、運動後の筋肉痛や筋肉の損傷、炎症反応が軽減する可能性が示されました。
     
  • 筋肉の損傷の軽減:2015年の研究では、健康な若い男性32人がハーフニーベンドを200回行ったあと、2日間にわたり、1日4時間、グラウンディングまたは見せかけのグラウンディングを受けました。グラウンディングを行ったグループでは、筋肉の損傷を示す指標であるクレアチンキナーゼの上昇が、より小さく抑えられていました。
     
  • 創傷の治癒:予備的な研究では、筋肉の損傷のあとに感じる痛みの軽減や、免疫細胞の数、炎症の指標の変化が、グラウンディングと関連づけられています。

グラウンディングは、血液の粘度、心拍変動、血圧にも影響を与える可能性があります。

  • 血液の粘り気の軽減:健康な成人10人を対象にした2013年の小規模な研究では、2時間のグラウンディングによって、赤血球の持つ電荷が増え、赤血球同士が固まり合う傾向が大きく減ったことが分かりました。著者たちは、これが血液の粘度の低下や、心血管系のリスクの低下につながる可能性があると結びつけています。
     
  • 心拍変動:27人の参加者を対象とした2011年の研究では、グラウンディングが、ただリラックスするだけの場合よりも心拍変動を改善したことが分かり、自律神経系や心血管系の機能への好ましい影響が示唆されました。
     
  • 血圧の低下:2025年の研究では、高血圧のある高齢者32人が、3週間にわたり週3回、1回30分のグラウンディングを行ったところ、収縮期血圧で平均7.81mmHg、拡張期血圧で平均2.66mmHgの低下が見られました。これは、心血管系にかかる負荷が小さくなったことを示唆しています。ただし、この研究には対照群が設けられていないため、ここで示されているのはあくまで関連性であり、因果関係を証明するものではありません。
     
  • 感覚処理の向上:神経科学者のラモン・ベラスケス氏はエポックタイムズに、裸足で歩くことで、神経系が圧力や関節の位置、バランスを絶えず把握し続けることになる、と語りました。「靴は通常、そうした情報の多くを弱めてしまいます」とベラスケス氏はメールで述べています。「1日の大半を、画面の前や椅子の上、変化の少ない環境で過ごしている人にとって、裸足で動くことは、下半身から脳へと向かう、普段とは比べものにならないほど密な感覚情報の流れを生み出します。それは、ともすれば考え込むことに占領されがちな注意のリソースと、取り合うことになるのです」
     
  • 認知機能の向上:思春期の少年59人を対象とした2024年の研究では、スニーカーを履いて歩いた場合と比べ、裸足で歩いた場合のほうが、認知処理の速さや集中力、脳波活動に良い変化が見られました。ただし、この研究では、地球との電気的な接触そのものが原因であると切り分けられているわけではありません。
     
  • 足の筋力の向上:裸足、あるいはミニマリストシューズを履いて運動すると、足にかかる物理的な負荷や筋肉の使用量が増えることで、足が鍛えられる可能性があります。健康な成人および運動習慣のある成人、あわせて213人を対象とした7件の研究をまとめた2025年の系統的総説では、足の筋肉の発達、アーチの機能、足指を曲げる筋肉の力、神経と筋肉の連携において、改善が見られる可能性が示されました。ただし、これらの効果は裸足での運動や訓練そのものによるものであり、グラウンディングが持つとされる電気的な効果の証拠として解釈すべきではありません。

中医学のような古くからの実践には、グラウンディングに対する独自の見方があります。エポックタイムズの寄稿者であり、認定中医学施術者で、イギリス・ケンブリッジにあるドクター・ロン中医クリニックの所長を務めるシュウ・ロン氏は、エポックタイムズに対し、中医学では「人間は天地の気(生命エネルギー)から生まれる」と考えられており、人は環境から切り離された存在ではないと語りました。グラウンディングは、人々が自然と再びつながることを可能にしてくれるといいます。

シュウ氏によれば、足は特に重要な部位だといいます。いくつもの経絡が足を通っており、「湧泉(ゆうせん)」と呼ばれるツボの一つは、昂ぶった、あるいは上へ向かおうとする活動を下へ引き下げ、心を落ち着かせる目的で、伝統的に使われてきました。そのため、グラウンディングは足の裏や経絡、下肢を刺激することを通じて、健康を整え、心を落ち着かせると考えられているのです。

さまざまな研究が、グラウンディングそのものに独自の利益があることを示している一方で、研究という観点から見たとき、皮膚と地球が触れ合うことによる効果を、日光や新鮮な空気、体を動かすこと、あるいは単に自然の中で過ごすことの効果から切り分けるのは難しい、と指摘する研究者もいます。2022年の統合的な総説では、グラウンディングに関する研究の多くが、数多くの交絡因子の影響を受けていることが分かり、結論を下す前に、より大規模で質の高いランダム化比較試験が必要だと訴えています。

25年間、毎日アーシングを実践してきたという統合精神科医のトレイシー・ラッツ医師は、エポックタイムズに対し、景色や色彩、くつろいだ感覚といった自然そのものが持つ効果は、「アーシングとは異なる仕組みで働く」と語りました。つまり、この二つが同じように働くと決めてかかるべきではない、ということです。
 

どのように実践できるのか

実際には、グラウンディングは次のような形をとります。

  • 草、砂、土、泥の上を裸足で歩くこと
     
  • 草や砂の上など、地面に直接横たわること
     
  • 海や川、湖といった自然の水辺で泳いだり、水の中を歩いたりすること
     
  • 屋外で直接触れることが難しい場合には、マットやシーツ、靴下、パッチ、毛布といったグラウンディング用品を使うこと

日々の暮らしにグラウンディングを取り入れたいという人にとって、これは必ずしも、ウェルネスのチェックリストにまた一つ項目が増える、というようなものである必要はありません。何気なく草や土の上を歩くといった、地球と触れ合う日常のちょっとした瞬間も、屋外で過ごしながらグラウンディングを実践する機会になり得ます。

統合カウンセラーであり、神経系の調整を専門とするサンドラ・ネイサン氏は、エポックタイムズに対し、草や砂の上で過ごすわずか5分、あるいは10分でさえ、ペースを落とすためのすてきな機会になり得ると語りました。

三つの専門医資格を持つ産婦人科医、アンナ・カベカ医師は、まず週に数回、10〜15分ほど、草や砂、土の上を裸足で歩くことから始めるよう勧めています。

「自分がどう感じるかに注意を向けてみてください。よく眠れるようになったか、気持ちが落ち着くようになったか、体の不調に何か変化はないか、といったことにです」と、カベカ医師は述べています。

より本格的に取り組みたい場合には、徐々に時間を積み重ねていくのがよいと、ラッツ医師は勧めています。「アーシング、つまりグラウンディングとは、十分に水分を摂った状態の人が、素肌を直接、あるいは何かを介して間接的に、地球の表面と、1日に少なくとも50分はつなげておく、という実践です」

間接的なグラウンディングには、グラウンディング用のシーツやマットを使う方法があります。

炭素や銀、ステンレス鋼といった、導電性のある繊維で織られたシーツやマットを選びます。

そのシーツやマットを、コードを使って壁のコンセントの接地端子につなぐか、必要であれば地面に打ち込んだ接地用の杭につなぎます。

シーツはベッドの上に、マットは机の下に敷き、コードをつないでコンセントに差し込みます。

3本プラグのコンセントの中には、きちんと接地されていないものもあるため、まずはコンセントテスターで確認するとよいでしょう。

こうした製品そのものを直接支持する証拠は、地球に直接触れることの効果を示す証拠に比べると、まだかなり限られています。健康な参加者22人を対象とした2019年の研究では、激しい下り坂のランニングのあと、10日間グラウンディングシートの上で眠った人たちは、効果のない見せかけのシートを使ったグループと比べて、筋肉痛が少なく、身体的なパフォーマンスも良く、クレアチンキナーゼの値も低いことが分かりました。

グラウンディング用品の効果をめぐる大きな懸念の一つは、時間が経っても導電性が保たれるかどうかという点です。銀の繊維は酸化が進み、見た目には摩耗した様子がなくても、徐々に導電性が失われていくことがあります。一方、ステンレス鋼の繊維は、酸化に対してより強い耐性を持っています。しかし、メーカー側は、長期間使用したあとや、洗濯後の導電性に関するデータを公表していないようで、消費者が製品の性能を時間の経過とともに確認するのは難しいのが実情です。
 

グラウンディングには、どのようなリスクがあるのか

グラウンディングは、ほとんどの人にとって低リスクな実践ですが、いくつかの人や状況については注意が必要です。

  • 屋外での接触:地面に直接触れることには、切り傷、やけど、虫刺され、花粉などのアレルゲン、汚染された土や水、農薬、鋭利なものといった、屋外特有のリスクが伴います。妊娠中に直接アーシングを行う場合は、特に注意してください。土への接触には、汚染物質や感染性の微生物が含まれている可能性があるためです。
     
  • グラウンディング用品:グラウンディング用のマットやシーツ、その他の製品は、電気的なリスクを最小限に抑えるよう、適切に設計され、正しく接続されたものを使う必要があります。必ずメーカーの指示に従い、グラウンディング用品を家庭の電気配線へ直接つなぐことは絶対にやめてください。こうした機器を使う前に、電気技師にコンセントが適切に接地され、安全に配線されているかを確認してもらいましょう。雷が感電のリスクを生むため、雷雨の間はグラウンディング用品の使用を避けてください。
     
  • 水泳によるグラウンディング:水泳に関連するリスクには、水系の感染症、外耳炎、肩のけが、溺水のほか、塩素による肌の乾燥や目の刺激、髪のダメージといった問題、さらには流れや悪天候、野生動物による被害といった、自然の水域特有の危険も含まれます。
     
  • 体内に機器が埋め込まれている場合:ペースメーカーやインスリンポンプなど、同様の機器を使用している人は、干渉が起きないかどうかを確認するため、グラウンディング用品を使う前に主治医に相談してください。

シュウ氏によれば、手足が冷えやすい人には、グラウンディングがあまり向いていない場合もあるといいます。

「比較的体が温かい体質の人は、暖かい季節に草や砂の上を裸足で歩くと、心地よく、落ち着いた気分を感じることが多いでしょう」とシュウ氏は述べる一方、体が冷えやすい体質の人は、「冷たく湿った地面に長く触れていると、かえって体調に悪影響が出ることがあります」と指摘しています。

2020年の総説では、グラウンディングは広く行われている実践であり、有意義な健康上の利益をもたらす可能性があること、またその一部の効果は比較的早く現れると報告されていることが示されています。一方で、より大規模な研究が必要だと注意を促す研究者もいます。

ウェルネスの実践としてのグラウンディングについては、研究がまだ続いている段階です。しかし、グラウンディングの背後にある、より大きな考え方、すなわち「自然と再びつながる」ということ自体には、十分な意味があります。

「屋外で過ごす時間を持つこと、体を動かすこと、心を落ち着けること、そして自然のリズムとより調和しながら生きること。そのどれもが、健やかな暮らしの一部になり得るのです」と、シュウ氏は述べました。
 

(医学監修 デマリオ・バッツ医師(MD, MSc))
(翻訳編集 日比野真吾)

健康記事を担当するエポックタイムズ記者。