【大紀元日本8月31日】中国ではこのほど、「南水北調プロジェクト」に伴う住民の移転を正式に開始すると発表した。このプロジェクトは、長江、准河、黄河、海河をつなぐ東線、中央線、西線の3本のルートを建設し、中国南部の水を北部へ引く一大工事。同プロジェクトについて、ドイツ在住の水利専門家・王維洛氏は「三峡ダム工程よりも深刻な環境破壊が起きる」と指摘している。
王氏によると、同プロジェクトにより建造されるルートは、大・小の川を含めて700本近い河川を横断することになる。これは自然の法則に反した方法であり、増水期や干ばつ時に予測できない結果をもたらす可能性がある。「現在これらの河流状態はよいのに、これら全ての河流が溝で繋がっていたら、洪水の時、どこへ水を流せばよいのか」と王氏は懸念する。
この他、各ルート工事はこれら河川の中・下流地域に深刻な環境破壊をもたらすと王氏は指摘する。たとえば、東ルートの調水工程では、長江河口地区の土壌塩類化などの問題を引き起こし、また中部ルートの工程では武漢、湖北地区にも計り知れない損失をもたらす危険性がある。しかし、これら巨大な代償を支払っても、華北地区の水不足問題は解決できない、と王氏。「華北の水不足問題の根源は、干ばつではなく、自分たちで水資源を破壊したことが原因だ」と述べ、これを調水で解決することはできないと主張する。
建築界のノーベル賞といわれるプリツカー賞受賞者ジャレアード・ダイアモンド氏(Jaleaed Diamondo)は、自身の著作『大崩壊』の中で、南水北調プロジェクトは汚染を拡散し、河水資源の均衡を失わせ、生態系に大きな破壊をもたらすと主張している。
(翻訳編集・坂本)
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