EU、ブレグジット巡り英に警告 3月以降の交渉「顕著な進展なし」

[ブリュッセル 14日 ロイター] – 欧州連合(EU)は14日、英国のEU離脱(ブレグジット)を巡り、今秋の最終合意までに時間がないと英国に警告した。

EUのバルニエ首席交渉官はブリュッセルで開かれたEU27カ国閣僚会合で、3月以降は英国との交渉で「顕著な進展がない」と語った。EU議長国のブルガリアが明らかにした。

外交官やEU当局者はこれまで、6月28─29日のEU首脳会議においてEUと英国が大幅に交渉を進展させることができるかについて懐疑的な見方を示している。

バルニエ氏は「英国の秩序ある離脱に向けた準備にはさらなる作業が必要だ。われわれは、まだたどり着くべきところに来ていない」と指摘。アイルランド国境問題などで交渉が難航していると付け加えた。

現在のスケジュールでは10月の最終合意に向け、6月に交渉が進展することが重要とみなされている。

EU議長国であるブルガリアのエカテリーナ・ザハリエバ副首相は「10月まで5カ月しかなく、離脱協定に関連したいくつかの主要問題を解決する必要が依然としてある。6月にわれわれはアイルランドや統治、全ての残る離脱問題でかなりの進展をみる必要がある」と述べた。

また、オランダのステフ・ブロック外相はスケジュールの延期を議論するのは時期尚早だと述べた。

一方、英国でメイ首相は、強硬なEU離脱派と、EUとの密接な関税協力を維持するよう求める穏健派の間で板挟みとなっている。

メイ首相の報道官は期限に合わせるよりも正しい合意を得ることに注力していると述べた。

関連記事
中国共産党はWHOを代理人とし、米国に対する「ハサミ戦略」を始めるだろう。新たに進められているパンデミック条約がその引き金となる。
韓国最大の太陽光発電メーカーであるハンファ・ソリューションズ傘下のQcellsは中国江蘇省啓東市にある工場を6月30日に永久閉鎖する。
中国共産党の国家安全部が主導する研究機関は、AI技術とビッグデータを利用してカナダの華人議員の個人情報を密かに収集している。
米イエレン財務長官の最近の訪中は、新たな貿易戦争の予兆であるとする見方がある。イエレン氏は中国当局に対し、ダン […]
全世界の軍事費支出が9年連続で増加し、過去最高値を再び更新したことが明らかになった。スウェーデンに本部を置くシンクタンク「ストックホルム国際平和研究所(SIPRI)」が22日(現地時間)に公開した報告書によると、昨年の全世界の軍事費支出規模は約2兆4400億ドル(約772兆円)に達すると集計された。