【独占報道】元瀋陽司法局長の逃亡歴程

2005年07月04日 10時48分
 【大紀元日本7月4日】元遼寧省瀋陽市司法局長・瀋陽市公安局副局長の韓広生氏は2001年9月、カナダに庇護を求めて亡命した。元シドニー領事館秘書・陳用林氏および元天津市610オフィス警察官・カク鳳軍氏たちが亡命申請を公に発表したことに続き、韓氏も公式に亡命したことを発表し、更に中共の内情を暴露した。先日、大紀元は韓広生氏を取材し、以下はその対話記録である。

 記者:カナダに来てから三年が経ちますが、なぜあなたは今になって初めて亡命の事実を公式に発表したのですか?

 韓広生氏:カナダについた当初から、私は担当する一切の職務から辞退する事を中共に知らせました。他のことについて言及しなかったのは、私の瀋陽にいる家族が迫害されるのを心配していたからです。例えば私の妻は、今日まで監視されています。私との関係を絶つため、去年彼女と離婚したのですが、それでもなお監禁の対象とされているのです。

 オーストラリアの陳用林氏やカク鳳軍氏に励まされて

 すでにオーストラリアの陳用林氏、天津市610オフィスのカク鳳軍氏やもう一人の官僚が中共からの脱退を公式に発表しました。彼らの勇敢な行為に非常に敬服し、同時に励まされました。私も彼らを支持し、声援することで、中共の邪悪的な体質を全世界の人々、特にカナダの人々に知ってもらいたかったのです。それで、私も公式に発表することを決心したのです。

 中共に極めて失望した

 私は中共に大変失望したため、中共から脱退したのです。ここにおいて、中国共産党から脱退することを、もう一度声明します。また、私の知っている中共の邪悪な性質を暴くことが、私の信念であり、また使命のように感じたのです。なぜなら中共の邪悪さを暴くことは、世界中の国々や、中国人の民主政治への建設にも役立つと信じているからです。

 中共はまるで芯から腐ったりんごのようである

 記者:あなたは大学を卒業し、仕事においても非常に高く評価され、そして高級幹部にまで昇進しましたが、そんなあなたが中共に決別し、その邪悪な性質を暴くようになった原因は何ですか?

 韓広生氏:共産党に入党してから20年が経ちます。私は大学の学生の中でも共産党に入党した最初の一人でした。その当時の私は、共産党の下で人民に幸せを与え、社会をもっと温かみのある、希望に満ちたものに変えたかったのです。

 ですから大学を卒業すると、大手企業よりも、私は瀋陽市の公安局を選んだのです。少しずつ、正義を以て邪悪を懲らしめていくつもりでした。しかし時間がたつにつれて、現状は自分の想像とは全く違っていたことに気づき始めるようになったのです。中共はまるで、芯から皮に向かって腐っていくりんごのようだと、気づくようになったのです。

 六四事件、法輪功への弾圧から『九評』(共産党についての九つの論評)

 私がそう思うようになった発端は六四事件でした。そのときから、中共のすべての宣伝は嘘だと、心の中で気づき始めたのです。人民の利益が最優先だと宣伝しているが、実際衝突が起こったら、いつも軍隊を動員して残酷な弾圧を実行してきました。特にその後の法輪功事件になると、もう中共には絶望しました。そのため中共から職務を辞退したのです。

 大紀元が発表した『九評』を、私もしっかりと読みました。非常にありのままに、深刻に書かれていると思います。また、中共のすべての官僚がそれを読むことで、中共の本質に気づくようになることを願っています。すでに50歳を過ぎておりますが、中国の現状を改変させるため、微力ながら尽くしたいと考えております。

 一党独裁による専制政治、言論の自由および独立した司法制度のない中共は、破滅する日が必ずやってきます。中共の官僚たちも、歴史の発展および人類の歩みの法則から、自分の真の使命とは何なのか、自分が本当に成すべきことは何なのかを、はっきりと分かってほしい。

 中国の公安(警察部門)、司法部門は反人類的である

 記者:今回の公式の発表に至るまでの経緯について、あなた個人の理由はありますか?

 韓広生氏:個人的な理由もありますよ、主要な理由ではないですが。カナダなら、保護してくれるだろうと思ったからです。

 記者:それでカナダへ政治避難を申請したのですか?

 韓広生氏:そうです。

 記者:なぜ、カナダがあなたを保護してくれるだろうと思ったのですか?

 韓広生氏:なぜなら私は専制体制の国家から逃げ出し、専制政治に反対し、反人類的な政府に反対していたからです。しかし、私が従事していた政府部門や職務は反人類的なものであるため、申請はある裁判官に却下されました。

 記者:あなたを拒絶した理由とは、あなたが司法局に勤め、しかも指導者だったからでしょうか?

 韓広生氏:公安局にも勤めていたのですから、彼らから見れば、このような部門はすべて反人類的なものだと考えているのでしょう。

 記者:中国の司法部門や公安局に勤めた人員は、反人類的な犯罪者であると決める法律がカナダにあるためでしょうか?

 韓広生氏:カナダの移民法にはそのような規定があると思います。あるいは彼らの国際難民公約に対する具体的な解釈なのかもしれません。しかし客観的に見て、中国の公安や司法局、監獄にせよ、確かに中共の統治の道具として、人民を残酷に弾圧する機能が働いていました。

 しかしその反面、それは全世界の警察部門と同じような機能、つまり刑事犯罪者を逮捕し、社会治安を維持する面もありました。中国の公安機関、監獄などが建設された目的が、人権を蹂躙するため、人類に反するものだと決め付けるのは、不公平だと私は思います。

 もう一つ不公平だと感じたのは、私は確かにこの部門で仕事をしてきましたが、その個々人の態度および表現にも、積極的、消極的の区別はあるはずです。積極的に中共にしたがって人民を迫害してきたのか、それとも人民たちを保護するように努力してきたのかを、区別するべきだと思います。

 記者:一人の人間として、中国のような環境の下でその団体に加入したら、自分の意に反したことはいっぱいあったでしょう。一人の人間が決められることではないですね。

 公式に発表する代償

 記者:このように、あなたが公式に発表することによる代償を、あなたは考えたことはありますか?

 韓広生氏:勿論考えたことがあります。

 記者:どのような代償が支払われると思いますか?

 韓広生氏:中共から見れば、私は国家を裏切った存在なのです。2002年の全国司法局での会議や、瀋陽市の政法会議でも、私は国を裏切って逃亡したと、通報されています。だから私がひとたび中共の手に入れば、非常に厳しい懲罰が私を待っていることは間違いないと思います。特に今、公式に発表したことで、罪が加重されたのです。しかし私は恐れたりはしません。全世界の多くの人々に中共の本当の姿を知らせ、中国人民が早く暗黒な統治から抜け出せるように、カナダの人民に中国の実情を知らせるためならば、人生の半分を過ぎた私には死んでも悔いはないのです。

 高官からアルバイトへ

 記者:あなたは今トロントでどんな仕事をしているのですか?

 韓広生氏:生計のため、私はいろんな仕事をしてきました。アルバイト、タクシードライバー、また小売の商売もしていました。

 記者:中国での高級官僚の生活から、今のトロントでの労働の日々との間には、非常に大きなギャップがあるでしょう。あなたが高級官僚の裕福な生活を捨てて、老後の幸福も捨ててこの厳しい選択をした原動力は、何だったのでしょうか?

 韓広生氏:発端は六四事件で、最期に決心したのは法輪功への弾圧を見たからです。この間、10年を生きてきましたが、十年の思想の変化は、つまり中共の真の姿をよりはっきりと見るようになった過程そのものでもあるのです。

 もう中共のために働きたくない

 記者:なぜもっと早く行動に移さなかったのですか?あなたにはたくさんのチャンスがあったじゃないですか?

 韓広生氏:確かにたくさんのチャンスはありました。94年に初めてアメリカを訪問し、97年もアメリカに長期滞在していました。それでもう帰りたくなくなったのです。しかし公務で出国していたので、私が帰らなければ、私の出国を批准した人たちまでが連座されます。自分の行為のために他人を犠牲にしたくはありません。それで帰国して、機会を待っていました。98年にもカナダのビザを申請できたのですが、さまざまな原因でできなかったのです。しかし中共から離脱する思いはますます強くなっていました。

 なぜなら、もう中共のために働いて、自分の意に反したマスクを被って良心に背くことをしたくなかったというのが、最も根本的な原因です。そのように生活するのは恥だと私は感じていました。私が生涯、追い求め続けてきたのは公正であり、正義なのです。

 初めて泰山を登ったときに書いた文章を、今でも覚えていますよ。当時の南開大学の新聞で発表されました。文章の最後の二句は、「願わくは天地がさらに輝きに満ち、人間界がさらに温かみにあふれるように」でした。これは私の信念であり、また私の理想でした。しかし中共にしたがっては何時まで経っても実現することができないどころか、正に逆行していたのです。これが最も根本的な原因なのです。

 そして、中共の腐敗を、この目で見てきたのです。あのような体制の下の官僚の世界では、思うように生きることができません。私がカナダに逃亡してから、「なぜ高級な官僚支給や裕福な生活と将来を放棄したのか」、と疑問に思う人もたくさんいました。まず信念から観て、私の政治に関する信念は、中共とは全く違っています。そしてあれほど多くの腐敗を見てきたうえ、官僚の世界でその流れのままに従わなければ、異見分子だとみなされます。それだけでも投獄されるかもしれません。ですからいろんな角度から考えて、私は辞職の報告書の中で、官僚世界はあまりにも暗黒で、残酷だから、私は辞退したいと書きました。

 辞職報告書

 記者:この辞職報告書は、あなたが出国してから書いたのですか?

 韓広生氏:この報告書は北京で書いたもので、カナダに着いた次の日に、一人の友人に国内にファックスを送るように頼みました。国内のすべての職務を辞退したのも、熟考した後の決定です。なぜなら長年の官僚世界の暗黒さや残酷さを見てきた私は、本当に民主主義や法治制度を実行する国で生活してみたかったのです。

 私は汚職官僚ではありません

 韓広生氏:私が逃げ出したのは、経済の問題があるからではないかと疑っている人がたくさんいます。官僚生活の中で、私は汚職をしていません。私は職権を利用して他人にいかなる財物をも要求したことはありません。このことを証明する証拠もあります。私が中共から脱退するころ、つまり2001年の第十回党代会で、中共瀋陽市規律検査委員会委員に当選した際に、574票のうち、私は567票を獲得しました。このため、遼寧省司法長も電話の中で、規律検査委員会委員は厳しい審査を経ても、なおこれほど多くの票を獲得したということを祝賀してくれました。

 辞職報告書の中でも取り上げたように、ずっと前からカナダに行きたかったのですが、自分には経済の問題があると疑われ、離れることができませんでした。ちょうど会議の終了後、私を疑った事件も解決できたので、7月31日に私が当選し、8月1日に結果が公表されました。そして8月12日にアメリカを視察し、9月6日に帰国後、同月16日にカナダにきました。その当時の背景は次の通りです。

 満月の夜

 カナダと中国での生活の格差は、実に大きなものでした。親戚がいない上、言葉も通じない私は、最初からやりなおすしかありませんでした。中国では他人が私のために運転をしていたのに、ここでは私が他人のために車を運転するようになりました。国内では4LDK、170平方メートルの住居がありましたが、ここでは十数平方メートルしかない地下室で生活しています。生活は本当に孤独で、さまざまな困難にぶつかりました。特に月が丸くなった夜、私はいつも自分の家族を懐かしく思うのです。しかし私は決して後悔していません。私の選択の代償は非常に大きなものでしたが、正直で良知があり、信念のある人なら、自分の信念を履行するために、どんな代価も惜しまないでしょう。ですから私は後悔していません。そしてより多くの人々が早く目覚めることを願っています。

 記者:カナダ政府は、あなたの中国の司法関係の友人を、人類に反する犯罪者と同一視しているそうですが、それに対して何か言いたいことはありますか?

 韓広生氏:カナダ政府は国際難民公約の執行方法について討論すべきだと思います。中国の政法部門の職務にも普通の部門があり、それぞれの部門の人々のパフォーマンスも違うため、個別に対処すべきだと思います。例えば、ナチスの中でも、例外はあったでしょう。シンドラーさんはナチス党の一員でしたが、彼はその職権を利用して数千人ものユダヤ人の命を救ったのですから。

 カナダ政府が私の政治庇護を批准してくれないことで、私一人の心が傷ついただけではなく、たくさんの人々の心も傷ついたと思います。そうなりますと、もはやこの世界には正義がなくなり、他の人たちも西洋の文明社会に逃亡しなくなり、意に反しながらも、中共のために一生懸命働かなければならなくなり、絶望を感じるでしょう。ですから、カナダ政府にはこの政策を再び検討してほしいのです。多くの人々に、輝かしい未来が待っているのだと、私はそう信じています。

 中共の埋蔵品にならないでほしい

 記者:国内の同僚たちに、何か言いたいことはありますか?

 韓広生氏:同僚たちのことは、今でも鮮明に覚えています。彼らの中国での生活も、きっと楽なものではないと思います。他には選択肢のない情況の下で、少なくとも良知だけは守ってほしいと思います。人民や被害者に善を、与えてください。暗黒は短いものであり、中共の統治も人類の歴史から見れば、そして中華民族の文明の歴史から見れば、非常に短い瞬間に過ぎません。人間が生きている以上、正直で、善良さを失わずに、移ろい行くは世の習いと信じるべきです。私の同僚たちには、自分の言行を反省し、中共とは距離を置いてほしい。決して中共の埋蔵品とならないように。

 党を裏切ることは、国を裏切ることではない

 記者:トロントには数十万の華人がいます。あなたの中共離脱事件について、中共はすでにあなたを党や国の裏切り者とみなしているため、華人のあなたへの見方も影響してくるでしょう。海外の華人に何か言いたいことがありますか?

 韓広生氏:私を知っている人は、個人的関係から見れば友人だが、政治的な考えでは同意しないでしょう。特に私の話したことに関しては、さらに敬遠するでしょう。それは、彼らのあいまいな概念のためであり、あるいは誤った概念のため、彼らは私を、中共のいうような党や国を裏切った裏切り者と考えるようになったのだと私は思っています。

 実際のところ、中共は中国を統治する一つの政権に過ぎないのです。中共は中国を代表することができない。ただ中国を統治しているにすぎないのです。それにその生命力にも限りがありますが、一つの国家として、一つの民族は永遠に存在するものなのです。私は中国共産党を裏切って離脱したのですが、だからといって私が中国を裏切ったことにはならず、中華民族を裏切ったことにはならないのです。私は自分の祖国を愛し、そして私の同胞たちを非常に愛しているのです。私はただ、より多くの善良な人々が、この点について理解してほしいと、願っているのです。

(つづく)


(記者・顔真、亜梅)

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