米政府、ロシアにINF全廃条約の順守を要請 調印から30年

[ワシントン 8日 ロイター] – 米国務省は8日、ロシアが中距離核戦力(INF)全廃条約に違反しているとの疑いに対応し、米国が新型の中距離巡航ミサイルシステムを含む軍事的な選択肢を検討していることを明らかにした。

INF全廃条約は1987年に調印され、30周年を迎えた。国務省のヘザー・ナウアート報道官は声明で、INF全廃条約をロシアが再び順守すれば米政府は「こうした検討、および開発活動を停止する」と指摘。ただ「ロシアが再び順守するよう、米国は経済、軍事措置を追求している」とし、場合によっては経済制裁を導入する可能性があることを示唆した。

米国は2014年、ロシアが陸上発射巡航ミサイルを配備したと指摘、INF全廃条約に違反しているとしている。米当局はロシアの巡航ミサイルには核弾頭の搭載が可能との見方を示しているが、ロシア政府はこの件に関して踏み込んだ協議に応じていない。

ロシアは条約違反を否定。ロシア外務省は米国務省の声明発表に先立ち発表した声明で、同条約を保全するためにロシアは米国と協議する用意があるとの姿勢を表明した。ただ制裁措置は容認できないとしている。

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