新TPPの最終協定文発表、20項目以上凍結

[ウェリントン/シドニー 21日 ロイター] – 環太平洋連携協定(TPP)に修正を加えた「包括的および先進的環太平洋連携協定(CPTPP)」の最終的な条文が21日、発表された。米国を除く11カ国による協定が成立に向けて一歩近づいたことになる。

11カ国は今年1月、CPTPPについて、南米チリでの3月署名を目指すことで合意している。

新協定では、医薬品の知的所有権保護を巡るルールなど、米国の要求によりTPPで合意した20項目以上が凍結あるいは変更された。

11カ国の国内総生産(GDP)は合計で10兆ドルに上り、世界全体のGDPの13%以上を占めるが、米国を加えると40%に達する。

ニュージーランドのパーカー貿易相は21日、「世界貿易機関(WTO)ルールの効果的運用への脅威が増しているため、CPTPPは重要性を増している」と指摘した。

トランプ米大統領は1月にダボスで開かれた世界経済フォーラムでTPP参加国と多国間で交渉する可能性を示唆したが、パーカー貿易相は今後数年以内に米国が協定に加わる可能性は「非常に低く」、米国がCPTPPに加わる意向を表明しても、参加国がすべての凍結項目を解除する保証はないと述べた。

また、協定が2018年末あるいは2019年前半に発効する公算が大きいとも語った。

オーストラリアのチオボー貿易相も「TPP11(CPTPP)は農業、製造業、鉱業、サービス業などあらゆる分野にわたり、わが国の新規雇用創出に寄与するだろう。米州とアジアに広がる自由貿易圏で新たな機会を生み出すからだ」と述べ、協定による経済効果を強調した。

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