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会見で発言する世界ウイグル会議議長ラビア・カーディル氏

「ウイグル人1万人が消えた」=ラビア・カーディル氏、日本記者クラブで会見

 【大紀元日本7月31日】7月28日より民間の招待で来日している在外ウイグル人組織「世界ウイグル会議」(本部ドイツ)の議長で「ウイグルの母」と呼ばれるラビア・カーディル氏が29日、東京の日本記者クラブで会見をおこなった。「ウイグル人1万人が消えた」と、7月5日にウルムチで起きたデモ事件の真相を伝え、国際社会に独立調査団の現地派遣と真相究明を求めた。

 会見は日本語通訳を介して、全てウイグル語でおこなわれた。その主な内容は以下の通り。

 ウルムチの悲劇「7・5」事件

 まず、関心を寄せていただいた日本の皆さんに感謝したい。6月26日深夜、中国広東省へ強制的に送られたウイグル人労働者が、数千人の漢人に襲われて多数の死者・負傷者が出た。その事件の責任を追及するデモが7月5日ウルムチでおこなわれたが、武力弾圧が加えられ今回の悲劇となった。広東の事件について、ウイグル人は中国政府の対応を10日間待ったが何もなされなかった。そこでウルムチのウイグル人学生たちが、中国国旗を掲げて平和的なデモをおこなったのである。この時には中国国旗以外の何も手に持っていなかった。このデモが反政府運動ではないことを示すためだった。学生たちは、民族融和を宣伝しながら広東のような悲劇が起きることについて、中国政府に説明を求めただけだ。

 当局の扇動によって激化

 初めは平和的なデモだったが、その中に潜入した私服の警官が挑発し、人々を扇動して暴動に向かわせた。漢人とウイグル人との間で衝突が起きた時、中国の警官は包囲するだけで制止しなかった。その間、漢人の被害者だけを撮影した。同日午後9時すぎ、ウルムチ市内は突然停電となった。暗闇となった瞬間、市内各所で機関銃の音が鳴り響いた。次の朝までに、その場にいたウイグル人は1人もいなくなっていた。殺されたのか、生きたまま連行されたのか分からない。ウイグル人の犯行であることを印象づけるため、漢人の死体だけはその場に放置されていた。

 ウイグル人1万人が消えた

 私たちは、ウイグル人が殺されることも、漢人が殺されることも望んでいない。公表された映像を見ても分かるが、武器を持っているのはむしろ漢人のほうであり、ウイグル人は手に何も持っていない。中国当局は死亡したのは197人で、そのほとんどが漢人であると言っているが、全く信じられない。その場に集まった1万人近くのウイグル人が、一夜のうちに全員消えているのだ。この後も、ウイグル人男性を手当たり次第に拘束し続けている。混乱の中、ウイグル人が漢人を傷つけたことが全くなかったとは言えないだろう。しかし、平和的に始まったデモを扇動して、暴動に発展させた責任は中国共産党にある。ウイグル人にとってデモに参加することは、死も覚悟の上の行動である。暴動となれば武力鎮圧されるのは分かっているのだから、あえて起こすはずがない。

 中国共産党の統治下で

 1949年、中国共産党が東トルキスタンを侵略して以来、新疆ウイグル自治区と呼ぶようになった。自治区の法律ではウイグル人の権利が認められている。しかし、この植民地支配の60年間、認められているはずの権利は与えられなかった。中共が入ってきたその日から、私たちの平和な暮らしは永遠になくなったのだ。ウイグル人の家庭で、中共からの被害を受けていない家庭はほとんどない。私の夫は9年間、私自身は6年間、政治犯として監獄に入れられた。私の2人の子どもも、それぞれ7年と6年の刑を受けて今も監獄にいる。今ウイグル人は、政治犯のレッテルを貼られないように、日常会話にも注意しなければならない。経済活動をおこなう自由も、信仰を守る自由も、ウイグル語で教育をおこなう自由もない。以前はウイグル人の学校と漢人の学校が分けられていた。現在、名目上は合併だが、実質的にウイグル語で授業する学校は廃止されている。すべての権利が中共に奪われているのだ。

 困窮するウイグル人の生活

 ウイグル人の土地も資源も中共に奪われた。ウイグル人の86%に当たる人が農業に従事していたが、中共はその農民の土地を管理という名のもとに没収し、新疆生産建設兵団という300万人近くの軍隊に引き渡した。ウイグル人はますます貧困化した。就職の機会もない。大学を卒業してもウイグル人は要らないと言われる。単純労働でさえウイグル人を雇う企業はほとんどない。未婚のウイグル女性を就業という名目で中国内地に送っているが、その目的は民族同化である。これは強制的におこなわれる政策であり、拉致と同じだ。2006年からの3年間だけでも、14歳から25歳までの未婚のウイグル女性30万人以上が中国各地に送り込まれた。奴隷と同じであり、どの民族でもこんなことをされれば反発する。しかし、自分の娘を行かせない、あるいは娘本人が行きたくないなどと言えば、たちまち反政府分子やテロリスト、分裂主義者などというレッテルを貼られてしまうのである。

 国際社会に求める真相究明

 この反政府分子やテロリスト、分裂主義者というレッテルは、中共側から見たときのウイグル人そのものの認識である。しかし本当のウイグル人は、心から平和を愛する民族なのだ。そのウイグル人が決死の覚悟で今回のデモをおこなったのは、広東省の事件に関する当局のあまりに杜撰な対応を訴えるため、これしか方法がなかったからである。私たちは国際社会に対して、独立調査団を現地に派遣し、真相究明に全力をあげることを要望する。特に7月5日夜、行方不明になった1万人近いウイグル人がどこに行ったのか、それを調査して真実を明らかにしてほしい。ウルムチ市内の競馬場の近くに千世帯以上のウイグル人居住区があるが、今その居住区には10歳以上のウイグル人男性は1人もいない。調査団がそこへ行けば事実は一目瞭然だ。

 会見の最後におこなわれた質疑応答のなかでカーディル氏は、世界ウイグル会議がアルカイダと関係しているという中国政府の主張を、「全くの誹謗中傷だ」と全面否定した。

 また会場に来ていた中国共産党の機関紙「人民日報」の記者が、カーディル氏がまるで現場を目撃したかのように話せるのはなぜか、また同氏がかつて中共のもとで事業に成功し富豪となったことは先ほどの話と矛盾しないのかと質問したのに対し、カーディル氏は次のように答えた。

 「メディアではなく中共の宣伝機関である人民日報と、この場で言い争いをする気はない。5日の事件発生直後から、世界各国のウイグル人が電話などで現地と頻繁に連絡を取っている。また事件当日に現地にいて、その後、国外に脱出した目撃者による直接証言も得ている。それらの情報を総合して話したのであり、信憑性は高いはずだ。もちろん個々の証言の確認作業も進めている。第2の質問についてだが、私はかつて一部の人間を先に裕福にするという中国の政策のもとで富を得た。私はその金をウイグル人のために当てたので、ウイグル人の中で私の存在感が一気に上がった。そのような私を利用するため、中共は政治の場に私を引き入れた。当時の私はまだ中共を信じていたので、自治区の法律に則って民族の権利が守られるよう主張し、行動した。そのため中共は、私を監獄に入れたのだ。中国共産党はウイグル人の生活を破壊した。あなたには、宣伝機関の人間ではなく、1人の報道者として現地を回り、真実を報道するよう希望したい」

 
(牧)


 (09/07/31 11:14)  





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