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命にかかわる胸の痛み! 血栓を防ぐ食事療法と心臓を守る4習慣

突然激しい胸の痛みに襲われた場合、それは心筋梗塞の前触れかもしれません。台湾の「心医堂中医診所」院長・呉国斌氏は、新唐人テレビの健康番組『健康1+1』で、心筋梗塞を予防・改善する2つの食事療法と、緊急時の応急処置法、そして心臓を守るための日常習慣を紹介しました。
 

狭心症と心筋梗塞の原因

虚血性心疾患(心筋への血液供給不足)は、心臓に酸素と栄養を運ぶ冠動脈の状態に大きく関係しています。冠動脈の内壁に脂肪やコレステロールなどが蓄積して「プラーク(粥状硬化)」ができると、血管が狭くなり、血流が滞ることで「狭心症」が起こります。

冠動脈が完全に詰まってしまうと、心筋への酸素供給が断たれ、「心筋梗塞」に至ります。これは非常に深刻な虚血性心疾患です。
 

血栓を予防する食事療法

心筋梗塞などの心疾患の原因のひとつは「血栓」です。呉医師は、血栓予防に役立つ中医の薬膳として、以下の2つのレシピを紹介しています。

黒キクラゲの薬膳スープ

  • 材料:乾燥白背黒キクラゲ30g、脂身の少ない豚肉60g、ナツメ5個、生姜2~4枚
     
  • 作り方:黒キクラゲは軽く洗ってから水に約2時間浸して戻し、すべての材料を水1500ccでとろ火で2時間以上煮込み、500cc程度まで濃縮します。
     
  • 飲み方:1日1回、朝食前の空腹時に飲みます。30日間連続して摂取します。
     
  • 効果:黒キクラゲは多糖類などの生理活性物質を豊富に含み、血中脂質を下げ、血液凝固を抑え、免疫機能を調整する作用があります。中医学では「養血・活血」とされ、ほぼすべての心血管疾患の予防に役立つとされています。

丹参・田七・西洋人参パウダー

  • 材料:丹参、田七(三七)、西洋人参(アメリカ人参)を等量
     
  • 作り方:3種の薬材を粉末状にすりつぶします(生の田七を使用。煮てしまうと効果が落ちます)。
     
  • 飲み方:朝食後・夕食後にそれぞれ3g服用します。
     
  • 効果:「補気」「活血化瘀(血の流れをよくし滞りを取り除く)」作用があり、血栓の予防に効果的です。

田七は血管保護において最も使われる中薬の一つで、血流促進・止血という一見矛盾する両方の作用を持ちます。動物実験では、田七が急性心筋梗塞による心臓の損傷を軽減する働きがあることが示されています。

西洋人参は「気(エネルギー)」を補う効果があり、体を温めすぎない補い方として、身体が熱を持ちやすい人にも適しています。

丹参は活血化瘀に優れた漢方で、動物実験により血管の炎症や酸化ストレスを抑え、血圧を下げる作用も確認されています。心臓・脳血管疾患の予防に有効とされています。
 

心筋梗塞の意外なリスク要因――骨折

呉国斌医師は、心筋梗塞の原因として見落とされがちな要因の一つに「骨折」、特に太ももの骨(大腿骨)の骨折があると指摘しています。大腿骨は大きな骨であるため、骨折すると脂肪が血中に流れ込み、血栓ができやすくなります。そのため、骨折の初期、特に骨折後1週間以内は、心筋梗塞・肺血栓塞栓症・脳梗塞などを防ぐ目的で抗凝固薬を服用することが推奨されます。

中医学では、骨折初期に「瘀血」を取り除くための強力な薬を使います。これを「破血」と呼びます。若い人には、地鱉虫(じべつちゅう)、地竜(じりゅう/ミミズ)などの昆虫薬が効果的で、血栓の解消に優れています。一方、高齢者には丹参や三七といった、より穏やかな作用の薬が適しています。また、乳香や没薬といった天然の鎮痛薬も併用し、骨折後3~5日間服用することで、血栓の発生を防ぐことができます。
 

狭心症と心筋梗塞の症状の違いと共通点

心筋梗塞の早期発見は命を守るために非常に重要です。そのため、危険なサインを見逃さないことが求められます。

狭心症と心筋梗塞はいずれも「胸の痛み」として現れるのが共通しています。痛みは一般的に胸骨の下や肋骨の後ろに感じられ、時に首、顎、肩、左腕の内側、小指まで放散することがあります。とくに、中医学で「心経」とされるルート(腕の内側から小指にかけて)に沿って痛みが広がる場合は要注意です。

中には、歯の痛みを感じて歯科を受診した結果、実は心筋梗塞だったという例もあります。このようなケースでは、治療の遅れが命取りになる可能性があるため、注意が必要です。

心筋梗塞による胸痛は、心臓の血流が完全に遮断されることで起こるため、激しい痛みとともに強い不安感、「死にそうな感覚」を伴うことが多いです。痛みの持続時間は通常30分以上で、冷や汗をかくこともあります。

一方、狭心症による胸の痛みは、比較的短く、10~15分ほどで治まることが多いです。安静にしたり、硝酸薬(ニトログリセリンなど)を服用することで痛みが軽減します。狭心症は、体を動かしたり、緊張したり、運動したりといった、心臓に負担がかかる場面で起こりやすく、心筋の一時的な酸素不足によって発症します。
 

心筋梗塞の応急処置と心臓を守る習慣

呉国斌医師は、もし患者が安静や薬を使っても胸の痛みが治まらず、痛みが持続するようであれば、すぐに病院へ行き、救急対応を受けるよう強く勧めています。救命のゴールデンタイムを逃さないことが大切です。

病院に搬送されるまでの間にできる応急処置として、呉医師は次の方法を紹介しています。患者の胸の大胸筋のあたりを手で強く押し込みながら揉みほぐすことで、心臓が一時的に活力を取り戻し、治療までの時間を稼ぐことができるとされています。
 

心血管の異常を示す兆候

胸の痛み以外にも、以下の8つの症状がある場合は、すでに心血管系に問題が生じている可能性があります:

  • 階段を上がると息切れがする
  • 時々胸が圧迫されるように痛む
  • 心臓がドキドキして、それが10分ほど続く
  • 意識を失って倒れたことがある
  • 短期間で急に体重が増えた(水分の溜まり)
  • 両脚がむくむ、腹部が張る、腹水が出る
  • 最近、急に食欲がなくなった
  • 肩・背中・喉・歯などが長期間痛み、治療してもよくならない

呉医師は、家族に心血管疾患のある人は特にこれらの症状に注意すべきだと強調しています。さらに、長時間座りっぱなし、喫煙、過度の飲酒、強いストレス、塩分の多い食事などの習慣は心疾患のリスクを高めるため、これらに2つ以上該当する人は、心血管の異常が進行している可能性を考慮する必要があります。
 

心臓を守る生活習慣

呉医師は、日常の小さな習慣の積み重ねが心臓の健康維持に大きく貢献すると述べています。

1. 毎日3回歯を磨く

歯周病菌は血中に入り、全身の炎症を引き起こして血小板や免疫細胞の働きを乱し、血栓を促進することが研究で示されています。口腔内を清潔に保つことは心疾患予防にもつながるため、1日3回の歯磨きが推奨されます。

2. 下半身の血流を促進する運動

つま先立ち(ヒラメ筋の刺激)やスクワットなど、簡単な動きでも下半身の血流改善に効果的です。ウォーキング、軽いジョギング、水泳、自転車、ストレッチ、ラジオ体操、階段昇降などの「軽めの有酸素運動」を週2〜3回、各30分程度行うと心肺機能の向上にもつながります。

3. 毎晩6時間以上の睡眠を確保する

睡眠不足は全身の炎症を引き起こし、心筋梗塞や脳卒中のリスクを高める要因です。とくに6時間未満の睡眠が続くと影響が大きいため、夜はしっかりと休むことが大切です。ただし、高齢者の場合は昼間の仮眠も含めて休息時間を確保する形でもよいでしょう。

4. ストレスを上手に発散する

ストレスは自律神経や免疫系に悪影響を与え、炎症や動脈硬化を進行させます。その結果、心疾患のリスクが高まるため、日常的に心身をリラックスさせる習慣を意識しましょう。趣味や軽い運動、深呼吸など、自分に合った方法で気持ちを解き放つことが重要です。

(翻訳編集 華山律)

英文大紀元が提供する医療・健康情報番組「健康1+1」の司会者を務める。海外で高い評価を受ける中国の医療・健康情報プラットフォームであるこの番組では、コロナウイルスの最新情報、予防と治療、科学研究と政策、がんや慢性疾患、心身の健康、免疫力、健康保険など、幅広いテーマを取り上げている。
李立心